サメ映画はホントに罪作りな映画です。
作品数こそやたら多いが、なかなかアタリの出ないこのジャンル。
たくさん観てるはずですが、ガッカリ感だけ残して殆ど忘却の彼方です...
本作『グレート・ホワイト』は「海底47m」シリーズの製作総指揮チームが再結集して作ったオーストラリア映画。ジャケの絵もなかなかの迫力です。
しっかりオジサンの記憶に残ってくれる映画なのでしょうか。頼むよ!!
(2021年公開 上映時間/1時間31分 監督/マイケル・ボーゲン)
ストーリー
北オーストラリアの美しい沿岸部。島で男性の死体をみつけた、水上飛行機のパイロットであるチャーリー(アーロン・ジャクベンコ)、キャズ(カトリーナ・ボウデン)たち5人は生存者を捜索する。
転覆したボートを発見した彼らは着水するが、巨大なホオジロザメに襲われ、水上飛行機は飛行不能になってしまう。
辛くも救命ボートに避難した5人だが、岸から160キロも離れてしまっていた。漂流する彼らを、巨大サメがつけ狙う。彼らは生き残ることが出来るのか?
感想
サメ自体にCG臭はそれほど感じず、かなり迫力があります。
ですが、肝心のドラマは単調。大半がボートの上での話ですが、彼らの会話劇がそもそも面白くありません。
また肝心の主人公チャーリーが、まったくもって共感できん人物です。
彼は遊覧飛行を生業としている職業パイロットですが、お客であるジョーたちを乗せているにも関わらず、勝手な判断で生存者捜査をしたあげく(警察には通報済)、サメに襲われ漂流してしまう。
人命優先はもちろんですが、結果はサイアクです。
「正直、スマンかった」の一言が、お客にあってもよさそうなものですが、謝罪はおろか、お客のジョーが文句を言うと逆ギレする始末。
この後もジョーが悪者の様な描き方をしていきますが...
「お前が客なら、どー思うんだよ!!」
と脚本を書いた方にはぜひ聞いてみたいものです。
また昼間は実際の海での撮影のため臨場感がありますが、夜の場面はどうみてもセット撮影。
オール落とした小競り合いで海に落ちたとか、ひと騒動ありますが、昼間のシーンと違和感ありすぎ。かなりシラケます。
そして映画後半、ボートの空気が抜けたことで、チャーリーはサメと対決することを決意しますが、その方法はかなりムリゲー。本作はある程度のリアリズムが前提の映画だと思うんですけどね。
これよりヒドイ作品はたくさんありますし、本作はマジメに作られているサメ映画だと思います。
ただ、なにせ面白くなかった!!
ゴムボートで海に放り出され、サメに襲われるシチュエーションなら、いくらでもコワいものが作れそうなんですが。
満足度 20点