愛しかった、あの人を蘇らせちゃった映画。
死んだ人間を蘇生するという、倫理的にも難しいテーマ。気持ちは分かりますが、先ず100%ロクなことが起こりません(『デッドリーフレンド』『ペットセメタリー』etc)。
本作『ラザロ・エフェクト』もそんな一本。「どうしてわたしをイキカエラセタイノ」との日本版キャッチコピーもちょっとコワイ。
(2015年 上映時間 1時間23分 監督 デヴィット・ゲルブ)
ストーリー
医学研究者フランクと婚約者のゾーイ(オリヴィア・ワイルド)たち研究者グループは、死者を蘇らせる「ラザロ血清」の研究に日夜没頭していたが、実験の最中にゾーイが事故で感電死してしまう。
フランクは仲間の制止を振り切り、ラザロ血清をゾーイに投与。彼女を蘇生するのだが、ゾーイの身体には様々な異変が起こり始めていた。
感想
この手の映画のキモは、蘇った人間がどうなってしまうのかということ。ゾンビがグールか、はたまたノーモラルの殺人鬼か。
本作はなんと「AKIRA」のナンバーズ。「サイコキネシスぅテレパシーぃ♬」です。
「ラザロ血清」が脳の神経系を異常に活発化(通常は10%程度がなんと100%!!)させる、裏付け設定は納得しやすく、ここは秀逸。
とはいえ、強大なサイキック・パワーを持ったゾーイに対し、研究者チームがあまりに非力。しかも、グットハートのいい人揃いなので、ちょっとゾーイの大暴れを楽しむ気にはなれないんですよね。
せっかく彼らを追い詰めた、大手製薬会社という悪玉がいるワケですから、こ奴らを「スキャナーズ」の如く、頭ドッカーン人体破壊みたいな血祭りにあげる描写が観たかった。そこは残念(とはいえ、閉所ホラーですので、ここは止む無しかも)。
本作をざっくりいえば、グロさは無く、ホラー好き以外も気軽に楽しめるジャンル映画。
逆にいえば、アクの強さが無さすぎてチェーン店ホラーという感じも。キビしめに言えば、マニアの所有欲(BDやDVD)を満たさない、無難なソフト・ホラームービー。
ただラストはお見事で、全体的にはキッチリまとまっている良品。ゾーイ役オリヴィア・ワイルドの、悪魔的表情もうっとりするほど美しく、彼女のお顔みてるだけでもイイぐらい(とにかく好み♪)。
チェーン店のわりには美味しかったです。
満足度 55点