007/ゴールデンアイ』はシリーズ第17作。5代目ボンド/ピアース・ブロスナンの初主演作品です。

 

1990年代に入り東西冷戦が終結、シリーズの大きな転換期となった作品であり、本作ではソビエト連邦崩壊前後がストーリーに関与しています。

 

ブロスナンのボンドは何作か観てると思うのですが、あまりに時間が経っており、内容はきれいさっぱり忘れてしまっておりますあせる

 

ブロスナンボンドの初陣、是非楽しみたいと思います。

 

 

 

(1995年公開 上映時間 2時間10分 監督 マーティン・キャンベル)

 

 

  ストーリー

 

旧ソ連時代。007/ボンド、006/アレックス(ショーン・ビーン)は、化学兵器工場破壊のミッションのために潜入するも、アレックスは頭部を撃たれてしまう。ボンドは工場を破壊し、脱出に成功する。

 

それから9年後。国際犯罪組織ヤヌスの女性メンバー、オナトップ(ファムケ・ヤンセン)を追っていたボンド。しかしオナトップはロシアのウルモフ将軍と結託し、ソ連時代の秘密兵器「ゴールデンアイ」を強奪する。

 

ボンドは事件の真相を探るべくロシアへと向かう。だが、ボンドの前に現れたヤヌスのボスは、かつて任務遂行中に殺されたはずのアレックスであった。

 

 

  5代目ジェームス・ボンド/ピアース・ブロスナンについて

 

身長186cmの長身。男性化粧品のCMに出ても、全く違和感ないダンディで軽やかな大人の男。

 

そんなブロスナンが演じる5代目ジェームス・ボンド。ルックはメチャクチャしっくりきます。彼は本作以前にも、ボンド役のオファーを受けており、満を持しての初登場だったのでしょう。

 

とはいえ、その見た目からライトなボンドをイメージしてましたが、いい意味で裏切られました。

 

直前まで軽口を叩きあった友人アレックスの死をみても(フェイクでしたが)、ほとんど表情を動かさない、任務優先のプロフェッショナルぶり。クレイジーな女殺し屋オナトップとの直接対決は、ボンドの格上感をみせつける立ち回りに、殺しのライセンスを持つ男の凄みが感じられます。

 

 

Q役のデスモンド・リュウェリン(初代から5代目、全てのボンドと共演した唯一の俳優)はブロスナンについて、「コネリー以降、最高のボンドを見た気分だ」と最大の賛辞を送っています。

 

 

あと個人的に一番驚いたことですが...

 

なにげに見た目がシティハンターの冴羽 獠に似てる(髪型やジャケット姿)と思ってたところ、後日吹き替え版の声優が神谷明氏であることが判明!!

 

 

 

そう思った人は当時、多かったんですかね。

 

 

  感想

 

本作で一番、グッときた場面。そればズバリ冒頭です。

 

いつもは単独行動のボンドが、同じ00ナンバーのアレックスと軽口を叩きながら、化学兵器工場破壊に挑むシーン。

 

幼少期、月曜ロードショー等で007シリーズを観てましたが、00ナンバーの中で活躍するのがなぜ007だけなのか、すごい疑問に思っていたことがあります。

 

微妙に「サイボーグ009」とシンクロさせちゃったんでしょうね。

 

たまに00ナンバーが出てきてもアッサリ殺されたりと、ほとんど活躍した記憶がありません。複数の00ナンバーたちが協力する話はないのかなと、見当はずれの妄想をしたものです。

 

それがなにげに冒頭で実現。006と007が肩を並べる姿に、幼少期の夢が実現して、なんとも感慨深いものがありました。(とはいえ、006が裏切り者のダブルスパイで本作の親玉なんですがあせる)。

 

欲を言えば、二人の対決はもっと感情に訴えてもよかったんじゃないかと。

 

敵味方で再会する最初のシーンは、二人とも何気に目に涙を浮かべたり、ウエットな感じがよかった。あのボンドが気の利いたセリフを言えないほどショックを受けたのが非常に印象的です。

 

しかし、これ以降は感傷的になることなく、ただの敵味方で話が進んでいきます。かつての友人という設定を、もっと積極的に使って欲しかった。

 

アレックスが最期に「お前がナンバー1だ、007」と言って死んでいくシーンがあったら、メチャ萌えたんですけどね(ベジータぽいですが)。

 

もちろんアクションは当然のごとくテンコ盛り(アストン・マーティンDB5 VS フェラーリ355による迫力満点のカーチェイス。ダムでのバンジージャンプ。ボンドが戦車を駆って市街地ぶち壊しのアクションシーン等々)。

 

殺人快楽者の女殺し屋オナトップのぶっ飛んだキャラクターも素晴らしく、非常に楽しめる作品となっていました。

 

けっこう気になったのは音楽。チープなシンセ調の曲が007映画らしからぬ安っぽさを感じることも。

 

とはいえ、魅力的な主人公が活躍するアクション映画は、いつの時代も掛け値なしの面白さ。現代でも通用する、ブロスナンボンドに乾杯です。

 

 

「ウォッカ・マティーニを。 

ステアせずシェイクして」

 

 

  主題歌

 

主題歌「GoldenEye」はU2のボノとジ・エッジが作詞作曲、歌うは大御所R&Bシンガーのティナ・ターナーとかなりの豪華布陣。

 

評判がよくなかった楽曲という記事を見かけましたが、しっかり007ぽい曲調に仕上げてますし、サビの部分なんてかなりパワフル。メロディラインだって、いい感じだと思うんですけどね。

 

「ハニートラップ」の歌詞が妙に耳に残る「GoldenEye」。個人的にはけっこう好きな曲です。

 

 

満足度 65点

主題歌 70点