鬼才ジョン・カーペンター監督が産み出した、スラッシャーホラー映画の金字塔「ハロウィンシリーズ」。

 

2018年から始まった新シリーズは『ハロウィン(2018)』からの3部作構想となっており、本作は第2部。完結編『ハロウィン THE END』への繋ぎの役割は果たせていた作品だとは思いますが…

 

個人的には前作以上に残念な出来。辛口な映画感想となりますが、ご容赦下さい。

 

 

 

(2021年公開 上映時間/1時間45分 監督/デヴィッド・ゴードン・グリーン)

 

 

  ストーリー

 

ローリー(ジェイミー・リー・カーティス)とブギーマン/マイケル・マイヤーズの40年にも及ぶ因縁の戦いは、決着がついたはずだった。

 

しかし、ローリーのバーニングトラップから生還したマイケルは、因縁の街ハドンフィールドで次々と人々を惨殺する。

 

住民たちはマイケルを殺そうと決起するも、恐怖に暴徒と化し、ハドンフィールドは混沌としていく。

 

  感想

 

本作は一言でいうと「サブキャラが主役面したホラー映画」

 

主役であるはずのローリーは病室でほとんど寝たまま。娘のカレン、孫のアリソンは前作ほどの活躍、出番はありません。

 

代わりに1作目に出てきた「40年前の少年少女4人組」(実際に主演していた俳優を起用)であるトミーたちが話の中心となるのですが、これが何とも華の無い中年男女たち。

 

そんな彼らが事件解決に奔走しますが、結局は街を大混乱。こんな話面白い??

 

しかも、前作同様のモッサリ展開の上(ゲイカップルの件とか尺長すぎ!!)集団暴力の愚かさみたいな、観客誰もが望まないイベントまで織り込んでくるのだからタマラナイ。

 

「今度は戦争だ!!」ぐらいの単純プロットで90分程度で収めればいいのに、なぜに社会派気取りのいらんものブッ込んでくるのか。監督・脚本のデヴィッド・ゴードン・グリーン。コイツのセンスはマジで〇ソです。

 

その最たるものは終盤のマイケル反撃シーン。

 

死んだかと思われるマイケルが、自警団を気取るトミーたちに猛反撃するのですが、これがなんとミュージックビデオみたいなイメージ映像。

 

「はあ!?」ですよ「はあ!?」。

 

スラッシャー場面って生々しさ、リアリズムありきでしょう。本作で一番燃える場面であろう、調子こいた住民たちをマイケルが無慈悲にブチ殺すシーンが、スタジオ別撮りのただの絵空事にしかみえません。いい加減にしてくれよ、おい!!

 

 

...批判ばかりとなりましたが、本作のマイケル/ブギーマンは、前回のヌルさを反省したのか、かなりエグイ殺しっぷり。バンバン恐怖をあおる音楽やサイコーなテーマ曲が鳴り響く(前作同様ジョン・カーペンター担当)本作は楽しめない作品ではありません。

 

とはいえ、色々なところがしゃらくさく、鼻につく映画なので、ホラー映画ファンとしてちょっと愛せないのが残念。

 

 

ただのスラッシャームービーは、いまどきカッコ悪いとでも思っているんでしょうかね、この監督は。

 

 

 

満足度 35点