疲れて何もしたくない時ってありますよね。

 

観たい映画のストックは大量にあるけど、そーいうときに限って王道作品(大作・話題作)ほど観る気がなくなる。不思議なものです。

 

そんな時になぜか観てしまうのが「ゾンビ映画」


近年のお気に入りは、特殊部隊や軍隊メインの「潜入ミッション系ゾンビムービー(勝手に命名)(〃ω〃)」。ゾンビだらけの街に潜入、とあるミッションを遂行というヤツです。

 

「ゾンビより人間の方がコワかった」系のネチネチ話はしんどくなっちゃうんで、派手にドンパチ期待できる作品をチョイスしちゃうんですよね(といっても、駄作も多いですがあせる)

 

本作『ネイビーシールズ:オペレーションZ』も、文字通りそんな「潜入ミッション系ゾンビムービーの一作。意外と楽しめた本作の感想を書いてみたいと思います。

 

 

 

(2015年公開 上映時間/1時間31分 監督/スタントン・バレット)

 

  ストーリー

 

ルイジアナ州ニューオーリンズへ遊説のために訪れていた、ベントリー米国副大統領との連絡が途絶えた。

 

副大統領救出の命令を受けた海軍の精鋭部隊ネイビーシールズに出動命令が下る。

 

加入して間もないAJを含む5人の隊員たちは現地へ急行するが、そこで目にした光景はゾンビの大群であった。

 

  感想

 

本作は特殊部隊の映画にゾンビが出てきたという趣の作品です。

 

故に主人公のネイビーシールズたちの描写が、かなりきっちり描きこまれています。

 

彼らは発砲許可が無ければ、ゾンビを撃つこともできません。女性が襲われたところを助けようと主人公のAJは発砲許可を求めますが、部隊長の許可はおりません。

 

冒頭、AJが演習中に単独行動を取る描写があるので、命令を無視してゾンビを射殺。それが原因でゾンビが押し寄せてくる場面になるかと思いきや...

 

AJは葛藤するも命令を厳守。女性はゾンビに喰われます。

 

正規軍のエリート部隊ですから、当然といえば当然ですが、意外とこういうコトが出来ていない映画は多い気がします。

 

こうした描写が頻繁に出てきますので、演じる俳優たちの屈強な体格も相まい、彼らをリアルなネイビーシールズ隊員として感じることが出来ます。

 

戦争映画でお馴染み、戦友たちを救おうとする描写もかなり胸アツです。

 

 

その反面、ゾンビ(感染者)の描写はザル。

 

 

ひと噛みしてすぐ走り出したかと思えば、人をモゾモゾ喰ってたりする場面もあり、行動原理がイマイチよくわかりません(食人原理なら、押し倒したらそのまま食べるでしょ!!)。

 

あとエキストラの質が悪いのか、襲われている人間もゾンビも(大人数の場合)、ホームムービーのようなレベルの低さです。残酷描写もホント薄味

 

「シャー!」ばかり言ってるゾンビの声も、音声の無料素材を使っているかのような安っぽさ。その上、ゾンビとの距離間に関わらず音量が同じなので、リアリティ感削がれることこの上なし。

 

本作は「ゾンビ映画」なのに、製作者側のゾンビへの思い入れが全くないんですよね...

 

 

ただ低予算作品をしっかり仕上げようとする心意気は感じます!

 

ゾンビ映画にありがちな、中途半端な笑いに逃げたり、グタグタな展開はありません。事件が起きてから特殊部隊が投入するまでの時系列をキッチリ描いており、登場人物たちも全員シリアスに行動します。

 

飛び散る鮮血はもちろん、爆発や火、割れたガラスまでCGなので、正直辟易するところもありますが、限られた予算で本作を描ききろうとした結果なので、ここは仕方ないのかなと思います。

 

「潜入ミッション系ゾンビムービー」としては、かなり良作の一本。割と楽しめた作品でした。

 

満足度 55点