【新日本ファクトチェックセンター】
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引き続きジャニーズ問題を。

前回記事(その93)で「当事者の会」代表の「平本淳也」氏関連の「疑惑」について考察したが、その続きである。

 



■平本淳也氏と市村和也氏と「偽ジャニーズ」?

まず、以下のtogetterまとめを見てほしい。

 

ジャニーズ性加害問題当事者の会代表・平本淳也氏、過去に「偽ジャニーズ」に性被害を告白させていた


真琴「えーと。どういう話なんです?」

かつて「SHADOW」という男性アイドルグループがあった。1989年結成。1990年解散。

主なメンバーは、当時ジャニーズ事務所に対する糾弾活動を展開していた北公次に共鳴する「元・ジャニーズJr.」達であり、平本淳也氏もジャニーズ事務所脱退後はこの「SHADOW」に所属していた。

当時の北公次側団体ということで、つまり「アンチ・ジャニーズ」的なアイドル団体だったと言える。

この「SHADOW」には市村和也というメンバーも一時期いた。彼はジャニーズ事務所に所属していた事は一度も無い人間で、単に他のメンバーに誘われて(リーダーである阿部の彼女の弟だから、という理由らしい)「SHADOW」に入っただけだと言われている。


平本淳也氏も比較的後期の自著の中では以下のような事を語っている模様。

>『偽ジャニーズの市村和也という人物はナニをしているかわからないけどどっかで生きているんだろうし』

翔子「つまり市村和也氏が実は『元ジャニーズ』などでは全くない『偽ジャニーズ』であることは、同グループの平本淳也氏も認めている事実だと」

うむ。

ところが平本淳也氏らによる比較的初期の著作の中では、市村和也氏は「元ジャニーズ」という「設定」で性被害?の証言が詳細に記されているという不思議。

「8人目の光GENJI」という、その平本淳也氏らの共著の中では「市村くんの告白」という章があり、市村和也氏が「僕がジャニーズ事務所に入ったきっかけは、姉が勝手に応募~」「レッスンに行ってジャニーさんに話かけようとしても~」などと語る、まことしやかな証言?が克明に描かれている模様。

その平本淳也氏らの共著の中では、市村和也氏は「中2から18歳までジャニーズ事務所に所属していた」という設定でプロフィールが記載されていると。

真琴「ええ!?ジャニーズ事務所に所属していたことが一度もない人?なのに、『5年程度も在籍』という謎設定で被害を告発している? その証言は本当の証言なんですか?」

ワカラン。

ワイ自身はその著書をまだ読んでいないが、読んだネット民からは以下のような声も出ている。


>「当事者の会」の平本淳也氏とハヤシ氏が昔出された暴露本「8人の光GENJI」の中で彼らのお仲間の元Jr.で顔出し実名でジャニー氏の性加害を具体的かつ詳細に語っていた市村和也という人物は実は偽ジャニーズで彼の告白は作り話だったこと、後に平本氏が「GOSSIP×GOSSIP」の中で明らかにされていますよ


翔子「つまり市村和也氏が語ったジャニー氏の性加害の証言は作り話だったと、平本淳也氏も認めているのですか?」

事実関係は不明だが、確かにこのtogetterまとめのスクショ等から判断する限り、平本淳也氏らによる暴露本の中の「証言」とやらにも「真実かどうかだいぶ疑わしい」という「疑惑」の要素がかなり残る、というのは否定できない事実だろう。


にも関わらず、ジャニーズ問題の調査委員会側は、そのへんの「疑惑」を一切無視して(ロクに検証しないまま?)、平然とそれらの(平本氏らが著者の)暴露本を「根拠」として「被害報告」にカウントしているらしき点も指摘されている。


真琴「つまり調査委員会側は、『自称被害者?』の証言をただ鵜呑みにするだけで、ロクな検証も事実確認もしないまま『めくら判』で全部被害者認定している?」

そういう疑念を抱かれても仕方がない状況かもしれん。

そしてこの平本淳也氏は「当事者の会代表」であり、警察への相談なども彼が行い、「被害者のジャニーズ在籍確認は俺達がする」みたいなことも主張している模様。

そんな重要なポジションの人間(平本氏)の深刻な疑惑?が、マスコミにはガン無視?されたまま闇に葬られていいのだろうか?



■『草津町問題』のことを思い出してみたい

前回記事や上記件からも、平本淳也氏サイドの「発言」「証言」には、それなりに疑うべき根拠のある「疑惑」が複数存在する、という点は事実だろう。

平本淳也氏やその著書に書かれた「被害者証言?」には「虚偽の被害者証言」が含まれている可能性も十分にありそう、と考えられる状況だと言える(ただし現時点ではあくまで「可能性」)。

翔子「それって『実は真相は、被害者と加害者が真逆の構造だった』みたいな話ですか?」

うむ。「表と裏が逆さ」という前回の話にも繋がるな。


「虚偽の被害者証言」というと、知っている人なら真っ先に思い出すのは『草津町問題』ではないだろうか。

真琴「それはどういう話ですか?」


2019年に、当時町議だった新井祥子氏が、「黒岩信忠町長から町長室でわいせつ行為を受けた!」と大々的に告発した。

それを受けて朝日新聞だの週刊金曜日だのと主に左派系メディアが、当初から一斉に黒岩町長を一方的に「性犯罪者」扱いするような報道を盛んに展開。

更に町議へのリコール投票が可決すると「セカンドレイプの町・草津」などと草津町自体を一方的に「悪者」扱いするような主張や報道が激化した。過激なラディカルフェミ系団体なども猛烈に草津町や黒岩町長を糾弾しまくっていた。

Colabo問題での「リーガルハラスメント」発言等で悪名高い「神原元」弁護士などもそうした「草津町攻撃」に全力で加担していて。

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彼らの報道や主張は、完全に「黒岩町長は性加害者で彼や彼を擁護する町は『悪』、性被害を訴える新井祥子氏は『正義』」という徹底した「善悪二元論」に基づく「結論ありき」の主張だった。

日本のメディアだけでなく、英国BBCやガーディアン紙、米国NYタイムズなどの海外メディアですらも、一斉に上記の「新井=正義:黒岩=悪」という善悪二元論に基づく「結論ありき」の主張で報じていて。

本件では国内外のメディアがグルになって「新井=正義:黒岩=悪」という勧善懲悪ストーリー?の構築や糾弾の方向に当初は突き進んでいた、ということ。

日本国民の多くは、当初はそうした「結論ありき」のメディア報道やラディフェミのフラワーデモなどの善悪二元論の主張を見て本件は「新井=正義:黒岩=悪」という問題だと当然のように認識してしまっていた。

翔子「なるほど。確かにそんな感じでしたね」


ところが。真相を追及していく中で、本件は驚くべき展開に進んでいく。


“セカンドレイプの町・草津”と不名誉なレッテル…「性被害告発」は実態も証拠もなかった? メディアの責任と課題

 



群馬・草津町議の「性被害」告発をうのみにした人々が今すべきこと

https://www.newsweekjapan.jp/ishido_s/2023/04/post-5.php

>新井氏の公判は粛々と進められ、彼女は法的責任を問われる可能性がある。だが、責任を問われない人々がいる。虚偽が疑われる彼女の主張を検証せずに信用し、運動を展開してきた人々だ。彼らは町長側の反論に全く聞く耳を持たず、告発段階であるにもかかわらず、あたかも被害が事実として確定しているかのように取り上げてきた。
 

 

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真琴「え!加害者は実は虚偽の被害告発で黒岩町長を陥れようとした新井祥子氏の側で、黒岩町長はただの冤罪で不当なバッシング・酷い人権侵害を受けた被害者の側だった?」


『実は真相は、被害者と加害者が真逆の構造だった』というのは、小説や映画の中だけの話ではなく、「現実に存在する事象」なのである。



■「本物のジャーナリスト」に必要なのはあくまで「公正な視点からの真実の追及」

『草津町問題』から学ぶべき教訓は、真相が判明していない段階での「◯◯は正義、△△は悪!」みたいな偏見・先入観に基づく「結論ありきの糾弾会・人民裁判」は、「極めて危険」であり「冷静・公平な真相究明」という観点からは「一番やってはいけない最悪の手法」だということ。

翔子「落ち着いて考えれば、それは当然のことですよね」

ところがこの「当然のこと」ができていない人が大量に湧いているのが現代の世の中ではないだろうか?

ジャニーズ問題の真相究明にしても、「本物のジャーナリスト」に必要なのはあくまで「公正な視点からの真実の追及」である。

「どちらが正義、どちらが悪!」などと先入観や思い込みで結論を最初に定めて枠を固定するような姿勢は決して持つべきでなく、国民が疑問に感じている疑念点等があれば双方に対してきちんと公平に説明を要求し追及していく真摯な姿勢。それが必要。

そんな「本物のジャーナリスト」が、今のジャニーズ問題の場に存在するだろうか?

否。

ワイの知る限り、「当事者の会や被害告発者は無条件の絶対正義!、ジャニーズ事務所は問答無用の絶対悪!」的な偏見・先入観に基づく「結論ありきの糾弾会・人民裁判」にだけひたすら前のめりな偽物、「自称ジャーナリスト」ばかりなのが現状、と断言できる。誠に残念ながら。

真琴「実際、平本淳也氏ら『当事者の会』側の疑惑や発言の矛盾点を本気で追及する記者はほぼ誰一人見かけませんね。これだけ疑惑に対する説明要求がネットでは挙がっているのに」

翔子「むしろ、『被害者の証言を疑うなど言語道断!』『加害者側が絶対に言っちゃいけない台詞!』みたいに、そっち方向の『真実の追及』を頭ごなしに盲目的に非難し、群れて圧力をかけて疑惑の真相追及をやめさせよう(闇に葬ろう)!、みたいな意図すら感じられるような」

うむ。

ワイが本件の中で「結論ありきの糾弾会・人民裁判」的なワードを何度も使っているのは、まさにそのあたりの話なのである。

はっきり言えば【この人達(記者やメディアら)は草津町問題の頃から何一つ反省しておらず、何一つ学んでいないのではないか?】と思えるくらいの偏った姿勢であって。

 

ジャニー喜多川氏の生前は(何度も告発があったのに)全力でジャニーズ事務所に媚びを売って真相追及など全くしていなかった大手メディアやその記者達。彼らは今、180度豹変して逆方向(ジャニーズ叩き)にのみ盲目的に突き進んでいるような。「極端から極端」という感じで、彼らはただ「長いものには巻かれろ」とその時々の流行や主流派の主張?の変化に乗じて変節しているだけではないのか。あるいは「自分達が責任追及されない為」に彼らも必死なのかもしれないが。

 


ワイが本件で「ジャニーズ批判側」にあまり共感できないのは、そういった事情による訳だ。

 

文春、朝日、NHK、日テレ…ジャニーズ性加害問題当事者の会の証言における矛盾を報道しない、マスコミの「逆忖度」

 


長くなったので今回は一旦ここまで。続きはいずれまた。

真琴「まさかの三部作ですか?」

生姜教授「お前はただジャニーズ事務所に忖度しているだけじゃないのか?」

ワイは別にジャニーズ事務所の味方ではない。ジャニーズ批判側の味方でもない。

ワイは徹頭徹尾、ただ「真実の味方」でありたいと考えているだけだ(キリッ