一日で老いて一生が終わる

 

本作「オールド」 はM・ナイト・シャマランの最新作。

 

シャマランは「シックス・センス」「サイン」「ハプニング」など、オリジナリティ溢れる映画を作る、まさしく異才の監督です。

 

しかし、瞬く間に老いるとは地味に恐ろしいアイディアです。どんな結末なのか、とんでもない大どんでん返しがあるのか。楽しみです!!

 

 

 

(2021年公開 上映時間/1時間48分 監督M・ナイト・シャマラン)

 

  ストーリー

 

バカンスを過ごすため、南国のリゾート地を訪れた、複数の家族。

 

ホテルのマネージャーに勧められ、人里離れたビーチで楽しいひと時を過ごすが、子供たちが急速に成長し、ティーンエイジャーになってしまう。

 

異変に気付くも、ビーチから出ようとすると意識を失い、脱出することが出来ない。彼らは生還することができるのか。

 

  感想

 

絶対的な命の危険にさらされた時、どんな人間でもそれに抗うはずです。

 

本作は中盤で、ビーチの恐怖の全容が判明します。

 

ここでの1時間は約2年に相当し、1日だけで50年近く年齢を重ねることになる。つまり1分で約12日も時間が進むということです。

 

まさしく恐怖、とんでもない状況です。誰もが一刻も早くここから逃げ出そうとするでしょう。しかし、このビーチの家族たちときたら...

 

 

まったく持ってチンタラしてます。

 

 

「やっかいなトラブルに巻き込まれちゃったよ~」ぐらいの薄い反応。

 

しかも、こんなヒドイ目にあっているのに、ホテル側への怒りも無い。

 

自分の人生、家族の人生。こんな理不尽なことをされれば怒り狂って当然だと思いますが、そんなそぶり全く無し。

 

 

そういう感情、湧かないってドウイウコト !?

 

一晩、のほほんとビーチで過ごす!? おかしいでしょ!! 

 

 

子供たちの劣化しまくる成長(ここは意図的だと思いますが)も相まい、彼らをみていてとにかくイライラさせられます。

 

登場人物が納得できる感情・行動をみせてくれれば、ぶっ飛んだ設定でも、そのお話に付いていくことが出来ると思いますが...

 

 

この映画は監督が描きたいことへ、登場人物という駒を動かしている様にしかみえません。

 

 

歳をとったが故に、夫婦の溝が埋まり、お互いの愛情が蘇る。生きるために出来得ることを最大限にやり切れば、感動も生まれるかもしれませんが...

 

観ているこちらとしてはどーでもいいよって感じでしたね、正直。

 

 

「老いる」という今までにない題材でホラー映画を撮る。シャマランの攻める姿勢は本当に好きです。

 

 

ですが、この映画は個人的にはまったく好きになれません。

 

次作に期待しています。

 

 

満足度 20点