大傑作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日談であり、義手の女戦士フュリオサが主人公。それが絶賛公開中『マッドマックス:フュリオサ』

 

あの圧倒的世紀末世界観とヒャッハーなバイオレンス&カーアクションの完全新作が、大スクリーンでみられるなんて。こんな幸福なことがあろうか!!

 

...なんですが、興行収入が大コケというまさかのバッドニュース。このままではシリーズ続行も難しいと言われる始末。

 

おいおい、始祖ジョージミラー監督の最新作「マットマックス」なんだぜ。どういうことなんですか、クワトロさん!!(意味不明)

 

ということで、オールナイト上映にレッツラゴー。さあ...楽しませてくれよ!!

 

 

(2024年公開 上映時間 2時間28分 監督 ジョージ・ミラー)

 

  ストーリー

 

世界の崩壊から45年。若き日のフュリオサは母を殺され、暴君ディメンタス率いる暴走族のバイカー集団の手に落ちてしまう。

 

ディメンタスが鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーと土地の覇権を争う中、フュリオサの復讐と故郷を目指す戦いが始まる。

 

  感想

 

個人的には大傑作。しかし、ヒットしない理由も分かる本作。

 

戦士フュリオサのアクション映画だと思っていたのに、ほぼ中盤まで彼女の幼少期のお話。「マッドマックス」というより「フュリオサ・サーガ」というべき、こってりじっくり展開。

 

しかも、内容はかなり陰惨。アクション場面より「うわーヒデェ...」と思わせる描写の方が印象に残るほど。

 

乱暴に言えば、バイオレンス満載のカーライド映画が前作としたら、カタルシスがない純粋な復讐劇が本作。ただ楽しみたいだけの、ライト層の観客にウケるワケないですハイ。

 

でもね...オレは好き!!

 

今回のスロー展開も「あーこういうアプローチでいくんだ」と早い段階で許容。これも監督ジョージミラーへの絶大な信頼がさせる業。

 

また主人公フェリオサがヨカッタ。非常によかった。

 

 

 

 

母を殺され故郷を失った少女が、泣き言一つ言わず黙々と己の地位向上に努め、復讐と故郷への帰還を目指す。そんな彼女の強さと孤独をビッシビシ感じるのだから、好きにならずにはいられない!!

 

演じるアニャ・テイラー=ジョイも本当に素晴らしい(目力スゴすぎ)。何気ない身のこなしもスムーズでまさにフェリオサそのもの。

 

また今回のメイン悪役ディメンタスも、なかなかに魅力的。

 

人を惹きつけるカリスマ・ユーモアを持ち合わせるが、実は他人のことは何とも思っていない自己中サイコパス。極悪非道の振る舞いをするが、微妙にキライになれない。まさにアントン。

 

あと物語の軸として「悪VS悪」という構図も個人的にはタマラナイ。まさにある意味夢の対決(北斗の拳で拳王軍VS聖帝軍とかみたかった...)

 

特に前半、ディメンタス率いるイキったバイカー集団の前に現れる、イモータン・ジョーたちの威風堂々ぶりといったらもう!! 悪の格が違い過ぎると言わんばかりのカッコよさに心底シビレました♪

 

振り返ってみれば、アクション場面はやはりさすがの「マッドマックス」。特に中盤のウォータンク争奪戦の密度は何度も観返したくなること間違いナシ。

 

ただやはり幼少時代のパートは長かった。正直、これじゃウケないよなと思ったのはナイショ。

 

とはいえ、個人的には大満足な本作。絶対円盤買いますじゃ。

 

 

 

次作のマッドマックスぜったい観たい。もっともっとヒットしてくれ~!!

 

 

満足度 85点