5月 4日付け の 毎日新聞は 「 今 あるべき憲法の姿とは ~ ウクライナ情勢 念頭に 各地で 大規模集会 」 の 見出しの下、憲法記念日 の 3日、護憲派と 改憲派の 団体が 各地で開いた 集会の模様を伝えている。
まずは 改憲派の 集会から。
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「 緊急事態条項 」 の 新設を掲げ 改憲を目指す「 美しい日本の憲法をつくる国民の会 」などの団体は 東京都千代田区で 「 公開憲法フォーラム 」を 開いた。
3年ぶりに 会場に 聴衆を入れた状態で開催し、約 500人( 主催者発表 )が 集まった。
岸田文雄首相が ビデオ メッセージを 寄せたほか、防災の研究者や 元自衛官らが 登壇し、それぞれの 専門分野の知見を踏まえて 改憲の必要性について語った。
発言した人の多くが、政府の 権限強化と 国民の権利制限につながる「 緊急事態 条項 」の新設を掲げた。
ロシアによる ウクライナ侵攻への危機感から「 ( 憲法に 基づく )専守防衛は ざれ言だ」 「 中国こそ私たちにとっては脅威 」と いった主張も 聞かれた。
「 国民の会 」共同代表の 桜井よしこ さん は 「 ( 日本国民は ) 平和を愛する諸国民の公正と 信義に信頼して、われらの安全と 生存を 保持しようと決意した 」 という 憲法の前文の くだりを 念頭に「 “ 他国の信頼や 善意を 信頼して 日本国政府は 何もしなくていい ” と 書かれた前文の精神を 引き破るのが 私たちの責任 」 と訴えた。
また、改憲を党是とする自民党に対し「 日本男児なら 頑張れ 」と 呼びかける場面も あった。
【春増翔太】
次は いわゆる 護憲派の集会風景。
余談だが、憲法改正に反対する人々を なぜ「 護憲派 」と呼ぶのだろう。
筆者には「 改憲反対派 」の方が すっきりするのだが……
それは ともかく、記事を引用する。
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「 軍事力拡大では 命 守れない 」。
東京都内を拠点に 護憲や 反戦を訴える団体は 連携し「 改憲発議 許さない ! 守ろう 平和と いのちと くらし 2022 憲法大集会 」を 東京都 江東区で開いた。
大規模な集会を開くのは 19年 以来で、1万5000人( 主催者発表 )が参加した。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、国内では 憲法を改正して 軍事力を増大すべきだ との 言説が聞かれるようになっており、こうした状況を 憂える発言が 相次いだ。
改憲問題 対策法律家 6団体連絡会の 大江京子弁護士は「 ( 軍事力の拡大では )国民の命を守ることはできない。 果てしない軍拡の応酬と 相互不信を 広げるだけだ 」と主張した。
竹信三恵子・和光大名誉教授は「 憲法9条は 国の富を 軍事でなく 民生のために使う構造を作ったことでも 重要な役割を担ってきた 」と 専守防衛の「 効能 」に言及。
「 軍事費を 使う社会が、介護や保育にカネを出せるわけがない 」と述べた。
戦争で 祖母と父、妹を亡くした と いう 東京都 大田区の 西野宏さん( 87 )は単身、会場へ。
「 家族を失った痛みは70年過ぎても 癒えない。 私のような思いを( 国民に )二度と させないためにも 憲法改正を 阻止しなければ 」と 訴えた。
【志村一也】
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これを読んで 筆者は、 いわゆる 護憲派の 人たちの意見に いくつか疑問を抱いた。
まず 大江 弁護士の「 ( 軍事力の拡大では )国民の命を守ることはできない。 果てしない軍拡の応酬と 相互不信を 広げるだけだ 」と いう 指摘である。
この度の ロシアの侵略に対抗して 世界中が 国防費を増強する中、ひとり 日本だけが そうするな と 言うのだ。
「 そのことで 国民の命を守ることはできない 」 と 言うのなら、ロシアの暴挙に対抗するのに 一体何を すればいいのか。
反対するだけではなく、具体的な 行動プランを 示してほしい。
また 竹信・和光大名誉教授は「 憲法 9 条は 国の富を 軍事でなく 民生のために使う構造を 作ったことでも 重要な役割を 担ってきた 」 と 言う。
「 国の富 」とは 一体 何を指すのか 分からないが、国家予算の 使途の ことか?
ならば 「 第9条は 国防費を抑制するという 重要な役割を 担ってきた 」 と 主張しているのだろう。
現在 進行中の ロシアの蛮行にも、日本の防衛費については 今まで通りでよいと 言っているのだ。
―― 現代戦は 兵器の性能と 情報入手が 勝敗の決め手と 言われている。
例えば 戦闘機同士の戦いは、いかに早く 敵機の姿を 捉えるかに かかっているそうだ。
最新鋭の装備には お金が かかる。
しかし、それを 出し惜しんでは 自衛隊の 方々に 失礼だ。
万一の 有事の時、自衛隊の方々に 「 もしも 」 の ことが あれば、戦いは そこで 終わる。
自衛隊の方々の 「 替え 」 は いないのである。
それゆえ その装備には 十分な費用を かけ、また 訓練する機会も 万全に 確保して いただきたい。
それから 「 自衛隊 」 と いう 無機質な 組織が あるのでは ない。
それを 構成しているのは、我々の友、その ご子息・ご子女、またその お孫さんたち で ある。
彼らは 皆、私たちと 同様、日常生活を 営む 日本人の 仲間なのだ。
何よりも、自ら志願して 最前線に立たれる方たち には、 最大限の感謝の念と 敬意を 払いたい。
それ故、「 自衛隊は 違憲である 」 との 結論を 導きだす可能性のある 現行憲法は、即刻 改正すべきである。
最後に。
東京都 大田区の 西野宏さんが語る 「 家族を 失った痛みは 70 年過ぎても 癒えない。 私のような思いを ( 国民に ) 二度と させないためにも 憲法改正を 阻止しなければ 」 と いう 訴え。
会場には いろいろな方が 出席されたようだが、あえて この意見を取り上げたのは 毎日新聞社の 意向に よるものである。
「 二度と 戦争を 起こしては いけない 」 と いう 思いは 万人に共通するものであろう。
しかし、毎日新聞や 特定野党の面々は、なぜか「 改憲 = 戦争勃発 」 と いう 公式を 持ち出してくる。
「 第 9 条が 戦争を抑止している 」 と 言うのである。
筆者には それが 不思議で ならない。
そう 考えるロジックを、 ぜひとも 示してほしいと 思うのだ。
〔 了 〕

