以前、小ブログで、 『戻ってよ マカロニグラタン』 という
新聞記事を紹介した。
2015年12月の読売新聞 ・ 日曜版に、落語家の 立川志らくさんが
寄せたものだ。
そこには、昨今の言葉の移り変わりを嘆いて、こう書かれている。
――「 スボンを パンツと きたもんだ。
パンツは下着だ。
そのパンツが、 アクセントを変えると ズボンに なるって?
ならば パンティも、 アクセント変えたら スカートにしろってんだ」。
これを読んで、筆者は大笑いした。
それから、ふと、こんなことを思った。
「 この中の スカートやパンツはともかく、 パンティって言葉、
白昼堂々と 新聞に載せてもいいのだろうか?
これを読んだ男子中高生が モヤモヤして、 『今日一日、勉強が手に
付きませんでした!』 ということには ならないだろうか?」
「……でも、まあ、 『コナン』 の例も あるからな……」
――『名探偵コナン』 の単行本 第12巻に 「黒い太陽」 という話が
載っている。
コナンと、その友達――少年探偵団のメンバーは、阿笠 (アガサ)
博士の別荘で 宝探しをする。
宝の在りかを記したメモは 暗号で書かれており、それを解くには
カタカナ4文字の キーワードを見つけなくてはならない。
それは 「 パ行の1文字 (パ ・ ピ ・ プ ・ ペ ・ ポ ) 」と
「 ン 」から成ることが分かった。
そこで、少年探偵団のメンバーそれぞれが、そのような言葉を
思いつくまま 挙げていく。
歩美(あゆみ)ちゃん : 「 パンティ、 ヘアピン、 ペリカン 」
元太(げんた)くん : 「 アンパン 」
円谷(つぶらや)くん : 「 パソコン、 ニッポン 」
――正解は 「トランプ」 (笑)
ここで注目したいのは、最初に思いついた言葉が 「パンティ」 だと
いうことだ。
それが 歩美ちゃんの口から自然に発せられると、ごく普通に
受け取ることができる。
この言葉は少年マンガにも載るくらいだから、フツーの青少年には、
なんら、いらぬ刺激は与えないことが 分かった(笑)
確かにそれは、女性から言わせると、 ありふれた日用品であり、
また、 「生活必需品」 ということになる。
そのようなものに、勝手に 「モヤモヤ」 されても迷惑だろう。
しかし、この言葉が、昔の男子中学生に与えた 「破壊力」 は、
相当なものだった(笑)
――こんなエピソードがある。
( フィクションである。 くれぐれも、 「筆者の実体験ではない」 と
いうことを強調しておく w )
男子中学生 A :
「知ってる? あのね、英語でお茶のこと、 『ティー』 って言うんだ。
それでね。 今日のボクの朝ご飯は、 パン と お茶!
うふふふふ。 『パン』 と 『ティー』 だよ」
男子中学生 B :
「ぎゃははははは。 そうかあ! 『パン』 と 『ティー』 かあ!」
それを聞いていた男子中学生C が、 (彼は「ちびまる子ちゃん」に
出てくる 「丸尾クン」 そっくりの子です w )
男子中学生 C : (メガネのフレームを キラーンと光らせて)
「キミたち。 それはちがうよ。 パンは 『ブレッド』 というんだ。
だから 『ブレッド』 アンド 『ティー』 が正しいんだよ」
男子中学生A : 「 う~~ん! もう~~ 」
男子中学生B : 「 それじゃあ、 面白くないのッ! 」
それから 月日は流れて、男子中学生 A は サラリーマンになった。
勤務後の飲み会で、同僚たちと、はやりのカラオケに行くことも
あった。
そこで歌ったのが 小坂明子の 『あなた』。 (作詞 ・ 作曲も同じ)
♪もしも私が 家を建てたなら
小さな家を 建てたでしょう
大きな窓と 小さなドアーと
部屋には 古い暖炉があるのよ
真っ赤なバラと 白いパンジー
子犬のよこにはあなた あなた
あなたがいてほしい
それが 私の夢だったのよ
いとしいあなたは 今どこに
――「往年の男子中学生 A 」 の番となり、マイクを片手に歌いだす。
「もしもー 私がー 家をー 建てたなあらー」
「小さなー 家えをー 建てたで しょおおをー」
「大きぃなー 窓とー 小さな ドアアとーー」
「部屋にはー 古ういー 暖炉ーおが あるのよー」
「真っ赤な ブラとー 白い パンティー」(笑)
何のことはない。
当時でも 決して 「新しい」 とは言えないこの曲の、その一節を
歌うために、人様の歌も聞かず、せっせと曲の番号を調べていたのだ。
「往年の男子中学生 A 」 の努力の跡が しのばれる(笑)
この話を聞いた女性のブロ友が、早速、ツッコミを入れてきた。
彼女は、その友人に 「 コーディネートは こうでねいと 」 と
講釈するくらい、ファッションには うるさいのだ。
――「 こういうものは、アンサンブルが大事なのよ。
え? 上が赤で 下が白?
なに、それ! それじゃあ、インドネシアの国旗じゃないの! 」
それを聞いていた 「元男子中学生 C 」 の丸尾クンが
「 そういう図柄の国旗は ほかにもあります。
モナコ公国です。
ちなみに 上と下を入れ替えると、 ポーランドの国旗になります」
……というか、
「この記事のタイトルは、 『パスタの思い出』じゃなかったのか!」
「パスタは一体、どこに行ったんだ!」
という怒りに満ちた ご指摘も 重々理解できます(笑)
でも まあ そこは、 「 ともに 『 パ 』 で始まるカタカナの言葉 」、
ということで、ご容赦を頂きたいと……(笑)