「ゼロワン Others」シリーズ後編にあたる『ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー』。

 

これがまた前作以上の鬱展開。マジかよ...

 

まさに仮面ライダー史上最悪のバットエンド作品である本作について、引き続き書いていきたいと思います。

 

合掌―。

 

 

(2021年公開 上映時間 48分 監督 筧 昌也)

 

 

  ストーリー

 

国防長官の大門寺は、A.I.M.S.の隊長・刃唯阿に仮面ライダー滅亡迅雷の破壊を命じる。

 

この指令に戸惑う唯阿だが、仮面ライダー滅亡迅雷もまた、次の標的を唯阿/仮面ライダーバルキリーに定めていた。

 

  感想

 

ありきたりの物語に飽き飽きする。そんな気持ちも分かります。

 

本作はTVシリーズのメインライターである高橋悠也氏が脚本を書いています。つまり、本作シリーズを構築した創造主自身が描いた正当な後日談です。

 

今回のOVAにあたり、同じような話、テーマを改めて書くことは、クリエイターとしての刺激が感じられなかったのかもしれません。

 

 

だからといって、なぜこんな残酷な振る舞いをするのだろうか。自らが産み出した愛すべきキャラクターたちに。

 

 

彼らは実際には存在していません。しかし、物語のなかに彼らはしっかりと生きています。

 

TVシリーズのラスト、劇場映画では彼らの将来、明るい未来は明示されていた。彼らはゼロワンの世界でまだいくらでもやることがあった。無数の人生の選択肢があった。

 

 

それをこうも簡単に終わらせてしまうとは...

 

 

これが『仮面ライダーアマゾンズ』のようにしっかりとした予算・時間をかけたシーズンものであれば理解はできます。連続した物語に視聴者を引き付けるには、ストーリーの急展開、キャラクターの死は必要であり、また納得出来る最期を描くことも可能です。

 

ただ本作は最高のグッドエンディングを迎えた作品のオマケ的企画。尺が50分にも満たないOVA。

 

 

彼らの人生を終わらせるにはあまりに貧相な舞台。こんなフザケタ最期、ファンの誰も喜びません。

 

 

ストーリーやテーマ。決して稚拙なものではありません。納得できるところもあります。

 

しかし、それは小説やアナザーストーリーで行えばいい。本編を引き継いだ本作でやることではないでしょう。

 

「仮面ライダーゼロワン」という作品、そしてキャラクターを愛してくれたファンに対してあまりに鈍感。心無き無慈悲な究極のバッドエンド作品。

 

彼らの創造主、物語の神でありながら、平然とその命を消し去る高橋悠也という男...

 

 

 

リアル檀黎斗がここにいた。

 

 

 

満足度 40点