先日、こんな記事をヤフーニュースでみつけ、少なからず衝撃を受けました。
「東映は、特撮テレビ番組王様戦隊キングオージャーを2023年3月5日より放送する」
そうです。いま放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(以下ドンブラ)が、あと2ヶ月で放送終了ということなんです。いや~マジか。
考えてみれば毎年刷新されるスーパー戦隊シリーズ。ごくごく当たり前のことなんですが、毎週、心から楽しませてくれる彼らがいなくなってしまう。これはけっこうさみしい。というか、かなりさみしい!!
そんな終盤戦のドンブラ。もっと早くブログに書けばよかったのですが、それでもこの大傑作に対する、現時点のリアルな感想を残しておかねばと、特撮ファンの端くれとして思ったワケです。
ということで今回は、ドンブラ第42話までの感想を、ざっくりブログに書いてみたというお話。
感想
本作最大の魅力。それはかつての平成ライダーが持ち合わせていた「リアルに感じる日常感」を作品にガッツリ落とし込んでいることだと思います。
ユニークなドンブラの面々ですが、それらはすべて彼らの日々の生活と直結しています。ヒーローとしての活躍はその延長線上のごく一部分。いってしまえばボランティア活動の一環です。
そのため本編で描かれるのは、変身前がほぼメイン。通常のスーパー戦隊と比べてバトルシーンはかなり少なめ。
ただ、そのドラマパートがもう圧倒的な面白さ!!
魅力的なキャラが繰り広げる、極上のスラップステイックコメディ。ぶっちゃっけ戦闘シーンがなくても、十分満足出来てしまうほどの高レベル。
しかも、楽しいだけで済ませないのが本作の特筆すべきところ。人間のダークな部分を話の節々に織り交ぜ、それが戦隊メンバー当事者というのだからトンデモナイ!!
キジブラザー/雉野つよしの狂気、ドンドラゴクウ/桃谷ジロウのサイコっぷりは、一般ドラマとしても背筋が寒くなるほど。子供番組にこんな毒を盛り込んでくるのは、さすが本作メインライター井上敏樹大先生。みている視点が違います。
また本来は敵組織ポジションの脳人(ノート)三人衆、ソノイ・ソノニ・ソノザがこれまた心から愛すべきキャラ。
特にドンモモタロウ/桃井タロウとソノイの、ライバル関係を超えた奇妙な友情は、観ているこちらが嬉しくなっちゃうような、不思議な感覚を覚えるんですよね。
しかも、彼ら脳人は実質的には人類の味方。その手段が違うため、ドンブラと敵対しているに過ぎません。
とはいえ、最近はほとんど友好関係にあり、戦ってもじゃれ合っているようにしかみえないこともしばしば。ユーチューバーのレオンさんが言っていた「明るいファイズ」の言葉がしっくりきます(ソノニがどんどんカワイくなっちゃって...黒いジェラ行為もぜんぜん許せます♪)。
つまり本作は勧善懲悪になりようがない話。かなりハードルが高いハズですが、本作はそれを軽々クリアしてるのだからオドロキです。
ただ手放しで大絶賛というフェイズはさすがに過ぎて(数か月前ならそんなカンジでしたが)、いまは話をもっと前に進めてもらいたいという気持ちもあるんですよね。
驚くことにこのドンブラ、あと残り二ヶ月足らずというのにどういう結末に向かっているのか、未だにトンと分かりません。少なくとも「獣人(ジュート)」やソノシを倒して終わりという話にはならないでしょう。
散りばめられた伏線や謎が、しっかり回収してもらえるのかも正直不安。特にゼンカイジャー/五色田介人の正体や真の目的、前作とのつながりぐらいは、そろそろハッキリ説明してもらいたいと思うのですが...
そんなこちらの気持ちとは裏腹に、第42話はサギ師が絡んだドタバタ劇。シリーズがもうすぐ終わるというのに、ストーリー中盤の箸休め回みたいな話。
でも、これがシッカリ面白いんだから。困ったもんです。
今後の期待
あと2ヶ月しかないドンブラ。伏線や謎の回収はもちろんですが、個人的には「どシリアス」な展開になってもらいたいと思ったりします。
いままでの明るく楽しい話がウソのように、重苦しく絶望的な急展開。そして明かされるドンブラ衝撃の事実。
ドンブラそして脳人三人衆。そして世界はいったいどうなってしまうのか。ハラハラドキドキ。次週が待ちきれない。考察に次ぐ考察。
そして最終回はいつもの楽しいドンブラに戻るも、とんでもなくせつないラストが待ち受ける。どーでしょうか?
ただ予想としては...このまんま突っ走って「えーこれで終わり??」みたいな、メチャクチャあっさりしたラストを迎える気がします。
現在の満足度 80点