『007/スカイフォール』はシリーズ第23作目。6代目ボンド/ダニエル・クレイグの3作目でありシリーズの50周年記念作品。

 

本作は全世界での興行収入が10億ドルを超えた史上14番目の作品。007シリーズの興行収入第1位のメガヒット作品になります。

 

...とはいえ、本作公開時に観た感想としては、期待していた話となんかズレてんな~と思ったりしたんですよね。

 

今回のプライム・ボンド行脚で久方ぶりに観て、本作感想はどうなるのか。自分自身楽しみです。

 

 

(2012年公開 上映時間 2時間22分 監督 サム・メンデス)

 

  ストーリー

 

MI6エージェントのジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、各国のテロ組織に潜入しているNATO諜報部員の情報が記録されているハードドライブを強奪した敵を追跡する。

 

しかし、M(ジュディ・デンチ)の指令により女性エージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)が発砲した銃弾はボンドに被弾。ボンドは峡谷に落下し行方不明となり、敵は逃亡を果たす。

 

数カ月後、公式にボンドの死亡が認定。Mは情報漏洩の責任を問われ引退勧告を受けるのだが...

 

 

  感想

 

公開時に感じた違和感。それは前作からの連続性の無さなんですよね。

 

前作で全貌が明らかになった国際秘密結社「クオンタム」(グリーンから組織について相当聞き出せたでしょうし)。ボンドやMI6、CIAはこの闇の組織にどう挑むのか。そして冒頭でしれっと逃げおおせたホワイトにボンドは復讐を果たすのか。

 

ところが、本作はこの辺りの話がまさかのスルー。敵ボスのシルヴァは「クオンタム」と関係なさそうですしね。

 

また前作までは「00」になり立ての新人ボンドが、本作ではまさかのオールドルーキー扱い。ボンド自身も「古いものでもいいものはいい」みたいな事ばかり言ってます。

 

これは「007シリーズ」をダニエル・ボンドに置き換えてのメタ構造という解説を聞くと、まあ納得する部分もありますが、前作からの流れで観ているこちらとしては、ちょっと腑に落ちないところはありましたね。

 

今回はその辺りを分かった上での観賞でしたが、やはりある程度は回収してもらいたかった気はします。

 

また本作は記憶していた以上に特殊な作品。

 

大規模テロや核爆発の阻止などというスペクタルな事件解決ではなく、ボンドとシルヴァ、そして「M」との愛想劇が話のメインというかマジで全て。こんな個人的な話だけで粛々と進んでいくボンド映画ってあったでしょうか?

 

ジュディ・デンチ演じる「M」はこれまでサイアク上司にしか思えなかった御仁。

 

しかし、本作ではMI6本部爆破事件で亡くなった部下たちの遺体の部屋に居続けたり、復帰テストで不合格のボンドを合格にしたりと、見違えるような理想な上司ぶりを発揮(後になって考えるとフラグぽいですがあせる)。

 

しかも、本作のヒロインはイヴではなく彼女。シルヴァの異常なまでの執着ぶり、そして塩対応だったボンドがなんと最後に泣いてしまうという、本当の意味でのイイ女。彼女の最後の舞台として最高のものだったのではないでしょうか

 

アクション映画として十分満足できる本作でしたが、007映画としてみるとハイ・ジャンプ魔球なみの変化球作品だったとまざまざと思い知らされた次第。

 

 

ボンドの作戦。強引というかアバウトすぎ。

 

 

  主題歌

 

主題歌「Skyfallイギリスのシンガーソングライターアデルが起用されています。

 

ダニエル・ボンド5作品の中で、この主題歌の素晴らしさ、美しさは圧倒的です!!

 

冒頭から誰が聴いても007しか連想できない、まさに007濃度100%。

 

壮大でドラマティックな曲調、そしてすべて委ねたくなるアデルの歌声。これぞまさに神曲です。

 

 

満足度 65点

主題歌 90点