本作「PANDEMIC パンデミック」は、人物視点を通して展開されるPOVによるアクションホラー映画です。
1人の人物ではなく、登場人物4人にカメラが装着されている設定なので、複数の視点から映画が展開されます。
感染者たちが抜港する死の街を、FPSゲームの様に、自分視点で体感できるなんて...
ゾンビ好きにはもうタマリマセン!!(感染者ですが)
「無限の感染者の街へ、さあ行くぞ!」
(2016年公開 上映時間 :1時間31分 監督 :ジョン・スーツ)
ストーリー
原因不明のウィルスが蔓延する世界。感染者の症状は5段階に分かれ、レベル1は治療可能だが、レベル5に達すると凶暴化し、治療は不可能とされていた。
CDCセンターの医師、ローレンは、ロサンゼルスの救助チームへ派遣される。
目的は感染の疑いが無い人間を探し検査すること。検査結果が赤なら保護、黒なら放置。
ローレンを含む314チームは防護服に身を包み、死の街ロサンゼルスに未感染者の救出へと向うのだが――。
登場人物
医師 ローレン
運転者 フレディ
案内役 デニース
射撃手 ガナー
感想
「あと7分で任務開始だ」
冒頭、主人公ローレンの視点を通し、今回の危険なミッションと感染者の恐怖について、責任者とおぼしき軍人がレクチャーしてくれます。
何気に会話している時にも、遠くから発砲音が聞こえ、防護服に身を包んだ兵士たちが、黙々と遺体の処理を行っています。
ゲームのデモムービーのようなやり取りですが、まるで自分がミッションに参加するかのような緊張感。
薄汚れたバスに乗り込むと、窓には鉄の網が張られ、荷台にはショットガンの弾と救命セットが入ったアタッシュケースが目に入り...
「うわああ。たまんねぇ!!」
「これからマジで感染者どもの巣窟に行くのか!?」
自分目線で得られる、臨場感に最初はワクワクが止まりませんでした。
でしたが...
観ていくうちに、普通の映画になってしまいました。
本作は4人を使って視点が変わり、さらに監視カメラという名目のロングショットを多用するため、POV映画にしては見やすい映像になっています。
ただ、その見やすさゆえの弊害として体感度が徐々に下がってしまいます。
カメラの画もキレイ過ぎ。もっとザラッとした感じの方が、リアリティを感じられたと思います。
ただ本作はキチンとまとまっているアクションホラー映画ではあります。
シンプルなストーリーですが伏線は設けており、314チームの4人も、丁寧にキャラクターが描かれているため、全員に共感が出来ました。
血しぶき(CG感は気になりましたが)、ゴア描写、荒れ果てた街並みなど、この手の映画(終末ゾンビ・感染者モノ)に必要な要素はキッチリ押さえてます。
ただ、もっともっと体感させて欲しかった...
及第点を目指さず、もっと尖った映画にしてもらいたかった。
「PANDEMIC パンデミック」は、「REC/レック」と並ぶ、傑作POVホラー映画になれたかもしれないと思うと、非常に惜しい作品でした。
※高校内での夜間カメラを使った感染者からの逃走シーンは、あの「ハードコア」並みにバッタバッタとなぎ倒し、POV感もあってよかったです♪
満足度 60点
