日本では昨年公開された、新鮮味たっぷりのアクション・スリラー映画『21ブリッジ』。
「8人の警官を殺した強盗犯を追跡するため、N.Y.マンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する」という、なんとも魅力的なプロット。
邦画であれば2時間オーバー間違いなしですが、本作はなんと1時間39分‼ これぐらいの尺だと仕事帰りでも気楽に観られますよね♪
ササミしか食べないような、何とも筋肉質な傑作『21ブリッジ』。映画感想イッテみたいと思います。
(2021年公開 上映時間/1時間39分 監督/ブライアン・カーク)
ストーリー
NYで、元軍人の2人組が大量の麻薬を強奪、8人の警察官が殺害される事件が発生。
NY市警殺人課のデイビス刑事(チャドウィック・ボーズマン)は、麻薬取締班のフランキー刑事(シエナ・ミラー)と組んで捜査を開始。犯人を追い詰めるべく、N.Y.マンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する。
しかし、デイビスが追跡を進めるうち、事件の背後に陰謀が隠されていたことに気付いてしまう。
感想
本作は、ムダを極限まで削いだアクション・スリラー映画です。
序盤で主人公のバックグラウンド、現在の立ち位置描写をサクッと終わらせると、NYを揺るがす殺人事件に突入。あとはラストまでノンストップです。
色恋沙汰、クドイ家族愛やお涙頂戴etc。この手の映画に不必要なモノはまったくナシ。まさに断捨離上手♪
とはいえ、本作は銃撃戦を無邪気に楽しむ映画ではありません。
特に前半の強盗犯と警察官の銃撃戦は、自動小銃の恐ろしさを十二分に体感できます。無残に殺害されていく警察官をみて、カタルシスなど微塵も感じません。
辣腕刑事であり、己の信念を貫く主人公デイビスも魅力的。
大げさな感情表現がなくとも、何気ない言動・行動でデイビスをリアルに感じさせてくれた、故チャドウィック・ボーズマンの演技は本当に素晴らしかったと思います。
とはいえ、「N.Y.マンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する」という、大掛かりな舞台設定の割に、こじんまりとした展開だったのは否めず。
しかし、映画全体に終始漂う緊張感、重厚な音楽、そして苦いラスト。トータルパッケージとして文句ない良作。まさに地に足がついたアクション映画!
ガッツリした刑事モノは、久方ぶりに観賞した気がしましたが、大満足の一本でした。
満足度 70点