今回は前回記事(その311)の続きである。
■「国旗損壊罪は違憲だ!」と叫ぶ人達…その根拠は?
さて、巷の『国旗損壊罪反対派』の叫び?に耳を傾けてみると。
どうやら彼らの主張では『国旗損壊罪は違憲(憲法違反)だ!』ということになっているらしい?
「それはどういう理屈でしょうか?」
「国旗を燃やしたり破いたりするのは市民に許された【正当な表現の自由】であり。そうした【正当な表現の自由】の行為に怒るのは【ごくごく一部の偏狭なナショナリスト】だけである。大半のまっとうな市民は、むしろそうした行為に喝采を浴びせるであろう! なのに、そうした【ごくごく一部の偏狭なナショナリスト】達に迎合し、表現の自由を弾圧しようとする法令を制定するのは、市民の内心の自由、思想・良心の自由を弾圧する、明らかに憲法21条に反する憲法違反の悪しき法令である!」
ふむ。まあ、巷の(左派の)『国旗損壊罪反対派』の主張は、概ねそんな感じなのだろうな。
ここでのポイントの1つ目は、【国旗や国章を特別扱いする必要があるのか否か?】という点であろう。
「【国旗や国章はただの布切れに過ぎず、それを燃やしたり破いたりすることを特別視すべきではない?】という考え方もある、と?」
そうだな。その点については世界の考え方は概ね2つに割れている。
前回記事で考察した中の、【②自国も外国も特に国旗を保護・尊重せず】の国々(イギリスやカナダ等)の場合、自国の国旗も外国の国旗もどちらも、特に損壊自体を問う罪(法令)はない。概ねこのスタンスに準ずる国々だ、と考えていいだろう。

「当然そうだ。国旗や国章はただの布切れに過ぎず、それを燃やしたり破いたりするのは正当な表現の自由であることに疑いの余地はない!」
もしその考え方に基づくならば、日本の既存の法令、『外国国章損壊罪』も当然に【憲法21条に反する憲法違反の悪しき法令】ということになるのではないか?
■イギリスやカナダ等には外国国章損壊を処罰する法令はない
「たとえば中国の非道な人権侵害(チベットや東トルキスタン等)に抗議して中国の国旗を燃やしたり破いたりとか、イスラエルへの抗議とかで。外国の国旗を燃やしたり破いたりするのも市民に許された【正当な表現の自由】だと?」
「そうした【正当な表現の自由】を処罰する『外国国章損壊罪』は、市民の内心の自由、思想・良心の自由を不当に弾圧する、明らかに憲法21条に反する憲法違反の悪しき法令である! こんな悪しき法令である『外国国章損壊罪』は速やかに廃止せねばならない!と?」
当然そうなるだろうな。
「何を言うか! 『外国国章損壊罪』は当然に必要な法令である! 偉大なる中国様の国旗を燃やしたり破いたりするようなトンデモなく不敬な排外主義者は万死に値する!極刑に処すべきである!」
いやいや、国旗や国章は『ただの布切れに過ぎない』んだろ?
中国の国旗を燃やしたり破いたりするのは日本国民に許された【正当な表現の自由】なんだろ? 正当な『思想・良心の自由の発露』なんだろ?
そうした行為に怒るのは【ごくごく一部の中国の偏狭なナショナリスト】だけで、大半のまっとうな中国市民?は、むしろそうした行為に喝采を浴びせるんだろ?
そんな【ごくごく一部の中国の偏狭なナショナリスト】だけの為に配慮する必要が、果たしてあるのだろうか? 憲法21条の精神に完全に反する?『憲法違反の外国国章損壊罪』はやはり廃止すべきでは?
「お前は何もわかっていない! 外国国章損壊罪は憲法違反ではない!以下を参照せよ!」
【やさしく解説】国旗損壊罪、なぜ今?懸念は?…アメリカでは「国旗を燃やすのも表現の自由」、ドイツでは処罰対象
>つまり、外国国旗を燃やしたり破いたりすれば外交問題に発展する可能性があるから処罰するのであって、自国の国旗を処罰対象にしていないことに法理論上の矛盾はない、というわけです。
■正当な表現の自由であっても単に『外交問題に発展する可能性がある』という理由だけで弾圧・処罰の法令が正当化される?
ふむ。つまり、日本の(左派)『国旗損壊罪反対派』の主張は以下ということか。
【A】『国旗や国章はただの布切れに過ぎず、それを燃やしたり破いたりするのは完全に正当な表現の自由である』
【B】『しかし、【外国国旗を燃やしたり破いたりする】行為は【外交問題に発展する可能性がある】という理由により、それを処罰する法令『外国国章損壊罪』は憲法(21条)違反には当たらず、正しい法令である』、と?
「当然そういうことだ!」
でも、それっておかしくないか?
「どういうことでしょうか?」
単に【外交問題に発展する可能性がある】というだけの理由で、果たして『完全に正当な表現の自由』の行為を弾圧・処罰するような法令が(憲法違反ではないとして)正当化されるのか? という疑念、が当然に出てくる訳で。
たとえば
『同盟国・友好国の元首や政府を無闇に批判してはならない(批判すれば処罰があり得る)』みたいな法案があったとして。仮に『友好国政府批判罪法案』とでも呼称するとして。
あるいは『同盟国・友好国の』の部分は『外国の』に置き換えてもいい。
日本の(左派)『国旗損壊罪反対派』の連中は、この『友好国政府批判罪』に賛成・賛同するのだろうか?
「具体的にはどういった話でしょうか?」
たとえば、米国の大統領(今はトランプ)や政権を、外国のセレブや政治家が口汚く猛批判したとする。
それを聞きつけた米国大統領がそれに猛反論し、世界的に話題となるような口汚い批判の応酬となり、結果、外交問題にまで発展した、と仮定して。
「それは現実的に十分あり得そうな話ですね。ていうか、それに近い事象は過去に実際に起こっているような気も?」
つまり、日本国民が『友好国の元首や政府を口汚く猛批判する』行為は、現実的に【外交問題に発展する可能性がある】とは十分に言えるだろう。
「まあ、『ただその国の一国民が外国の国旗を損壊しただけで【外交問題に発展する可能性がある!!】』などと強弁するならば、同様に当然、そういう言い方も可能でしょうね」
故に、前述の左派の主張に従うならば、つまりこの『友好国政府批判罪』(外国政府批判罪)は、『外国国章損壊罪』と同様に憲法違反には当たらず、正しい法令である、ということになるはずで。
日本の(左派)『国旗損壊罪反対派』の連中は、果たしてこの『友好国政府批判罪(仮)』に賛成・賛同するのだろうか?
とてもそうとは思えないが。
「当たり前だ! トランプやトランプ政権を猛批判するのは『正当な表現の自由』であり、如何なる理由であってもそれを弾圧することは許されない!それは憲法違反の悪しき法令なのは間違いない!」
だが、友好国(外国)政府批判が【外交問題に発展する可能性】も現実的にあり得る行為である、という点は誰にも否定できない【客観的事実】だろう。
ならば、『完全に正当な表現の自由』だろうが何だろうが、『外国国章損壊罪』と同様に、『友好国政府批判罪(仮)』は、『日本の外交的地位』を保護法益とする正しい法令、ということになるはずでは?
「ただの『外国政府批判』と『外国の国旗や国章の損壊』とでは次元が違う! ただの『米国大統領(トランプ)への批判的言論』と『偉大なる中国様の国旗や国章を損壊』するのを同等に考えるなど、度し難い無知蒙昧である!」
「あらら、語るに落ちた? 『国旗や国章の損壊』はただの批判言論とは次元が違う? それは結局、前述の前提【A】『国旗や国章はただの布切れに過ぎず、それを燃やしたり破いたりするのは完全に正当な表現の自由である』を否定してますよね? 結局、『ただの布切れ』ではないのですよね? 国旗には『ただの布切れ』とは異なる特別な意味や意義がやはりあるのですよね? やっぱり『国旗損壊罪反対派』の主張はおかしくないですか?」
うむ。つまり日本の左派が【外交問題に発展する可能性があるならば、『完全に正当な表現の自由の行為』であってもそれを弾圧・処罰するのは正当でありOK】とか言っているのは、ただ単に『外国国章損壊罪』だけを正当化したいがための詭弁・屁理屈・口実・方便に過ぎず、それ以外の事案(外国政府批判等)については平然とそれとは完全に真逆のスタンス(酷いダブスタ)なのではないか? というように見える訳で。
■結論:やはり日本の(左派)『国旗損壊罪反対派』の主張は【ただのダブスタ】ではないかと
上記は、日本の(左派)『国旗損壊罪反対派』の連中が、『外国国章損壊罪』には賛成しつつ、一方で『友好国政府批判罪(仮)』には反対の立場である、という仮定下での話にはなるが。
その前提が成り立つ状況においては、明らかに『国旗損壊罪反対派』の主張は【ダブスタ】でしかない、と考えられる。
「日本の左派は『国旗損壊罪』を否定する際には【A】『国旗や国章はただの布切れに過ぎず、それを燃やしたり破いたりするのは完全に正当な表現の自由である』と声高に主張する一方で、『外国国章損壊罪』を正当化する際には一転豹変して『国旗や国章の損壊はただの批判とは次元が違う!』などと、あからさまにダブスタ全開?」
「日本の左派(国旗損壊罪反対派)が、『外国国章損壊罪』を正当化する際には『日本の外交的地位を保護法益とする正しい法令だ!』と強弁する一方で、もし『友好国政府批判罪(仮)』には一転豹変して反対、というのであれば、それもやはりダブスタ全開では?」
うむ。
欧米の(本物の)リベラル派の論理に従うならば、もし『国旗や国章を燃やしたり破いたりするのは正当な表現の自由である』と主張するならば、やはり『外国国章損壊罪』にも反対(イギリスやカナダ等と同様のスタンス)しなければ全く筋が通らない。彼ら(日本のエセリベラル派)の【口先だけの詭弁・方便】には説得力が著しく欠落している。
そもそも、前回記事(その311)でも考察したように、現代の国際社会において『①自国よりも外国の国旗を優先保護・尊重』の国は、ほぼ(旧)日本しかなかった。『国際的に極めて非常識な考え方である』という点は【客観的事実】であり。
この点においても、日本の左派(エセリベラル派)の主張は、欧米の(本物の)リベラル派の主張とは全く別物で。
結局、彼ら(エセリベラル派)はただ【日本人差別的な異常な現状(外国の国旗の損壊は処罰されるが何故か日本の国旗だけは損壊しても処罰されない)を盲目的に死守したいだけ】の、国際的に極めて非常識な浅ましい(反日的な)意図でしかなかった、と断言して良さそうである。


