おでん の おいしい季節となりました。

 

それは コンビニのレジの隣に並んでいて、会計のついでに 「 ちょっと買ってみるか 」 と、 そんな気にさせられる一品です。

 

そして 懐かしき、あの昭和の時代の、赤ちょうちんを灯 ( とも ) した 屋台が思い起こされます。

 

そういえば かぐや姫の歌で 『 赤ちょうちん 』 というのがありましたね。 1974 年の作品です。

 

♪ あのころ ふたりの アパートは

 裸電球 まぶしくて

 貨物列車が 通ると揺れた

 ふたりに似合いの 部屋でした

 

 覚えてますか 寒い夜

 赤ちょうちんに 誘われて

 おでんを沢山 買いました

 

 月に一度の ぜいたくだけど

 お酒も ちょっぴり 飲んだわね

 

 

この歌にもあるように、屋台の赤ちょうちんと おでんには、懐かしくも 、少し、もの悲しい風景が似合います。

 

昭和のサラリーマンたちは、北風が吹き抜ける裏通りの屋台で、万感の思いを胸に秘めながら、盃を干したのでしょうか(笑)

 

 

さて、おでんの具材は本当に多くの種類がありますね。

 

ちょっと思い浮かべただけでも――

 

大根、玉子、こんにゃく、しらたき、厚揚げ、練り物 ( ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、つみれ )、餅入り巾着、昆布、ロール キャベツ など。

 

また、これは筆者の勝手な思い込みなのですが、 「 地方色が強い おでんの具 」 として、ちくわぶ、牛すじ、黒はんぺんが浮かんできます。

 

それぞれ 東京を中心とした関東地方、関西、静岡地方が発祥ではないのでしょうか。

 

 

ところで、 「 おそ松くん 」 と いうマンガがありました。

 

赤塚不二夫が描いたもので、1960 年代に 「 週刊少年サンデー 」 に連載されたものです。 その後 舞台を変えて他誌にも掲載され、また アニメにもなったので、ご存じの方も多いと思います。

 

それで 主人公の おそ松くんを始めとする六つ子たちよりも、脇役たちの方が 人気があったようです。

 

例えば 「 シエーッ! 」 とポーズを決める 「 イヤミ 」 とか、 「 ホエッ ホエッ 」 としか言わない 「 デカパン 」 とか……(笑)

 

また 「 ケケッ 」 と笑う 「 ちび太 」 も有名です。

 

 

この ちび太クンは、いつも竹串に刺したおでんを持っていました。

 

トレード マーク と言っても いいくらいです(笑)

 

さて、この ちび太クンの おでん。

 

具が3つあって 上から三角形、球状、円筒形の物となっています。

これって、一体、何の具なんでしょうね?

 

筆者は子供のころ、 漠然と、 「 こんにゃく、さつま揚げの丸いやつ、ちくわ かな 」 と思っていました。

 

でも、この絵柄をよく見ると、一番下の具の表面には  縦方向に溝 ( みぞ ) が 彫られています。 そしてその断面は、歯車の形をしています。

 

「 もしこれが ちくわ だとすると、その断面は 『 円 』 になるはずだぞ。 と なると、ちくわじゃないかもな 」

 

それで 円筒形の食べ物で、その横断面が歯車形というと……

 

「 うん! これは ちくわぶだ! それって、表面に縦の溝がついているもんな! 」

 

―― 「 でも、ちび太のおでんの具って、本当は何なんだろう? 」

 

 

先日、pakawa さんのブログ、 「 『 ちくわぶ 』 を考える 」 ( 2018 年 12 月 30 日掲載 ) を読んだ時、筆者は突然、この疑問を思い出したのです。 それで早速、ネットで 調べてみることにしました。

 

 

まず、 「 赤塚不二夫公認サイト これでいいのだ 」 を見ると、 「 よくある質問 F & Q 」 に、このような記事がありました。

 

Q. ちび太がいつも持っている おでんの具を教えてください。

 

A. 赤塚センセイによると、上から 「 コンニャク、ガンモ、ナルト 」 で、だしは 関西風とのこと。 けれどもよく見ると、タコの足や玉子のようなものもあり、いくつかのバージョンがあるようです。

 

―― これを読んで筆者は半ばナットクし、半ば、驚いたのです。

 

「 あの三角形のものがコンニャクで、丸いのがガンモというのは分かるぞ。 でも 円筒形のものが ナルトだったとは…… 」

 

ナルトって 薄切りにして ラーメンに入れたり、かけそばに 入れるのは分かるけど…… 丸丸一本を 半分とか 1/3の筒切りにして おでんの具にするなんて  「 まさか! 」 と思ったのです。

 

そこで更に検索を続けると…… 

 

ネットのツイッターに挙げられた、こんな記事を見つけました。

 

―― 「 おそ松くんの " ちび太 " が持ってる おでんの具が知りたくて、阿佐ヶ谷の 『 米久 』 という お店に電話で問い合わせたところ、赤塚不二夫先生ご本人が 直接、教えてくれたんだそう。

 

当時の具は 「 はんぺん 」 「 揚げボール 」 「 なると 」。

 

時代や タイアップで具の内容も変わってるのかも 」。

 

 

この説によると、一番上の三角形のものは 「 はんぺん 」 だそうですが、円筒形のものは 「 ナルト 」 で間違いないようです。

 

そういえば、ちび太が持っている おでんの彩色画を見ると、あの円筒状のものの断面には、うっすらと ピンク色の渦巻きが描かれているようです。

 

 

これらの記事を読んで、筆者は、 「 おでんの具って、地方によっても、本当にたくさんの種類があるんだなあ 」 と感動したのです(笑)

 

ちなみに――

pakawaさんの書かれた 「 ちくわぶ 」 の記事は こちらを