観ようか観まいか、さんざん悩むアマプラ行脚。気がつけば20分ぐらい経っているのも珍しくない始末(ウオッチリストには追加してるんですけど)。
そんななか、目に飛び込んだのが本作『サクラメント 死の楽園』。
「イーライ・ロス<脚本・製作>×タイ・ウェスト<監督>が放つ、全編P.O.V.で集団自殺を体感する衝撃のドキュメンタル・ホラー!」
かつてのハッタリ・ホラー映画を思わせる宣伝文句。「イーライ・ロス」「P.O.V」「集団自殺を体感」等、好き者を刺激するワードの数々。そして1978年に全世界を震撼させたカルト教団「人民寺院」の集団自殺事件(犠牲者はなんと914人!!)をベースにした興味津々なストーリー。
これはもう観るきゃない。即断即決で視聴した、その結果や如何に!?
(2014年 上映時間 1時間40分 監督 タイ・ウェスト)
ストーリー
カルト教団信者たちの「エデン教区」に住む妹から、手紙を受け取ったパトリック。
過激な取材で知られるVICE社のサム、ジェイクはパトリックに同行し、「エデン教区」に潜入取材を敢行するのだが...
感想
登場人物たちの主観で展開される「P.O.V」ムービー。その場に放り込まれたような臨場感、どんな陰惨な現場が目の前で繰り広げられるかと思ったのですが...
実際は「なんちゃってP.O.V」。画面の質感は完全に劇映画の上、本来はワンカメというスタイルも、インタビュー中の記者と信者の顔を交互に映したり等、正直そこまで「P.O.V」にこだわっていません。
「エデン教区」の生活描写はどこか白々しいし、集団自殺にいたる経緯は唐突すぎ。登場人物たちの逃避行も、ご都合主義がいたるところで発揮され、ハラハラする前にピンチを切り抜けてしまう始末。
何の予備知識もなければ、かなりの〇ソ映画のような気もしますが、本作の強みは「事実をベースにした」映画であるということ。
これが半ば強引に本作を補完。実際にこのような場所で、こういう人たちがいたのだろうかと思うと、展開が大きく動く後半以降は「とんでもない現場にいる」気分には浸れるんですよね。
また何か所は「おおっ!?」と思わせるショッキングシーンもあり(パトリックの〇ソ妹の最期は衝撃!!)、ここは「なんちゃってP.O.V」効果が十二分に発揮!!
物足りなさは感じましたが、カルト教団による歴史的大事件に対する戒めや教訓など一切なく、ただただ悪趣味なドキュメンタリーもどきホラームービーに徹した姿勢は、個人的には大好きです♪
予告編の「東京テアトル株式会社」の文字が、なんとなく「日本ヘラルド映画」を連想させ、ちょっとドキっとしちゃいました(笑)
満足度 50点