本作『モービウス』は、アメコミ絶対王者マーベル作品。

 

だったら、アベンジャーズ系列につながる作品だよねと思ってましたが、調べてみると違っていたようで...

 

それが「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」。

 

スパイダーマンとそれに関連するキャラクターを中心にしたマーベルコミック作品のユニバース。つまりキャプテン・アメリカやアイアンマンなどアベンジャーズ王道路線とは別の、ソニー・ピクチャーズによる独自路線のユニバースとのこと(ざっくりですが)。

 

常識なのかもしれませんが、昨今のアメコミ映画に疎いオジサンには寝耳に水。なるほど、だからプライムで観れたのね。

 

そんなヴィランでありダークヒーロー『モービウス』の映画感想。書いていきたいと思います!

 

 

 

(2022年公開 上映時間/1時間48分 監督/ダニエル・エスピノーサ)

 

  ストーリー

 

天才医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レトー)は、生まれつき血液の難病を患っていた。

 

同じ病を持つ、親友マイロのためにも治療法を見つけ出そうと、彼はコウモリとヒトの細胞でキメラ細胞を産み出した血清を自らに投与。

 

しかし、吸血鬼のようなクリーチャーに変貌したモービウスは、実験のために用意されたタンカーにいた傭兵を皆殺しにしてしまう...

 

  感想

 

一言でいうと、ペラペラのペーパーブック。

 

映画内で発生する出来事、登場人物の行動がかなりのご都合主義。これは正直いただけない。

 

例えばヒロインであるマルティーヌの行動。

 

あんな聡明な美人医師が、モービウスの非合法な人体実験にあっさり手を貸し、その結果、同僚は死に大量殺人があったにも関わらず、何の迷いもなく彼について行く。罪悪感とか今後のキャリア、医師の倫理観による迷いとか一切なし!!

 

こんな彼女の不可解な行動は「人間」というより、話を動かすためのただの「コマ」。親友マイロがモービウスに敵対する心情もワケワカメ。

 

登場人物をただピースのようにハメ込んだ、人間の感情・行動原理を考えない映画はさすがにノレないでしょう…

 

とはいえ、バトル映画としてはそこそこ楽しめた本作。

 

吸血鬼パワーを得たマイロの傍若無人な振る舞いは爽快でしたし、吸血鬼同士の高速バトルは単純に楽しい。この辺りのワクワク感はさすがにマーベル映画。

 

ただ肝心かなめの「モービウス」が…。天才医師という設定も中身はけっこう普通の人。人物的なキャラ造形がまったくもって薄味なんですよね。

 

超人的な筋力とスピード、飛行能力、そして周囲を感知するレーダー機能。戦闘能力値はまあまあ(といっても「X-Men」だったら普通にいそう)。スパイダーマンと対決させたらそこそこ面白いとは思いますが...

 

 

このキャラ同士が出会ったらどんな会話をするのか、どういう反応になるのか。そのキャラ自体が持つ本質的な人間的魅力、個性がまったくみえてこない!!

 

 

その点、酷評した「ヴェノム」の方が、まだキャラクターとしての面白さは際立ってます。彼らの方がスパイダーマンと相対時したとき、どーいう反応するかみてみたいですからね。

 

 

 

 

せっかく新たな「ユニバース」を立ち上げるなら、爆発的に魅力あるキャラクターを創り上げるべき。薄っぺらい映画に薄いキャラじゃ映画つくった意味あるんかいと、個人的には思えます(辛口過ぎ? )。

 

 

マイロの方が圧倒的にキャラ立ってました

 

 

満足度 45点