ビートたけしさんの“アナログ”を読みました。
「愛するってこういうことじゃないか」というメッセージが
本の帯に記されていました。
運命分析でみますと、2018年は「愛」が
幸せに生きるためのテーマです。もっと細かくいいますと、
愛は愛でも「純愛」です。
だから、この本は2018年にピッタリかなと思いました。
※これは、運命分析学をもとに書いた私個人の考えです。
事実を確認したものではございませんので、
ご理解いただける方のみお読みください。
ネタバレ注意! ネタバレ注意!
この小説の主人公であるデザイナーの水島悟は、
たけしさん自身ではないかと思います。
そして、亡くなってしまうお母さんもたけしさんの
お母さん北野さきさんのように思います。
読んでいて、思ったのですが、
この小説は本当にたけしさんが、いちばん好きな
スタイルの愛を描いたように思います。
まぎれもなく、たけしさんの本で、どこもかしこも
たけしさんだったように思います。
どこがどう“たけしさん”なのかといいますと、
①とにかく温かい
登場人物がそれぞれ、相手を思いやる姿が表されている。
人間社会では、相手が何を嬉しく思うのか?人それぞれ思考がちがうため、
想像するしかありません。
なかには、ありがた迷惑なこともあるのですが、それでも相手なりに、
自分を思ってくれているのだろうから・・と、多少行き違いがあっても、
気遣い合って調和を計ればいいじゃない・・というたけしさん特有の温かく人を
包む基本的な考え方ではないでしょうか。
小説では、かなり大きな行き違いがあるのですが、楽しく表現されています。
そんなごちゃごちゃした思うやりのスクランブルが、とても温かく感じます。
②素朴
愛の表現は、ものすごくシンプル。
〟愛は我欲じゃないこと〝、好きになっても
「お互いに会いたいと思う気持ちがあれば絶対会えますよ」ということで、
携帯番号やメールアドレスを教えず、次の約束もしません。
シンプルにすることで、思いやり合う気持ちが浮き立ちます。
③じゃれる
「愛」を運命分析でみると、愛に到達するための
必須通過点が「笑う」「遊び」です。
「笑い」「遊び」のポイントを上手に通過できると、
そのまま「愛」へ到達できるのです。
でも、笑いや遊びの質が悪かったり、無くしてしまうと、
愛へ到達できないという運命の法則があります。
この小説では、友人とじゃれ合うような冗談や
おふざけ、遊びがふんだんに出てきます。
④嘆く/歎く
これはたけしさんに備わる情の深い裏返しのようなもの。
世の中を嘆きます。
文章中に直接嘆くような言葉はありませんが、
小説の中でも、ずるい上司や愛を無視した考え方をする人たちが出てきます。
そういう人たちの描き方も、どこかユーモラスで、恨みがましかったり、
厳しく非難する表現はありません。たけしさんの本能はそういう人たちへも
独特の大らかな愛で包もうとしているのかもしれません。
子どもの頃のしつけや育った環境など、様々事情があってのことでしょうから、
嘆くしかないのです。
そういう人物を登場させ描いたということが、
たけしさん特有の嘆きではないかと私は感じました。
涙した名文ピックアップ
※「AIやコンピューター技術がいくら進歩しても時折みせるみゆきの
微笑み以上の笑顔が作れるだろうか?」
※「俺にとって、一番美しく幸せな景色とは、微笑むみゆきの
横顔である。いつか犬でも飼って新しい車を買い、みゆきと犬を
乗せてどこかへ遊びに行こう。」悟はそんな未来に思いを馳せると、
またコンピューターに向かった。
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ただこの文章読んでも泣けないと思いますので、
ぜひ、ご本を読んでみてくださいませ ('◇')ゞ
AIやコンピューターで便利な世の中ですが、
人の心を大切にしながら、上手に融合できるといいですね。