毎日新聞の 朝刊に、「今週の本棚」という 書評欄が 連載されています。
本日、6月14日の 記事では 「なつかしい一冊」として 萩尾望都さんの『ポーの一族』が 取り上げられました。
選者の小路幸也さんは、 Wikiによると 「1961年生まれの 小説家」 とのこと。
以下、記事の全文を ご紹介します。
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今週の本棚・なつかしい 一冊
小路幸也・選 『ポーの一族 復刻版 全5巻』
(小学館フラワーコミックス 各471円)
初めて読んだのは 今から50年、半世紀も前の 中学生のときだ。
ここには <復刻版> としてあるが、もちろんその頃に買った初版 全5巻が手元にあるし、その後 <愛蔵版> など 種々な版が 出ていて 電子書籍も含め おそらく全種類 持っている。
何度 読んだか わからない。
僕のバイブルのひとつと言っても 大げさじゃない。
そういう意味では <なつかしい一冊> ではなく、<なつかしくも、そのままの姿で 今も 心の中に 生き続ける一冊> と なり、まさしく <ポーの一族> そのものに なってしまっている。
エドガー。
彼は、今も あの頃のままの姿で 僕の中に ずっと いるんだ。
吸血鬼の物語だ。
14歳の少年の姿のまま 永遠のときを生き続けることになってしまった <エドガー・ポーツネル> の物語。
ちなみに <アラン> という副主人公格の少年もいて タイトル含め かの エドガー・アラン・ポーから 取ったものだとか。
その美しさ、耽美(たんび)さ、妖艶さなどは マンガなので 直接 見ることでしか わかってもらえないのだが、その当時は 群を 抜いていた。
萩尾さんしか 表現しえなかった。持ちえなかったものだ。
吸血鬼である <ポーの一族> は イギリスの どこかの森の奥深くで 生き続けてきた。
主な舞台は イギリス 及び ヨーロッパで、時代は 18、19、20世紀と移り変わっていく。
小学生の頃から シャーロック・ホームズに夢中になっていた僕らにしてみれば 舞台背景が 容易に想像がついて、なおかつ それが素晴らしい絵として展開されていくのだ。
永遠のときを生きるエドガーを通して、生きることの喜び、悲しみ、苦しみ、つらさ。
戦争、学校、労働。愛憎、恋、友情、様々な愛の形。
それらが それぞれに 小さな物語として展開され、その中心に 常に エドガーと アランがいる。
数百年たっても 14歳の姿のままで。
吸血鬼を題材にした物語は 古今東西昔も 今も 作り続けられているけれども、僕の中では <ポーの一族> を 超えるものは、たぶん 永遠に出てこないんじゃないか。
そう思わせるほどに、美しく完璧な物語だ。
実は、21世紀になった今も エドガーたち <ポーの一族> の物語は 続いている。
が、もしも興味を持たれた方がいたなら、この <復刻版> から 始めてほしい。
絶対に。(作家)
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実は 筆者も 若いころ、女性漫画家の作品を 好んで読んだ 時期があります。
特に 大島弓子さんのものが 好きでした。
毎日新聞のこの欄では、彼女の作品が取り上げられたことがあります。
下記にリンクを貼っておきますので、興味を持たれた方はご一読ください。
〔了〕


