あの大傑作ホラーコメディ『ハッピー・デス・デイ』『ハッピー・デス・デイ 2U」』のクリストファー・B・ランドン監督の最新作『ザ・スイッチ』。
古くは『転校生』などにみられる「男女入れ替わりモノ」ですが、本作はなんとスラッシャーホラー版です。
殺人鬼と女子高生の組み合わせで、どんな映画になるのか。マジ楽しみな一本です!
(2020年公開 上映時間/1時間41分 監督/クリストファー・B・ランドン)
ストーリー
地味で内気な女子高生ミリーは、連続殺人鬼のブッチャーに襲われ、鋭利な凶器で肩を突き刺される。
その時、凶器に宿っていた魔力が解放され、2人の中身が入れ替わってしまった。
24時間以内に入れ替わりを解かないと、元の姿に戻れなくなるミリーは、自分の身体を取り戻すため、女子高生姿で殺人を繰り返すブッチャーに立ち向かう。
登場人物
ミリー・ケスラー/キャスリン・ニュートン
彼女は4歳のころから芸能活動しており、ランドン監督の『パラノーマル・アクティビティ4」(2012)』にも主演しています。
この映画で初めて彼女を知ったのですが、とにかくメチャクチャ可愛い!!
地味で内気、着ぐるみで踊る健気なミリー。
赤いレザージャケットに身を包む、美しくも凛々しい殺人鬼ミリー。
どちらのミリーもマジで惚れちゃいます♪
今後の活躍が期待される女優さんです。
ブリスフィールド・ブッチャー/ヴィンス・ヴォーン
ヴィンス・ヴォーンはアメリカのコメディアン。『ハクソー・リッジ』『Mr.&Mrs. スミス』等、けっこうな数の主演作があります。
大柄な中年男で怪力の殺人鬼。しかも、ホッケーマスクをつけるという、まさにモチーフはあの人。
とはいえ、映画の大半はミリーが入れ替わった状態です。
正直、最初はミリーというより、オネェ演技にしかみえませんでしたが、観続けているうちにあら不思議。
あのミリーに見えてしまいます。
感想
気楽なホラーコメディだと思い、その手の映画に免疫のない人がみたら、まずおったまげるでしょう。
残虐(スラッシュ)場面、とにかくハンパじゃありません。
その手の映画好きの自分も、思わず「おおっ!」と唸らされる、エグイ場面が冒頭から連発されます。
並のホラー、スラッシャー映画は足元にも及びません。いやはや、やってくれます♪
「そーいうの好きじゃない人、ムリに観なくていいっす」という、製作者たちの意思表示にみえ、好感度上がりまくりです。
その反面、登場人物に対する眼差しはとてもやさしい。
ミリーを始め、友達のナイラやジョシュ。同級生のブッカー。母親のコーラル、姉のシャーリーン。彼等への描き方がとても愛情に溢れてます。
特にナイラやジョシュとミリーの関係性は、あの年代にしか分かり合えない、本当の友情を感じさせ、郷愁を誘いますし...
最初はダメ母親にしか思えないコーラルも、ミリー(身体はブッチャー)に自分の心情を吐露するシーンには、本当にウルッとしてしまいました。
そして、イヤな奴らをとことんブっ〇す痛快さ!
インスタ映えばかり気にするいじめッ娘。頭が悪そうなアメフト集団。威張り散らすモラハラ教師。
そんな彼らを、あの美しきミリーが無慈悲に凄惨に〇っちゃうんですから、そりゃもう気分爽快です(不謹慎?)。
ちゃんとホラーして、泣かせて、登場人物たちを愛せてしまう。そんな映画あったでしょうか?
こんな奇跡のような映画をつくってしまう、クリストファー・B・ランドン。
ホントにアナタは天才です。
満足度 100点