邦題でいい加減なタイトルつけられることってよくありますね。
どうしようもないC級、Z級映画であれば止む無しというか、当時の流行りやそのナンセンスさに笑えることもあるので、キライじゃないですが...
ただ普通に面白い映画、良品ムービーにセンス皆無の邦題つけるのはどうかと思うワケです。
本作の邦題なんて『ヘルウィン』ですよ『ヘルウィン』!!
いかにも、あのスラッシャーホラー映画の名作『ハロウィン』のパクリ丸出し、C級劣化版を連想させるダサダサ邦題。
時短だタイパだといってるこのご時世。この邦題で確実に観るユーザーを減らしているんでないかい。あーもったいない‼
低レビューも一部にみられましたが、個人的には強く推したい本作品『ヘルウィン』(原題は『Trick』)について、感想報告したいと思います。
(2019年 上映時間/1時間40分 監督/:パトリック・ルシエ)
ストーリー
2015年ハロウィンの夜、パンプキンマスクをつけたトリックと呼ばれる男が、ナイフで高校生たちを惨殺する事件が起こる。
FBI捜査官のデンバー、保安官ジェーンに複数回撃たれた犯人は、川に飛び込み消息を絶つ。行方不明ではあるが、その状況から犯人は死んだと思われた。
しかし、翌年から毎年ハロウインの夜、トリックの事件に似た無差別大量殺人事件が発生。FBI捜査官のデンバーは単独で事件を追うも、人知を超えた力さえ感じ、捜査は暗礁に乗り上げていた。
そして2019年のハロウインの夜、またもトリックが姿を現す。
感想
スラッシャーホラーにサイコスリラー。そして超常的何かを感じさせる不穏な空気。個人的に大好きなモノが複数ブチ込まれている本作。
しかも、それがしっかり調和が取れているからタマリマセン。次の展開が気になり、一気見出来た作品なんて久しぶり。いや面白かった♪
ちなみに本作はネタバレ厳禁。コレだけで面白さのケタが一つ違うと思いますので、そこは厳重注意が必要かと。
ストーリーの面白さ、スピーディーな展開はもちろんですが、この作品で意外と好きなのがキャラクター造形。とくにサブキャラの描き方に好感を覚えます。
犯人のトラップで腹串刺しになった女性警官が、主役の一人であるジェーンに「救急車呼んでもらえますか」と冷静に言ったり(この後もしばし活躍)、本来なら殺害されておかしくない子持ち女性が軽傷で済んだりと、ただの殺害用キャラではなく、最期を迎えるにも尊厳ある死に方、今後の人生を踏まえた救済措置など、ちゃんとキャラたちのこと考えてあげてるよなとスゲー思えるんですよね。
本脚本を書いているトッド・ファーマーは傑作『ジェイソンX』も書いてますが、面白いストーリーもさることながら、やはり個々のサブキャラクターへの愛情(アンドロイドや隊長さんetc)をすごい感じる作家さん。イイ奴なんだろうなと勝手に思っております。
とはいえ、ヌルい映画にはほど遠く、トラップにかかった同僚を助けようとしたFBI捜査官が、同僚の首と一緒に指がスポポポーンと飛んだり、エゲつないシーンも満載。そういう期待にもしっかり応えています。
ただ残念なのは、序盤のハロウィーンでの大量殺人があまりに凡庸、既視感だらけのシーンということ。こんなものかと観るのを止めてしまう人は少なくないかも。ここはガマンしてもらいたいところです
観終わってしまえば、様々な疑問が浮かんでしまう本作ですが、観ている間は快調なテンポに乗せられ、どういう結末を迎えるのか、メチャメチャ楽しめる映画です。こういうホラー映画は自分はとても愛せますね
満足度 65点