本作『フォール』の存在を知り、久方ぶりに大興奮の中年ジャンル映画ファンぜろせっと。御年〇4歳。

 

 

「地上600メートルもの超高層テレビ塔(しかもボロボロ)の頂上に取り残された美女二人。梯子は崩れ落ち、助けも呼べない。果たして二人の運命は!?」

 

 

もう最高のプロットじゃないでしょうか。これ以上の悪夢はないであろう、絶対絶命的状況。これでビビらない人類はマジ皆無!!

 

しかも、ワタクシ高所恐怖症、震え上がること保証付きのチキン野郎です。こんな命がけのスリル、映画でしか体験できませんよね?

 

これこそ劇場に足を運ぶ我が動機。片道50kmも何のその(近くの映画館は未公開)。

 

「もうワックワクだぜ、オラっ!!」

 

 

 

(2022年 上映時間 1時間46分 監督 スコット・マン)

 

 

  ストーリー

 

山でのフリークライミング中に夫を落下事故で亡くしたベッキー。

 

1年が経っても悲しみから立ち直れずにいた彼女を元気づけようと、親友ハンターは超高層テレビ塔に登ることを提案する。

 

老朽化して不安定になった梯子を登り、頂上へ到達することに成功した二人。しかし梯子が突然崩れ落ち、地上600メートルもの鉄塔の先端に取り残されてしまう。

 

 

  感想

 

「オレ、なんでこんな映画観てるんだろう...」

 

早くも前半で深い後悔に囚われ、鑑賞前の高揚感を消失した、チキン中年男子。

 

とにかく怖い。怖すぎる。

 

主人公のベッキーが、赤茶けた鉄格子を登っていく。それだけでもうとんでもなくコワいんです!!

 

彼女が地上600メートルに登りきった場面で、もう後悔はドMAX。ジェットコースターに乗って最高点に到達した時の気持ちがリフレインしてきます。


しかもベッキー&ハンター、あんな高いところの、あんな狭い足場でキャッキャと記念写真を撮りだすのだから、観ているコチラはタマリマセン!! 

 

「そ、そんな不安定な足場で何やってんだよぉ。スゲー風吹いていんじゃん。アブナイだろ、もうっ!!(泣)」

 

まだ事件(梯子崩壊)が始まる前からこの体たらく。とにかく高所のリアリティがハンパなく、地上600メートルの恐怖をガッツリ体感させてくれる本作は、間違いなく最強の恐怖映画です、はい(マジで何度も声が出そうになりました)。

 

また何気に登場人物が魅力的なのも、本作の特筆すべき点。

 

 

特に一見、アッパーギャルのハンター。この子が誠実で友情に厚い、ガチいいヤツなんですよ。ベッキーも好感度高かったし、助かって欲しいと思わせてくれる主人公というのは、スリラー/サバイバル映画では大事なポイントだと思います♪

 

 

とにかく全編にわたって高いよコワいよがギュギュっと詰まった本作。1時間46分とやや長めの上映時間も、体感的にはあっという間。見終わった後の虚脱感たるやハンパなかった本作。

 

個人的には、これこそ劇場に足を運ぶ価値のある映画‼︎

 

自宅じゃ、こんなリアルな体感は半減しちゃいますし(一時停止、トイレなんてね)。いやはや、最恐の体験させてもらいました。

 

 

でもラストの「SC」だけ残念。

 

 

満足度 90点