ご存じ、ホラー映画の人気アイコンである「ジェイソン」。
本作は、彼が大暴れする13日の金曜日シリーズ第10作目。
クリスタルレイクのキャンプ場から始まった本シリーズ。ニューヨークを経て、殺戮の舞台はついに宇宙になります。
「おいおい。さすがに宇宙は無いだろ」
公開当時、ホラー・スプラッター好きな自分でさえ、えらい冷めた気持ちになったのを覚えています。
それから約20年。長きにわたってスルーしていたこの映画を、アマプラで見つけ、全く期待せずに観たところ...
メチャクチャ面白いじゃん!!
と期待を大きく上回る面白さにビックリ仰天。いい意味で裏切られた本作品の感想を書いてみたいと思います。
(2002年制作 上映時間/1時間31分)
ストーリー序盤
鎖でぐるぐる巻きにされ、ジェイソンが吊るされています。200人以上を殺害したジェイソンは捕獲され、研究所に収容されていたのです。
不死身の彼を冷凍し、超低温室に隔離することになっていたのですが、そこに軍の研究者(なんとデヴィッド・クローネンバーグ)と護衛の兵隊たちが到着。
彼らは不死の秘密を研究するため、責任者である女性科学者ローワンの忠告を無視し、ジェイソンを移送しようとします。
案の定、ジェイソンは鎖の拘束を逃れると、あっという間に科学者、兵隊たちを惨殺します。
一人残ったローワンは善戦。ジェイソンを超低温室へ誘い込むものの、腹部を刺され、自らも冷凍されてしまいます。
それから455年後。荒廃した地球にやってきた調査隊は、冷凍状態の二人を発見し、自らの宇宙船に連れて行きます。
ここまでの所要時間は約15分。軽快なテンポで映画は続きます。
登場人物
未来人をやっつけろ!! ジェイソン・ボーヒース/ケイン・ホッダー
13日金曜日の後期シリーズでジェイソンを演じた方。スタントマンでも活躍しているというので身体能力は高そうです。
体のデカさ。立ち振る舞いはまさしくジェイソン(当たり前か)。未来人をも震え上がらせる、我らの殺人鬼はホントカッコいいです!
デキるヒロイン ローワン/レクサ・ドイグ
今回のヒロイン。彼女の他のキャリアはちょっと不明。
頭は回るし、的確な行動を取るので、イライラさせられることがありません。顔は少し幼い感じで可愛いいです♪
頼れる鬼軍曹 ブロッドスキー/ピーター・メンサー
「ゾンビ」のケン・フォリーを彷彿させる、カッコいい黒人俳優。他に「インクレディブル・ハルク 」「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」に出演しています。
未来の護衛部隊を指揮しますが、的確な指示や判断力を感じさせ、戦闘能力も高い。ジェイソンに刺されても、強気な捨て台詞を吐ける胆力の持ち主です。
感想
「う、宇宙が舞台!? 」
「455年後の未来だってぇ!?」
「それはやりすぎだろ。キミぃ」
...などと否定的な声が多く出たであろう、この企画(妄想ですが)。
本作の優れたところは、ジェイソンがこの映画の世界観で浮かないように、観客が気づくとシラケそうな事柄を、きっちり潰していることにあります。
未来の宇宙でジェイソンがなぜ存在するのか。
ハイテク武器で武装しているはずの護衛隊が、なぜジェイソンに撃退されるのか。
本気で未来人が攻撃したら、不死身の肉体を持つジェイソンといえど勝てるのか。
これらをクリアしてくれたお陰で、突拍子もない話を素直に楽しむことができました。スプラッター要素のグロさもキチンとあり、本当に良質なホラー映画です。
とはいえ、本作はあくまで愛すべきB級作品。
期待値のハードルは上げ過ぎないようにお願いします
満足度 75点