近年の仮面ライダーシリーズでは定番のOVAシリーズ。

 

サブライダー(2号ライダー)や敵ライダーを主人公に据えた、テレビシリーズ終了後の後日談が基本フォーマットになります。

 

一見さんはまず観ないでしょうが、TVシリーズに思い入れのあるファンには何ともタマラナイ、ビデオシリーズというワケです。

 

個人的にはあまり観てませんが(アレ!?)、大好きな「滅亡迅雷.net」の面々が主人公の本作はいつか観たいと思っていたのですが...

 

これが何とも後味が悪いという、オドロキの観賞結果に。

 

今回は「ゼロワン Othersシリーズ」前編となる『ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷』の感想を書いていきたいと思います。

 

 

(2021年公開 上映時間 50分 監督 筧 昌也)

 

  ストーリー

 

平和な生活を送っていた滅亡迅雷.net/滅と迅の前に、ZAIAエンタープライズ本社のCEOリオン=アークランド / 仮面ライダーザイア、兵士型ヒューマギアのソルドが現れ、彼らと戦った迅は連れ去られてしまう。

 

拉致された迅を助けるため、亡や雷も集結し、ZAIAに潜入して迅の救出に乗り出すのだが....

 

  感想

 

ゲームにバッドエンディングなるものがあります。

 

特定のルートに行く、ある一定の条件を満たすなどすると、正式なエンディングとは別の不幸な結末、絶望的な終わり方を迎えるエンディングを指します(スパロボetc)。

 

この「ゼロワン Others前後編」はまさに「仮面ライダーゼロワン」究極のバットエンドの物語なのです!!

 

「オレ、こんなルート選んでないんだけど!?」とシリーズファンである自分からすればまさに暗黒展開、黒歴史ルート。こんな話なら観たくなかった...

 

TVシリーズ、映画におけるその後の「滅亡迅雷.net」には未来があった。その後の彼らの活躍、新しい人生を想像させてくれる余白があった。

 

本作はそれを台無し、まさに黒く塗りつぶします。

 

個人的に仮面ライダーOVAシリーズはファンムービーでいいと思うんですよ。観る層がこれほど限定的な作品はありません。

 

「滅亡迅雷.net」の4人が一斉に変身をキメ、各々にあった敵キャラクター(または敵集団)とバトルを繰り広げる。TV本編ではなかなか陽の目が当たらなかった亡や雷が必殺技をビシッと叩き込む。

 

もちろんストーリーに中身があった方がいいですが、いの一番は彼等の活躍。敵キャラクターにTVでは難しい残忍性を付与したり、リアルな考証を全面に押し出すとかすれば、もうそれでいいじゃんと思うワケですよ。

 

だってねぇ..。大好きだった彼らがこんなことになるとは。

 

変身後の「仮面ライダー」としての活躍も、敵ボスである仮面ライダーザイアにボッコボコにされるだけという醜態の極み。

 

負けるにしても、連携攻撃やフェイント交えた同時攻撃。アイディアを生かしたバトルの結果であればまだしも、そこに工夫はほとんど無し。CG予算や尺の制約はあるでしょうが、もっとバトルとしての熱い展開は出来ないものか。

 

しかも、中盤からは「滅亡迅雷.net」4人が合体しちゃうという、ハカイダー4人衆ガッタイダー並みのガッカリ展開。

 

 

令和のガッタイダー/仮面ライダー滅亡迅雷

 

 

自由意志の無いヒューマギア「ソルト」、軍事ビジネスを展開しようとするザイアCEOリオン。敵設定としては申し分のないものだけに、もっとストレートな物語を作って欲しかった(仮面ライダーザイアはキャラ含めて魅力的でしたしね)。

 

面白くないことはありませんが、最後までカタルシスが訪れなかった本作。次作『ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー』に続きます。

 

 

中盤、あのキャラクターの死は衝撃でした。

 

 

満足度 50点