スラッシャー映画史に残る人気シリーズ「13日の金曜日」。シャシャシャシャ...(BGM)。

 

2023年4月現在で計12作品の本シリーズ。けっこう観てきたはずですが、記憶が定かでないナンバリングは多数存在(1作目と「X」と「VSフレディ」以外はもうサッパリあせる)。

 

現状最新作『13日の金曜日 -FRIDAY THE 13TH-』(とはいえ10年以上前)でさえ、肝心のジェイソンが最後どーなったのか、全く覚えておりません。どないでしたっけマイケル・ベイ?

 

定番のホラームービーが観たいところでしたし、せっかくのアマプラ対象作品。久しぶりにジェイソンとご対面と相成った次第。

 

 

「さあ...楽しませてくれよ」

 

 

 

(2009年公開 上映時間 1時間37分 監督 マーカス・ニスペル )

 

  ストーリー

 

1980年13日の金曜日。クリスタル・レイクにて、若者を対象にした大量殺人事件が発生。犯人パメラ・ボーヒーズは生存者の女性に殺される。

 

時が経ち、行方不明の妹ホイットニーを探すためクリスタル・レイクにやって来たクレイ、遊びに来ていた大学生ジェナの一行に、ホッケーマスクをした大男/ジェイソン・ボーヒーズが襲い掛かる。

 

  感想

 

こんなモンだっけ? 観終わった感想はこんな感じ。

 

過去作(初期4作品)を一まとめにし、現在の映像表現にブラッシュアップした本作。劇場公開時に観た時は、わりと楽しめた気がしたのですが..。

 

前半20分のジェイソンのえげつない大暴れはエンジョイするも、その後は下降線の一途。ジェイさんヤルことやってるし、いつものパターンは踏襲されてはいる。でも、なんだか面白くない!!

 

個人的には、先ずストーリー構成に難があるかと思います。

 

中盤から後半にかけて、クレイの妹探しの話はあるものの、基本は定番の「下世話な若者がハメを外して大騒ぎ→大惨殺されてスッキリ」パターン。これは前半でやっていることそのまんま。

 

しかも、前半が高濃縮度でみせてくれたので、テンポ的にもっさり感がハンパなく「そーいう若者バカ描写はもういいですっ!!」という気分。期待したラストバトルも平凡で、最後は王道というより蛇足。

 

とはいえ、本作よりツマらんホラームービーは星の数ほどあるので、そこをとがめはしませんが、とにかく気になったのはジェイソンの描き方への違和感。

 

このノイズは無視できないレベルで、監督・スタッフ一同は他の誰かさんと間違えていると思えるほど。例えば...

 

 

①証拠隠滅

前半、あれだけ大量殺人したのに、何の形跡も残していない(犠牲者たちがここに来た事すら完璧に)。そんなマメな事、彼しましたっけ??

 

②殺人スキルの多様さ

弓を使ったり、罠(いわゆるトラバサミ)をしかけたりと、ランボー並の戦闘スキルを発揮。基本は怪力に任せた大味な殺し方だったハズですが...

 

③DIY精神

地下道の中には長ーい導線、電球を配置。当然、電気は通っていない場所なので自家発電装置もあったでしょう。電球が切れたらキュッキュと交換してたんでしょうか。

 

 

他にも、ホイットニーを監禁して数週間以上もマメに世話したり(食べ物・水、支給してなきゃ死んでます)と、らしくない所作が満載。ほんとにコイツ、いったい誰!?

 

本来のジェイソンは、頭の中身は母親が殺された幼少期で止まっている設定(多分)。殺しは出来るが、他の生活能力は皆無。

 

そんな子供が持つ残酷性を宿したまま、不死に近い怪力の大男という点が、彼のコワさであり、セールスポイントだと思うのですが、本作はまったくもってそれを台無し。リアリティさを出すつもりが、完全に裏目。

 

これならもっとおバカ映画にした方がスッキリしますし、『ジェイソンX』みたいにトンデモない設定にした方がよっぽど潔い。

 

なんつうか、映画のルックにこだわっただけ。「13金」「ジェイソン」の本質を履き違えた残念ムービーと言っていいでしょう。こーいうのは愛せません!!(でも、劇場で観た時は満足。映画館の魔力なんでしょうか...)

 

 

 

外見は美人でも、頭の中身カラッポ。アンタ、そんなカンジ。

 

 

 

満足度 40点