007シリーズ第8弾
監督はガイ・ハミルトン。3代目ボンド/ロジャームーアの初主演作品。
個人的にボンドといえば、ロジャームーアのイメージが一番強いんですが、けっこう前に観直した「007オクトパシー」のユルさに、ズッコケた記憶があります(内容は殆ど忘れた~)。
とはいえ、主題歌「Live And Let Die」は昔から大好きな名曲。
邦題「死ぬのは奴らだ」のネーミングのすばらしさもあり、再度、この時代のボンドを体感してみようかと、観てみた次第。
さて、その結果は?
(制作1973年 上映時間 2時間1分)
ストーリー序盤
イギリス情報部員3人が相次き殺害されます。
(棺桶を抱えた大勢の葬儀参列者を使って、2人目の男を殺すシーンが印象的。この場面のシークエンスは凄みがあって好きです♪)。
この緊急事態に、ボンドは事件解決の指令を受けるのですが、場所はなんとボンドの自宅。
電話でオフィスに呼び出すことぐらいは出来そうですが、なんと名だたる英国秘密情報機関「MI6」トップのM(バーナード・リー)が、わざわざ、ボンドの自宅にやってくるのです。
屈強なボディガードを連れてくるわけでもなく(秘書のマネーペニーは同行してますが)、友人の家に立ち寄るぐらいの気楽さで、Mはボンドの家にやってきます。
「スペクターや他国の監視の目は気になりませんか?」
「命、狙われてもおかしくないですよ」
「諜報部員の自宅バレますって!」
Mの突然の訪問(ボンドはMが来ることを知りません)。
敵が来たのかもしれない。そこは殺しのライセンス「OO」を持つ者。臨戦態勢の一つも取るかと思いきや...
女の子とイチャイチャしていたボンドは、チャイムに大慌て。
バスローブ姿のまま、あっさりドアを開けてしまいます。
「け、拳銃は?」
「自宅のドア開ける時、普通の人だって
もう少し気をつけはしませんかね??」
まだほんの序盤だというのに、総ツッコミまくりの状態。
全く緊張感のないまま、ボンドはアメリカに飛びます。
登場人物
愚か者(ザ・フール) ジェームズ・ボンド /ロジャー・ムーア
「キャノン・ボール(1980)」でセルフ・パロディ(もろボンド風の役ですが、暴走族にあっさりやられる)を演じる太っ腹。インタビューでもユーモア溢れた受け答えをする、洒落のわかる、かっこいい大人です。
このムーアのキャラクターが、三代目ジェームズ・ボンドそのものといっても過言ではないかと。
そういう意味でムーアボンドは好きなはずなんですが、この作品ではホントどーしようもない失態ばかりで、あきれてしまうのが残念。
美人女占い師+ボンドガール ソリアテ/シェーン・シーモア
この映画でみたことしかないですが、美形の女優さんです。他にTVシリーズの「宇宙空母ギャラクティカ(1978)」にも出ています。
めちゃくちゃ精度の高い占いをすることで、今回の悪役Dr.カナンガ / Mr.ビッグ(同一人物)に重宝されてるのですが、なんと処女でなくなると、その能力が失われてしまうとの弱点が。
ボンドと初体験の結果、Dr.カナンガ / Mr.ビッグの粛清対象となってしまいます。
最期は大爆発 Dr.カナンガ / Mr.ビッグ ヤフェット・コットー
貫禄ある黒人俳優さん。超傑作「エイリアン(1979)」にも出ています。
今回の最大の敵。いつも余裕しゃくしゃくなのですが、詰めが大甘でボンドを何度も取り逃がしてします。
ストーリー展開
ニューヨークで襲われたボンドは捜査を開始するのですが、最初から行動がバレバレ。
今回の敵は全員黒人のため、一般人を装うつもりがメチャクチャ目立つボンド。あっさり捕まってしまいます。
周りは敵だらけで、全く逃げようがないと思うのですが、ボンドを始末しようとする時だけは敵もユルユルで、ボンドはあっさり危機を脱します。
...こんな感じの展開が何回も続いて、ボンドとDr.カナンガ / Mr.ビッグの直接対決を迎えます。
感想
自分自身、こんなにボンドにツッコミを入れるとは思いませんでした。
ジェイソンボーンシリーズ、ダニエル・クレイグの007シリーズ等を観ても、近年のアクション映画はリアルっぽさを追求してますので、けっこうな違和感を感じたんだと思います。
映画自体も、ストーリーに全く関係ない保安官が、映画後半に結構長い時間しゃしゃり出てきて、いらぬコメディ要素をぶっこんだりしてきます。
ただロジャーボンドの常にユーモアを交えた返しに、「この感じがこの時代のジェームス・ボンドなんだよな」と懐かしい気持ちにもなりました。
義手の殺し屋や、新兵器は少なめですが強力マグネット腕時計。ワニやサメも出てきたりして、当時のファンだった方はそれなりに楽しめると思います。
タイトルロールに流れる、ポール・マッカートニーの主題歌「Live And Let Die/死ぬのは奴らだ」は最強のカッコよさです!!
満足度 55点
主題歌 100点