ゲームのチャンピオンは、本物のプロレーサーになれるのか?
このお題目だけで、興味をそそられずにはいられない本作『グランツーリスモ』。予告編もいいカンジでしたが、なんとなく劇場行きそびれちった作品。
しかし、監督がなんと大傑作『第9地区』のニール・ブロムカンプと後から知って大後悔。コレ、観に行きゃよかったヤツだ絶対‼︎
ということでアパホテル大画面で視聴した本作感想。さあ...楽しませてくれよ!!
(2023年 上映時間/2時間14分 監督/ニール・ブロムカンプ)
ストーリー
世界的大ヒットゲーム「グランツーリスモ」に夢中の青年ヤン・マーデンボロー。元サッカー選手の父は、そんなヤンに毎日苦言を呈していた。
しかし、ゲームの実力を認められた彼は、ゲームプレイヤーを本物のカーレーサーに育成するための選抜プログラム「GTアカデミー」に参加を認められる。
感想
まさか、ここまでTHE・王道映画だったとは。いやはやビックリ。
人生負け犬だった主人公が、千載一遇のチャンスをつかみ、挫折と成功を繰り返した後、栄光を掴むという、一見するとただのベッタベタサクセスストーリー。
息子の生き方に懐疑的な父。理解者の母。性格の良い美人のカノジョ。そして人情味溢れる鬼軍曹マスターに卑劣な金持ちライバルレーサー。登場人物たちも、あまりに定位置に収まる、捻りの無いキャラばかり。
スポーツ、ビジネスなど他のジャンルでも、このテンプレはめればとりあえず完成しちゃうんじゃねと思える、二時間ドラマのような安直なお話に思えるワケですが...
しかし、これが事実ベースのストーリー。いやあ、ホントスゲーよヤン(いまも現役レーサー)!!
そう考えれば、この単純さにも納得。というか、リアルストーリーだからこそ、ここまで王道に振り切ったんでしょう(架空の話だったら、感情移入が難しいぐらい主人公にメタクソ理想的なお話)。
あと肝心かなめのレースシーンは、文句のつけようがないド迫力。これは大スクリーンで観たかった!!
それに加えレースが始まるまでの、息苦しい緊張感が伝わる演出も秀逸。自分がレースに臨むか如き最前線気分はサイコーです♪
ぶっちゃけ「グランツーリスモ」は自分がハマれなかったゲーム。
ですが、ゲームに捧げるヤンの気持ちはよ〜く分かる。未だ「AC6」で毎日数時間溶かしているロートルレイヴンですからね、戦友。
ラストの流れがあまりにテンプレ的大勝利で、主人公の夢オチかと思いました。
満足度 70点