昨日、6 月 3 0日。

 

東京 五輪大会 組織委員会が 解散した。

 

 

これを受け、本日の 毎日・朝刊は 次のような記事を 掲載している。

 

以下は その 抜粋。

 

 

「 東京 オリンピック・パラリンピック の 開催準備 と 運営 を 担った 大会組織委員会が 30日、解散した。

 

2014年 1月の 発足から 約 8年 半、新型コロナウイルス の 感染拡大による 史上初の延期を 経て 大会開催に こぎ着け、役割を 終えた。

 

橋本聖子 会長 は 『世界の皆さんから 困難な状況に あっても、日本だから 開催できた と いう 評価を いただいた 』 と 振り返った。

 

東京都庁内の 事務局で 最後の あいさつに 臨んだ 橋本氏は 『 皆さんが いたからこその 東京大会の 成功だった。

心から 感謝申し上げる 』 と 職員たちの 仕事ぶりを たたえた。

 

武藤敏郎 事務総長も 『 当初、我々が 期待した 大会とは 全く 違ったものに なったが、簡素な 東京大会 と いう 『 東京モデル 』 を 提示することが できた。

 

歴史の 評価を 待ちたい 』 と 成果を 強調した。

 

( 後略 )

【 田原和宏 】 」

 

 

この記事を 書いた 田原記者は、30日 の 毎日・ 夕刊に、「 公僕としての 使命感 」 と いう 記事を 寄稿 している

 

そこでは まず、1964年に 開催された 東京五輪の主会場で ある 旧国立競技場の 資料館を 紹介 している ――。

 

「 東京都 文京区の 国立 近現代 建築資料館で 新規収蔵資料の公開が 始まった ( 8 月 28 日 まで )。

 

1964 年 東京オリンピック の 主会場だった 旧 国立競技場の設計者、角田栄 ( つのだ しげる ) さん ( 93 年 死去 ) の 資料が 展示され、長男 稔さん ( 74 ) と 訪れた。

 

角田さんは 建設当時、建設省 ( 現 国土交通省 ) に 勤務。

 

58 年 アジア大会に 合わせた 競技場建設に 加え、その後の 東京五輪に向けた 拡張工事も 指揮を 執った。

 

国家の 一大事業と あって、その重圧は 計り知れないものが あった。

 

『 火の玉のような 熱情を打ち込んだ 日本人の姿 』。

 

後年、角田さん らの 仕事ぶりを 関係者は そう 証言している。( 「  国立競技場 十年史 」 ) 」。

 

 

記事は、1964 年に 開催された 東京五輪の 競技場建設などに尽力した 角田氏らの功績を たたえた後、一転して その筆を、今回の 東京五輪 批判に 向ける。

 

―― 「 思い起こせば、昨夏の東京五輪は トラブル続き だった。

 

国立競技場の 建設計画の見直し、コロナ禍による大会の 1年延期、女性蔑視発言 に よる 大会組織委員会の 森喜朗 前会長の辞任 と 枚挙に いとまが ないが、組織委は 『 過去に 類を見ない 特別な大会 』 と 公式報告書で 総括した。

 

角田さんが 生きていれば どう 思っただろう。

 

稔さん は 語る。

 

『 五輪に よって 日本全体の 盛り上げも、経済の 立て直しも できなかった。

 

父なら 言い訳せず、準備不足を 深く 反省したに 違いない。

 

失敗を 失敗と して 見つめなければ、次の一歩は 踏み出せない 』

( 専門記者 ) 」

 

 

田原記者は、この度の 東京五輪を 一刀の下、「 失敗だった ! 」 と 切り捨てて いる。

 

―― 「 いや。 そう言っているのは 田原記者では なく、角田稔 さんだろ 」 と いう 論法は 成り立たない。

 

この度の 五輪開催についての 数ある 意見の中から、 あえて 稔氏の ものを 選択し、記事に したのは 田原記者 なのだから。

 

…… このように はっきりと 自分の意見として 明言するのでは なく、人の口から 語らせるのは この新聞の 常套手段である。

 

「 いや。 私が言ったんじゃ ないんですよ。 『 こういう 意見も ありま すよ 』 と 紹介した だけ なんです 」。

 

 

…… 何とも 卑怯な やり口で ある。

 

でも まあ、それは いいとして…… ( 本当は 良くないのだけど 笑 )

 

それにしても 「 今回の五輪は 失敗だった 」 などと 断じても いいのだろうか。

 

それでは 今大会の運営に 限りない努力を 尽くされた 組織委員会の職員の方々や、善意で参加した ボランティアさん たちの 心意気を ないがしろに する だけの ものだろう。

 

今回の 五輪開催を 「 失敗だった 」 と 断じて、時の 自民党政権を 貶めたいの だろうが、ただ そればかりに 終始しているように 見える。

 

とにかく この新聞、「 人の心を 思いやれない 」 のは 確かであろう。

 

大会の 運営に 尽力された 方々に 「 ご苦労様 でした 」 と いう ねぎらいの 言葉の 一つ でも、かけて あげれば 良いのに。

 

〔 了 〕