【新日本ファクトチェックセンター】
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今回は前回に引き続き、米国・トランプ関連の政治の動向について考察したい。



■バイデンの記憶力低下問題への懸念:波紋は全米に波及

当ブログでは前回記事(その116)でバイデンの記憶力低下問題について考察し、「さすがにもうバイデンは限界じゃね?」「米国民主党はいいかげん『指名候補の再考』を真面目に検討すべき」と提言した。

 


その後の世論の動きは以下のようなもの(概ね当ブログの予想通りに近い動向)である。


バイデン氏「2期目を務められぬ」86% 米世論調査 「この調査は危うい。大きな世論を動かすきっかけになり得る」辛坊治郎が指摘

 

>アメリカのABCテレビなどが11日発表した世論調査で、11月の大統領選挙で再選を目指す民主党のバイデン大統領が高齢過ぎて2期目を務められないとの回答が86%に達した。有権者の間に職務遂行能力への不安が根強い現状が浮き彫りになった。


翔子「この、米国のABCテレビというのはどんな感じのテレビ局ですか?」

収入額で世界最大の放送局らしい。資本的にはウォルト・ディズニー・カンパニーの配下であり、バリバリのリベラル(民主党寄り)メディアと言っていい。

そんな「露骨な民主党寄りメディア」である米国ABCテレビの世論調査ですら「バイデン大統領が高齢過ぎて2期目を務められないとの回答が86%に達した」というのは、かなり衝撃的な数字と考えられる。

断言するが、もし「一部のトランプ支持者が不当にバイデンを攻撃しているだけ!」みたいな話であれば、このメディアでこんな数字は絶対に出ない訳で。

これは明らかに「米国民主党支持者(リベラル派)の大半」もバイデンの2期目続投にネガティブな反応を示している(本心ではバイデンが若い民主党候補者に大統領の道を譲ることを期待している)、という情勢であろう。


更に、米国の有名メディアであるフォーブスでも。

米大統領選、バイデン撤退の可能性と「代わりの候補」の名前
2/15(木) 11:00 Forbes JAPAN

 



これまではある意味「聖域」「タブー」であった民主党側の指名候補についても、「バイデン撤退の可能性」や「代わりの候補」といったワードがメディアで散見されるようになってきた。


これは「以前とは報道の風向きが変わった?」という印象を受ける。

真琴「それって、ますますトランプに有利な風が吹いているということですか?」

あー、それは少しニュアンスが違うかな。



■民主党執行部(の一部)による「観測気球」の可能性

日本のマスメディアの質の低さ・偏向報道の酷さについては当ブログでも度々言及している。はっきり言えば政治よりも国民よりも「メディアの腐敗」こそが今の日本の最大の病巣と言っていい。

翔子「トンデモなデマ報道・酷いフェイクニュースを執拗に垂れ流す東◯新聞とか朝◯新聞とかですね」

そしてその状況は米国も大差ない訳で。実際、米国民の約7割は「米国メディアを信用していない」という調査結果も出ている。

ワイの目から見ても米国メディアの偏向報道の酷さは日本と大差ないレベルの醜悪なもので。

真琴「民主党寄りメディアと共和党寄りメディアのプロパガンダ合戦が酷い感じ」

米ABCテレビみたいな「ゴリゴリの民主党寄りメディア」は、前述のような「バイデン政権にとって不利な(衝撃的な)世論調査結果」が出た時は、「その項目は見なかったことにしてスルー(報道せず隠蔽)」くらいの偏向報道は日常的に平然とやっている、というのがワイの認識である。


なのに今回は普通に「衝撃的な数字」をそのまま?報道している。
フォーブスでも「バイデン撤退の可能性」「代わりの候補」といった主張が平然と記事になっている。

翔子「どういうことでしょうか?」

あくまで推測になるが、民主党がようやく「危機感」を本気で抱いた結果として

・民主党執行部が「バイデン撤退」のルートを可能性として模索し始めて、観測気球を上げた

・民主党執行部(の一部)に「もうバイデンではダメだ」と見切りをつけて「バイデン下ろし」の動きが出始めた


というような展開の可能性があるいは結構あるのかもしれん。



■民主党は「プランB」を用意すべき

以下のような記事も出ている。

「もしトラ」から「ほんトラ」へ 「本当にトランプ大統領になるのではないか」というモードで準備するべき
2/13(火) ニッポン放送

 

>「裁判のためトランプさんが出られなくなるかも知れない」などと安心し、「まさかトランプさんの再選はないだろう」と考えるのは大きな間違いだと思います。

>そんな状態なので、セキュリティ・クリアランスの整備は対策の1つだと思います。


この秋田氏の見解は私も同意である。

当ブログで当初から考察している見立て通り、「トランプの大統領選(予備選)出馬資格」の訴訟は最終的に「原告の訴えを退ける(トランプは予備選参加資格アリ)」の判決になる可能性が濃厚である。

つまり「トランプは出馬自体できない」という展開になる可能性は既にかなり低い。

結局「民主的な選挙」で堂々と民意を得てトランプを打ち負かさない限り、おそらく「トランプが大統領に再選」の結果になる確率がやや高そうだ、ということ。

そのためには民主党は「移民問題、治安問題、国境管理問題」等のテーマでも逃げずにきっちりと「今の民意」に向き合う必要があるだろう。

真琴「リベラル陣営の一部に蔓延る『勘違いエリート主義』みたいな『(低学歴?の)民衆を見下すばかりのムーヴ』からの脱却が必要ですね」

うむ。

もう一つは、指名候補について「プランB」が必要だ、という点。

翔子「今、民主党の指名候補争いはどうなっているのでしょうか?」

これまでは、作家のマリアン・ウィリアムソン氏やディーン・フィリップス下院議員等が一応は指名候補争いに参加していた。

しかしウィリアムソン氏は今月に入って既に指名争いからの撤退を表明している。

フィリップス下院議員はまだ指名争いに残っているはずだが、得票率は2%とかの「雀の涙」であり、有権者からの見え方は「完全な泡沫候補」みたいな扱いに見える。

真琴「他に民主党の候補はいないんですか? ><」

潜在的な候補としてよく噂されているのは、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事あたり。しかし彼は政策的に「極左」寄りの政治家の雰囲気なので、ワイはあまり期待していない。

個人的には「ベト・オルーク」とかワイは密かにちょっと期待していたのだが。
かつては「トランプが最も恐れる大統領選候補!」などと「期待の新星」扱いでメディアでも結構話題になっていたのに、最近はほとんどニュースにもならないというか、一体どこに消えたん?

翔子「まだかなり若い政治家ですね」

うむ。ま、彼はちょっとまだ若すぎるというか経験不足な部分は否めないので、「いきなり大統領候補」というのはまだちと荷が重いかもしれん。

ただ大統領候補の「ランニングメイト」としての副大統領候補あたりなら、結構「アリ」かもしれん。



■『ランニングメイト』だけ変更する、という案も

真琴「今はバイデンの『ランニングメイト』はカマラ・ハリスなんですよね?」

明言はされていないと思うがそういう扱いだろうな。何せ現職の大統領&副大統領なので。

ただ、このカマラ・ハリスの「人望・実力・人気の無さ」もバイデンの足を引っ張っているのが現状のようで。

翔子「カマラ・ハリスについては『その19』でも考察しています」

 


前回記事(116)で言及した「ハー特別検察官」の指摘に噛み付いて猛反発していたのもこのハリス副大統領だったが、彼女はどうにも政治的センスが欠落しているというか「なるほど、こりゃ党内でも人望がない訳だ」という印象を醸し出していたような。


民主党が指名争いでバイデンを替えられないなら、『ランニングメイト(副大統領候補)だけでも変更する』というのは一つの腹案としてあるかもしれん。

大統領が健康問題等で執務を続けられなくなった時、代わりを務めるのは副大統領である。

この「副大統領がカマラ・ハリス」というのがバイデンの不安要素にもなってしまっている側面は実際あるように思える。


仮定の話にはなるが、もし民主党が「人望・実力・人気を兼ね備えた高支持率の政治家」を副大統領候補に据えることができれば、支持者も「バイデンに健康不安? 全然ウェルカムよ!むしろ最初から副大統領に任せてバイデンは隠居して欲しいくらいで!」みたいな感じで、バイデンの高齢問題が実質的にほとんど払拭できたりする可能性すらあり得るかも。

真琴「ま、『そんな人物がもし存在するならば』という点が現状一番のネックですが」

ていうか2020年の大統領選挙の頃は、カマラ・ハリスこそがまさにそうした「高支持率の副大統領候補!」みたいな扱いだったはずなのだが、どうしてこうなった…



■セキュリティ・クリアランスの整備はいずれにせよ必要

やや話は変わるが。

上記のニッポン放送の記事でも言及された「セキュリティ・クリアランスの整備」について。

記事内では「もしトラ」への対策の一部、みたいな流れで言及されているが、これは民主党やバイデン側からも共和党側からも再三、日本に要請のあったテーマであり。

米国だけでなく欧州側との連携をする上でもセキュリティ・クリアランスの整備は絶対に必要な政策だと言える。

勿論、こうした「日本の国益にかなう」ような政策に対しては、「中国共産党マンセー、北朝鮮マンセー」の日本のレッドチーム(エセリベラル・メディア含む)からは病的なまでの猛反対の声が挙がるのが常であり、本件でも猛反対が予想されるが、それを跳ね除けてきっちり実現にこぎつけて欲しいものである。