「コードネーム」
タイトルにつけば、どんな映画でもあらすじぐらいは読んでしまう、中二心くすぐるマジックワード。
本作『コードネーム:ストラットン』も、そんな一本。よくあるタイプの映画ぽいですが、「コードネーム」だけで視聴意欲も飛躍的に高まるのだから恐ろしい
(2016年 上映時間 1時間34分 監督 :サイモン・ウェスト )
ストーリー
SBS(英国海兵隊特殊部隊)隊員のストラットン(ドミニク・クーパー)は、中東の化学工場を偵察中、敵の罠にはまり相棒マーティを失ってしまう。
英国諜報部MI6の分析により敵の首謀者はバロフスキーという元ロシアのスパイであることが判明。ストラットンは、新たな相棒であるネイビーシールズのハンク、MI6のアギーと共に、バロフスキーの潜伏先ローマへ向かう。
感想
地味。とにかく地味な主人公ストラットン。
むさいヒゲ面、お洒落っ気無しの中肉中背。際立った戦闘能力もなく、アイコン的要素はマジ皆無。多分、他の映画に出ていても、顔が思い出せないほどの主人公。
ただですね...個人的にはこれがリアル!!
実際の特殊部隊員は、たぶん目立たない男たちの気がします。デカいマッチョや蛮勇を気取る輩は、エリート部隊の厳しすぎる選別には耐えられず、いかにも戦闘能力あり気な風体では、異国での潜入ミッションは相当不向きではないでしょうか?
本作はダンカン・ファルコナーの冒険小説の「Stratton」シリーズを原作にしており、なんと作者自身が本作特殊部隊SBSの出身者。多分、キャスティングやキャラ造形は原作のリアリティさを反映させたのではないかと思います(と言いつつ、読んだことナシ。ちなみに相棒ハンクも超絶地味)。
また戦闘描写も、かなり高難易度(主人公たち目線)。特に冒頭のストラットンたちが襲撃される場面。反撃するストラットンの弾がとにかく当たらない!!
敵は包囲しており、優位な位置にいるので、当然といえば当然なんですが、90分足らずの娯楽映画ではなかなか無い描写なのでは? 普通の映画であれば、ワンショット・キル連発なのに、ストラットンたちが少々気の毒になります。
また後半、敵ボスのバロフスキーを襲撃するシーンも、ストラットンとハンクの単独特攻ではなく、あくまでSBS一員として参加するのもリアルで好き♪(しかも覆面。最初はどこにいるか全くわかりません)。
映画全体としてもムダなシーンが一切なく、さくさく観られる良質なアクション映画。裏方に徹するMI6の描き方、裏切り者の最期も秀逸。
ただ、終盤のバスでの攻防はあと一歩。クライマックスなのだから、もっとエキサイティングな展開を用意して欲しかった!!
とはいえ、個人的にはかなりお気に入りな一本。大満足です(^^)。
ちなみに「ストラットン」って本名(原題もシンプルに「Stratton」)。コードネームつけときゃ、観るヤツいるだろ作戦。おみそれしました)
満足度 70点