プロの 将棋棋士の 対局で、前代未聞の 反則負けが 起きたそうです。

10月 30日付け 毎日新聞の 記事から 引用します。

 

 

 名人戦 順位戦 A 級 佐藤天 九段、反則負け マスク 外し 規定違反

 

 東京都 渋谷区の 将棋会館で 28 日に 指された 第 81 期 名人戦 A 級 順位戦 ( 毎日新聞社、朝日新聞社 主催 ) の 佐藤天彦 ( あまひこ ) 九段 ( 34 ) ― 永瀬拓矢 王座 ( 30 ) 戦で、佐藤九段が 一定時間 マスクを着けずに 対局し、日本将棋連盟が 新型コロナウイルス対策として 設けた 臨時対局規定に 基づいて 反則負け と なった。

 

マスクの 着用義務違反で 反則負けと なるのは 初めて。

 

この規定は 同連盟が 2022 年 1 月 に 制定。

 

健康上 やむを得ない場合 以外は 「 対局中は、一時的な 場合を除き、マスクを 着用しなければならない 」 とし、違反した場合は 立会人の判定により 反則負け に なると 定めている。

 

対局は 午前 10 時 に 開始。

 

終盤を 迎えた 午後 11 時 ごろ、佐藤九段は 112 手目を 指した後に マスクを 片耳に掛けて 考え始め、外したまま 対局を続けた。

 

30分ほど たった ところで、永瀬王座が 「 反則負け では ないか 」 と 関係者に 指摘。

 

会館内に 立会人が いなかったため、連絡を受けた 同連盟の 鈴木大介 常務理事が 急きょ 駆け付け、佐藤康光 会長 らと 協議の結果、29日 午前 0 時過ぎ、反則負け が 決まった。

 

 鈴木常務理事から 反則負けを 告げられた 佐藤九段は 「 以前は ( 外して いても ) マスク着用の 注意を 受けていた ケースも あった。

今回は 注意も 受けていない 」 と 反論したが、判定は 覆らなかった。

 

規定には 判定に不服の場合は 「 1週間 以内に、常務会に提訴することができる 」 とあり、佐藤九段は 提訴することも 検討する意思を示した。 【 丸山進 】

 

 

 「 一発 レッド 」 疑問の声

 

 佐藤九段の 反則負けは、新型コロナウイルス対策の 臨時の 規定に基づく 判定だったが、名人への 挑戦権を 懸けて トップ棋士が しのぎを削る A 級 順位戦で、警告なし に いきなり 反則負けで 対局が決着したことに、棋士や ファンから 戸惑いや 疑問の声も 上がった。

 

 この規定が 制定されたのは 今年 1 月。

 

それ以前は、対局時のマスクは 「 推奨 」 に とどまっていた。

 

棋士たちは 長時間の対局に 備え、蒸れにくい素材や 機能性の高いマスクを選ぶ など 苦心を 重ねてきたが、深い思考が 必要な 終盤に なると、息苦しさから マスクを外す 棋士も 少なくなかった。

 

しかし、対局相手が 長時間 マスクを外すことを 嫌う 棋士も 出始めたことから、日本将棋連盟が 臨時の規定を 設け、着用を 義務化した 経緯がある。

 

対局時の マスクについては 「 隣の世界 」 と いわれる 囲碁界にも ルール は ある。

 

日本棋院では、対局中に マスクを着けていない 棋士に対し、立会人の棋士が 着用を 求めて 警告を発し、従わない場合は 反則負け と なる 決まりに なっている。

 

立会人は 全対局が 終わるまで 棋院内に 待機し、対局室内の 映像を見て マスクを 外している棋士が いると たびたび 注意しており、これまで 反則負けは 出ていない。

 

 将棋連盟の 規定には、どのくらい マスクを 外していたら 反則に 当たるか や、注意喚起に関する 説明はない。

 

そのため、今回のように 棋士は いきなり 「 一発 レッド カード 」 を 突きつけられる ことになる。

 

 今回の 判定を巡って、ツイッターでは 「 これは おかしい 」などと 疑問視する 現役棋士からの 書き込みも 複数 見られた。

 

また、将棋連盟の ツイッターには、将棋ファンから 「 警告 とかで 済ませられなかったんでしょうか。 規定とはいえ 残念 」

「 連盟からの 説明を 求めます 」 などの 意見も 書き込まれた。

 

一方で 「 盤を 挟んだ 近距離でのノーマスクは 嫌な人が いても 仕方ない 」 と 将棋連盟の対応に 理解を示す声もあった。  【 丸山進 】

 

 

最後に、佐藤天彦九段の 趣味などを ウィキペデア から 抜粋します。

 

なかなか 興味深い お人柄のようです。

 

 

〔 趣味など 〕

 

中学時代、ドヴォルザーク作曲の 『 新世界より 』 との 出会いに 衝撃を受け、クラシック音楽に 傾倒。

 

特に モーツァルト や ベートーヴェン と いった 古典派音楽を 好む。

 

また、音楽理論と 絵画教室に 通っていることを 2021年の インタビュー で 明かしている。

 

棋士仲間の 間での あだ名は 「 貴族」 。

名付け親は 佐藤慎一で、本人も 「 嫌ではない、客観的に見て 楽しんでいる 」 と いう。

 

NHK 将棋講座テキストで 連載していた エッセイも、あだ名に ちなみ 「 『 貴族 』 天彦が ゆく 」 という 題名になった。

 

また ぬいぐるみ 好き としても 知られている。

 

現在、佐藤の ツイッターの アイコン画像に 使われているのは 昔から 大事にしている オコジョ の ぬいぐるみ だという。

 

本人は 小さい頃、ハムスター だと 思っていたようで、それに ちなんだ 名前を つけたというが 本人は、「 ( 名前を 公表することは ) 恥ずかしい 」 と 言っている。

 

以前の タイトル戦にて 黒地に アザラシ柄の 入った 羽織を 着ていたことがある。

 

本人曰く、呉服店で 着物を つくる 反物を 選んでいた時に 「 自分の 持っている アザラシのぬいぐるみ に ( 柄の アザラシ が ) 非常に 似ていて、気に入った 」 と いう。

 

ただ、お店の人には 内心 「 本当に これに するのか ? 」 と 思われたのではないか と 言っている。

 

〔 ファッション 〕

 

ファッション への こだわりにも 定評があり、その方面での 逸話も多い。

 

元々 高校生時代に 「 自分は イケて いない 」 と 自覚 し始めたのが、ファッションに こだわりだした 原因 だという。

 

ブランドでは 21歳の ときに 初めて 出会った アン ・ ドゥムルメステール を 特に 気に入っている。

 

若手時代には 少ない収入にも かかわらず、比較的 高価格で 知られる 同ブランドの服を 買い続けた ため、貯金が 底をつき 危うく 電気を 止められそうになった。

 

2015 年 現在、同ブランドの服を 100 着 以上 持っていて 「 収納に 困る 」 ほどに なっているという。

 

他に 普段使いする ブランドとして サンローラン ・ パリ を 挙げているほか、「 凝り性な 性格 」 の ため スーツに ついても パターン オーダー などを 利用して いろいろ工夫を 試みている。

 

和服は タイトルに 初挑戦するまで着たことがなかったが、2017 年 現在は 10 セットほど 持っている。

 

2017 年 の 名人戦に 向けては わざわざ 反物を扱う問屋まで行って 5 時間 ほど かけて 生地を 選んだ。

 

〔 了 〕