グレート・ムタ対SHINSUKE NAKAMURA(中邑真輔)。現在のプロレス観なくなって久しい、旧型プロレスファンの自分にも訴求したこの試合。
これ以降、少しずつ最近のプロレスへの興味が蘇ってきたワタクシ。元旦に無料放送を行った、まさにAbemaTVの思うツボ。恐るべし。
そうなると、改めて「プロレスリング・マスター」こと「ジーニアス」武藤敬司の凄さを実感するようになるのは必然!!
満身創痍の現役60歳。かつての悪役商会的ポジションあたりが妥当のはずが未だにメインエベンター。よく考えればあり得ないことですよね、これって。
そんなリビングレジェンド武藤敬司の引退試合。観戦直後のまだナマ温かい、ホヤホヤ感想を書いてみたいと思います。イヤーッ!!
感想
マイウェイ(シナトラ・シド両バージョン)が流れる煽り映像。そしてこれまでの歴史をたどるかのような、入場曲の小出しオンパレードからの「HOLD OUT」(ラストムーンサルトバージョン)。
エモーショナルな演出のなか、東京ドームの最期のリングに向かう武藤をみて、さすがにグッときました、やっぱ。
ただ試合内容に関してはどうなるものか。自分的には対戦相手の内藤哲也の目線でみてしまいましたね。
武藤の足取り一つみても、ガタがきてるのは明白。スピーディーな試合は当然無理だし、ハードヒット的試合はもともと武藤のスタイルではない。その上、試合前のインタビューで赤裸々に武藤愛を語ってたが故、ヒール的ファイトをしても、ファンのヒートをどこまで買えるのか。過激なワザで壊すわけにもいかないし、組み立ては相当難しかったんじゃないでしょうか。
案の定、中盤までは(攻防的に)盛り上がらず、しかも現在の武藤が使用できそうなワザはほぼ全使用。どーなるものかと思いましたが、しかしここからの武藤が凄かった!!
なんと袈裟斬りチョップの連打、そしてエメラルド・フロウジョン。
引退試合が出来なかった橋本、三沢の想いを背負うと語っていましたが、まさかそうくるとは。やはりジーニアス。思わず声が出ましたよ。
それに加えムーンサルトやるとみせかけての葛藤、中止のムーブ。
多分、狙ってるとは思うんですが、わかっていてもヒヤヒヤもの。「武藤止めろ!!」ってドーム中の人が言ってたんじゃないでしょうか。
対する内藤も、ドラゴンスクリュー&足四の字と、まさかの武藤殺法で対抗。こちらのプロレス頭もさすがの一言。
フイニッシュはデスティーノ。いまの武藤のコンディションから考えれば、十分な内容だったと思います。
負けた武藤はリング上で感謝の気持ちを伝えます。ここから10カウントが流れ、ドームの観客も視聴者もしんみりとした気持ちになるのか思いきや...
「オレ、実はまだ余力があるんだよ。真っ白に燃え尽きてないから、もう一試合。対戦相手は蝶野、オマエだ!!」(うろ覚え)。
解説席にいた蝶野の顔みて、もう爆笑!!
お口アングリ、マジでドッキリやられた人の顔ですよ。私服のタイガー服部にレフリーやらせたり、辻アナが急遽アナウンスしたりと、周囲のドタバタぶりみると、これは仕込みではなく武藤のアドリブだったと思います。
本人も試合後のインタビューで「湿っぽいものにしたくなかった」と言ってましたが、まさにその通り。こーいう粋な立ち振る舞いは、プロレスの枠を超えて、ホンモノのスターたる人だと感じちゃいました。スゲーわ、やっぱ。
ホントにお疲れさまでした、武藤選手。
デカくて強くて華のある、ホンモノのプロレスラーでした。文字通り「レヴェルがちげぇえんだよ!!」
満足度 100点
※ラジオ代わりに聴いてます。懐かしラボさん、プロレスファン(特に旧型)なら刺さりまくりです!!