若い時にそれほど興味がなかったテーマが、年齢を重ねた自分に刺さるときがあります。

 

本作は「若返り」にバトロワ的要素を加えた映画。予告編をサラッと観ただけで(ネタバレ嫌なので半分だけ♪)低予算バレバレですが、「金持ちの脳ミソを若者に移植した参加者」という設定だけで、がぜん観賞意欲が湧いた作品。

 

ポンコツになっていく老いた自分から逃れたい。そんな切実な気持ち...オジサンにはよく分かるんです。

 

「みなさんもそうですよね??」コールレスポンス期待)。

 

 

 

(2013年 上映時間 1時間43分 監督:ティノ・ナバロ ダヴィド・ヘボルダオン)

 

  ストーリー

 

重病により末期が近くなった高齢の大富豪、スティーブ・バティエ(ルトガー・ハウアー)。彼はRPG社が開発した、自らの脳を若者の脳に移植するというサービスを受けに来る。

 

しかし、若返りには条件があり、バティエを含めた10人のプレイヤー同士が殺し合いをしなければならない。

 

もし彼らが殺し合わなければ、一時間ごとに誰かがシステムにより抹殺される。世界中の富と権力を持った人間たちのサバイバルゲームが始まる。

 

  感想

 

大金払うのに殺し合い?? 

 

そんな疑念を抱かずにはいられぬ、強引な幕開け。若返りさせるというから、わざわざ販売会社に出向いた大金持ち諸君なのに「実は若返りできるのは一人だけ。さあ殺し合いして下さい。最高の体験が出来ますよ♪」なんて、突然その場で言われるんですから、トンデモナイぼったくり!!

 

フツーは激高しそうなものですが、文句の一つも言わない主人公バティエ(アンタ、〇カぁ??)。そそくさとゲームがスタートし、若者の姿で目が覚めると、周囲はすべて廃墟。そして他の9人のプレイヤーの登場。

 

そんなカンジで始まる本作。なんだかビミョーな気がします。

 

しかし、個人的にはハマったのだから、我ながらオドロキ。

 

 

「戦わなければ生き残れない!!」(by「龍騎」)

 

 

そんな覚悟と勢いが何もない、半信半疑な参加者。しかも、ただの軽装で何の武器も持たされず、周りはただの廃墟。シャワー・ベッドはおろか、食べ物・飲み物すらない劣悪な環境。

 

言い値で大金払ったのが、この有様。バトルフィールドで最新火器を装備し、若い肉体でガンガン殺し合いをするバトル・アクション・ゲームと思ったのに、実際はとんでもないクソゲー。石でも使って殴りつけろってか。

 

 

こんなバトロワ、ぜんぜん楽しくないじゃん!!

 

 

...という理不尽で何も満たしていない感じが、自分が実際にみる悪夢に似ている気がしたんですよね。

 

本編は予想通り、終始地味~な展開。特段なサプライズもなく、皮肉なラストでジ・エンド。この手の映画に期待される満足感は、決して高くないでしょう。

 

ただ、個人的にはリアルな悪夢をみせられている没入感。こういう映画は初めてかも。

 

とはいえ、当然他人にオススメできる映画ではございません。よしなに。

 

 

 

エンドロールに流れる、主題歌のスケール感だけは007級。名曲♪

 

 

満足度 60点