劇場に行くか行くまいか。本夏悩ましたのが、本作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。
シリーズ第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』第2作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』はマイフェバリット・ムービーと呼べる愛すべき作品。「カリ城」「ラピュタ」同様、内容全部わかってても楽しめちゃう、まさに完全無欠の映画たち。
ただ第3作以降は、個人的にそこまでの面白さは感じなかったんですよね...(前作『クリスタル・スカルの王国』なんて、ほとんど記憶が曖昧)
本作もかなり否定的な声が多く、アカン内容な気はしたのですが、シリーズ全作劇場で観ている(一応の)インディファンとしては、最終的に義務感で観に行くことに。
(2023年公開 上映時間 2時間34分 監督ジェームズ・マンゴールド)
ストーリー
1969年考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の前にヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)という女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝アンティキティラのダイヤルこと「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。
それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝。宿敵である元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)もインディに奪われた「運命のダイヤル」を取り戻すべく、ナチスの残党と共に動き出していた。
感想
冒頭の若きインディのエピソード。これは本当にヤバかった。
本来は「007シリーズ」同様、観客の心をガッツリつかむための、サービス満点の大活劇になるハズが...これがまったく面白くない!!
なんつぅか展開自体がつまらない上に、アクション映画ならではのライブ感が皆無。いま正にそこで繰り広げられている、生々しさがまったく感じられないんですよね。
気持ちが萎えたところに続く前半~中盤戦も、相当にビミョー。
鉄人ハリソンとはいえ、さすがに81歳のご老体。動きがスローモー過ぎて、ビシバシ殺人を貫徹できるナチ残党相手に、危機を切り抜ける場面の説得力がどーしても感じずらい(地下鉄を馬で疾走して列車に追われる場面なんて、痴〇症の暴走老人かと思えるほど)。
このアクションの切れの無さを、相棒ヘレナがフォローするかと思えば、こちらはそもそも、それ系じゃない女優さんのようで、普通に走る場面ですらドタドタする始末。美人でキラいじゃないですが、ハリソンのフォローが出来る身体能力高めのキャスティングが必要だったのではないでしょうか??
とはいえ、あまりのショッパさ故、後半に限っていえば思ったより楽しめました。「アンティキティラのダイヤル」はそーいうことに使うのね♪
欠点や納得いかんことは多々あった本作(ヘレナのキャラ豹変、ヒゲ子役、ミケルセンのムダ使い、インディ協力者への容赦のなさetc)ですが、最後にはもうこれでもいいかという、諦め・わびさびの境地へ...
口直しに『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』が観たくなりました。
満足度 55点