漫画『GANTZ』(ガンツ)の連載が始まったのは2000年7月13日。なんと22年も前のこと。もうそんなに時が経っているとは...(遠い目)。

 

2021年4月時点でシリーズ累計発行部数は2400万部を突破。アニメや実写映画、舞台化もされたメガヒット作品。

 

そんな本作『GANTZ:O』の劇場公開時、「フル3DCGアニメーション映画って、GANTZと相性いいんじゃね?」と思った記憶があります。

 

実写映画の1作目は割と満足した方ですが、ハリウッド映画並の予算がかけられない以上、GANTZ世界を表現するにはスケールダウン感は否めなず。

 

またアニメでは人間・星人側の質感、スプラッター表現の生々しさに限界があり、フル3DCGの手法が原作イメージに近いと自分的に納得したワケです。

 

しかも、原作で一番人気の高い大阪編の映像化。期待度高めに劇場に足を運んだのですが、結果がなんと…

 

これがとんでもなく面白かったんですよね!

 

期待して観に行き、期待以上の映画ってあんま無いと思うんですが、本作はそんなレア中のレア作品。今回、プライムで6年ぶりに観直したのですがやっぱトンデモなく面白かった!

 

ライトな原作ファンにすぎない自分ですが(前半以降は一通り読んだだけ。そこまでGANTZを理解できておりませんあせる)好きな人にはメチャクチャ刺さる、大傑作の本作について感想を書いてみたいと思います。

 

 

 

(2016年 上映時間/1時間35分 監督/川村泰)

 

  ストーリー

 

地下鉄で通り魔事件に巻き込まれ、命を落とした高校生の加藤勝。

 

次の瞬間、彼は見知らぬマンションの一室にいた。そこでガンツ東京チームと出会った加藤は、彼らとともに大阪・道頓堀へ転送される。

 

しかし、そこは謎の妖怪型星人軍団が跋扈し、壊滅状態となっていた。

 

強者揃いの大阪チームも転送され、凄惨な戦いが繰り広げられる中、加藤はたった一人の家族である弟のもとへ帰るため、自らも死闘に身を投じるのだが....

 

  感想

 

本作最大の魅力。これはもう徹頭徹尾、GANTZのデスゲームを存分に味わえるに尽きます‼︎

 

 

冒頭からラストまで戦闘、戦闘また戦闘のゴリゴリのバトルムービー。日常生活パートをほぼ無くし、バトルに特化させたコンセプトは潔いというしかありません。

 

 

しかも、初見さん置いてきぼり映画ではなく、冒頭、玄野のバトルで本作はどういう映画なのかと掲示した上で、主人公/加藤の目を通し「GANTZ」の世界観、ルールをキッチリ説明してくれる、かゆい所に手が届く親切設計。

 

 

それに加えまるでVRごときハンパない没入感!!

 

これぞフル3DCGアニメーションの圧倒的クオリティの賜物。ゲームのCGドラマパートとは比べ物にならない密度と質量感。

 

現実の空気感をまとった大阪道頓堀に、大量に出現する異形の妖怪軍団、巨大ロボ、怪獣(牛鬼)はまさにリアルそのもの。自らがGANTZの戦場に転送されたかのような臨場感に、終始ニヤケが止まりません。

 

これだけでも大満足の本作ですが、登場人物たちの描き方も製作者サイトの愛が溢れており、主人公の加藤はもちろん、他の東京チームメンバーにもキッチリ見せ場が用意されています。

 

ダメダメと思えた鈴木のオッサン(とはいえ、実際参加したらこんな感じかもあせる)の人生下り坂ならではのカッコよさ。瀕死の西クンの活躍。ラストバトルにおけるレイカの冷静な戦闘判断。ちゃんと全員役に立っているのがなんだかウレシイ!!

 

とはいえ、暴れっぷりはイマイチ足りない東京チームに代わり、傍若無人の大阪チーム2トップ/室谷・島木が観客の破壊衝動をキッチリ補完。彼らの殺戮ぶりがみていてなんともカ・イ・カ・ンです♪

 

これに加え、大阪チーム最強の男/岡八郎のカッコよさといったらもう!!

 

100点クリア7回達成も納得の優れた戦闘ぶりと、松田優作を彷彿させるそのルック。ジャンル映画好きなら悶絶必至のダークヒーロー。

 

加えて、加藤とツンドレ弟の萌え兄弟。ヒロイン二人はビッチどころか、グットハート過ぎる美少女たち(一人はシングルマザーですけど)。もうドンダケ~って感じです。

 

 

 

 

スピーディーな展開。ムダな場面0。死なないで欲しいと心底思えるメンツ。そして絶対に生き残るという行動原理が、至極納得できるノンストレスな設定。

 

こんな楽しすぎる要素がギュと1時間35分に濃縮した本作。これ以上、何が足りないというのでしょう?

 

 

しかも主題歌まで最高。なにからなにまで最高です。

 

 

満足度 100点

主題歌 100点