1979年、テキサス。3組のカップルが映画の撮影に訪れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が潜む家だった!!

 

話題のホラー映画『X エックス』。公式ページで簡潔にまとめた映画説明文は、どこを切り取ってもコワいワードのオンパレード。

 

70年代のテキサスと言えば、否応なしにあの伝説のホラー映画『悪魔のいけにえ(1973)』を連想せずにはいられません。

 

海外メディアのレビューや国内の感想でも、高評価の声が多く聞こえた本作品。なるべく情報はシャットアウトし、かなりの期待をもって観に行きました。

 

観に行ったのですが...

 

個人的にはかなりガッカリ作品でした。

 

本作を好きな方も多いかもしれませんが、忖度なしのガチ感想をぶつけてみたいと思います(あくまで個人的感想ですあせる)。

 

 

(2022年公開 上映時間/1時間45分 監督/タイ・ウェスト)

 

 

  ストーリー

 

1979年、テキサス。女優マキシーン(ミア・ゴス)、録音担当のロレイン(ジェナ・オルテガ)ら6人の男女は、ポルノ映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。

 

6人を迎え入れた老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。

 

撮影は順調に進むが、周囲が夜の闇に包まれた時、彼らは想像を絶する恐怖を味わうことになった。ハワードとその妻パールが、殺人鬼の本性を剝き出しにしたのである...

 

  感想

 

心底恐怖するという、そんな気持ちにさせてくれるホラー映画がめっきり少なくなった昨今。

 

そんな不感症の輩である自分を、本作はおぞましい恐怖と残酷描写で震え上がらせてくれるのではないか。とんでもないものをみせてくれるのではないかという、大いなる期待がありました。

 

しかし、なにも無かったんですよね。これが。

 

観終わってしまえば、凝った映像の普通のホラーです。

 

というか、正直退屈でした。かなりタ・イ・ク・ツ。

 

出だしは不気味な予兆をはらみつつ、ホラー映画恐怖指数が最高潮であったであろう70年代をフューチャーした描写の数々。

 

どんな恐ろしいことが起こるのか。体感させてくれるのかと、こちらは身構えていたのですが...

 

一向に何も起こらない。

 

ヒビったのは沼のワニぐらい。不気味そうにみせてるだけで、実際はなにも起きていない。

 

しかも、お年寄の扱いがムゴイ!!

 

パールに関しては殺人鬼としてよりも、性欲のタガが外れてしまった彼女を気持ち悪いもの。おぞましいものとして、観客に提示しているようにしかみえません。

 

とにかく彼女の描写が不愉快で仕方がない。そこはあくまでサブ的とし、若さを敵対視する純粋なシリアルキラーとして扱ってくれた方がよっぽどスッキリします。

 

キモチワルイ老人(製作者サイト)の描写とポルノ映画の撮影が延々と続き、ようやくスラッシャー場面が始まったころには、もう待ちくたびれて気持ちが萎えてしまってました。

 

殺し方もきわめてオーソドックス「えいや-!」とばかりに一突きしたり、ショットガンぶっ放したりとか。何気に老人という設定生かしていない気がするんですよね。

 

若者をだまして薬飲ませ(あのレモネード)、身動き出来なくさせてから、とんでもない酷いことするとか。色々、考えられると思うんですが。

 

散々引っ張っておいて、スラッシャー場面がイマイチって、そりゃあんまりでしょう。

 

70年代オマージュうんぬん(悪魔の沼、サンゲリアなど)があろうがなかろうが、別にノスタルジー懐かしむために、わざわざ劇場に足を運んでるワケじゃないっての!!

 

ハアハア(*´Д`)...。同じテーマなら『ヴィジット(2015)』の方が怖いし、格段に面白かったです。

 

しかし、宣伝がこれだけ煽っておいてここまでコワくないとは。詐欺商法まがいのやり口にかすかな怒りさえ覚えます(それが仕事なんですが...)。


ただ音楽はよかったです70年代のヒットチューンと思われる曲がちょくちょく流れるんですが、けっこうイイ曲ばかりで、サントラだけは欲しくなりました。

 

ディスった感想になったのは、期待値高すぎが原因と思いますけど...ね。

 

マキシーンとパールが同じ女優さんには

心底ビックリしました。

 

 

満足度 30点