冷静と錯乱のあいだ。
月曜日の夜、猫宮さんから電話がかかってきた。
ミドリから話聞く限り、
ミドリは夜景見に行ってないっぽいけど
もしかして二人で行ったの?
・・・そうですけど
で、朝帰り?
朝帰りというか・・・
帰ろうと思ったら名波さんの財布が無いってなって
探してたら遅くなったんですよね。
なんでミドリは一緒じゃなかったの?
元々二人で行こうかって言ってた話だったんですよ。
ふーん。
別に何も無かったし。
そう。
ここで謝れば全てが丸く収まる気がしたけれど
謝る理由も必要も無いことに気付いてしまった。
私と猫宮さんは恋人同士ではない。
名波さんと夜遊びしたところで
猫宮さんに支障をきたす訳じゃない。
でもそれを口にしてしまえば
全てが終わってしまうのはわかってたから
私はただ押し黙るしかなかった。