本作『アイ・アム・アリ』は、モハメド・アリ自身で記録した音声、友人、家族など様々な人々のインタビューを基にしたドキュメンタリームービー。
初めてアリを知ったのは、1976年に行われた世紀の一戦、アントニオ猪木との異種格闘技戦。
まだ小学生でしたが大のプロレスファン、かつ猪木信者の自分にとって、アリはメタクソ憎たらしかった!!(挑発行為・ルール問題etc)
当時はボクシングの世界チャンピオンということ以外は分かっておらず、彼の凄さ・偉大さが分かったのは何十年も後のこと...
ちなみにこのドキュメント映画というジャンル、自分はほとんど観たことありません。せいぜい『ジャンク』『カランバ』ぐらい(残酷・悪趣味映画。こーいうの昔、流行ったんです)。
なので映画の良し悪しが分かりかねる部分アリ。ご承知おき下さい。
(2014年 上映時間 1時間52分 監督 クレア・ルウィンズ)
感想
井上尚弥のような圧倒的実力、ロック様以上のカリスマ性、そして社会全体に大きな影響を及ぼすプロスポーツ選手。そんな人間いるワケないと思いますが...
それがモハメド・アリという男なのです!!
こんなドラマティックな人物、いくらでもエモい映画はつくれそうですが、本作はあえて感動的な演出は控え、淡々と進行していくタイプの映画(難病の少年のエピソードはグッときましたが)。これは過去にも多くの作品があるため、普段のアリがどういう人間だったのか、そこに注力したものと思われます。
また写真でみると分かりますが、アリはかなりのハンサム。
そんなスターなルックのみならず、表情豊かでジョークを連発。周りの人間を徹底的に楽しませる、気さくな彼はまさにホンモノの「ピープルズ・チャンプ」。人間性の素晴らしさについても、本作では多くの人物が語っています。
その反面、アリはトラッシュトーク(記者会見や試合中にダーティーな言葉で相手を挑発、心理面を揺さぶること)を連発する選手としても有名。アンチも増えるでしょうが、ただの明るいスポーツヒーローではないところは単純にカッコいいし、深みも増しますよね♪
ちなみにロッキーのアポロが、アリがモチーフなのは誰もが知るところですが、実際にアリのトラッシュトークの映像をみると、まんまというか正直アリの方が断然面白い(早口でムチャクチャ言ってます)!!
試合映像少なめで物足りなさはかなりありましたが、CDでいえばB面コレクションの本作。とりあえず、モハメド・アリという人物は体感出来たので、そこに関しては概ね満足。
最後にアリのスゴさを、最大限に実感出来るエピソード。あの史上最強の生物、範馬勇次郎の一言。
「オレはアンタを尊敬する」(マホメド・アライのモデル)。
満足度 55点