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インド紀行(6)走れ、リキシャー!

インドの話、最終回。長いけど、波瀾万丈です。ジェットコースターに乗った気分になれると思います。

※ここまでのいきさつは前の投稿 を読んでね。

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9月2日(月)17時。その日、ジャイプールの北のはずれにいた私はジャイプール空港19時発の飛行機でデリー(首都)へ戻らなくてはならなかった。翌日は日本への帰国日なのだ。

つまり2時間以内に約30キロ離れた空港へたどり着く必要があった。それができる方法はただ一つ。オートリキシャーに乗ることである。

オートリキシャーとは、日本でとうに見かけなくなったオート三輪を使ったタクシーのこと(写真)。

インドでは現地人が下駄代わりに使うチープな移動手段。日本の現地駐在員はまず乗ることがないそうだ。彼らは運転手つき車を持っているので。

私は近くに停まっていたリキシャーのオヤジへ空港へ行きたいと話しかけた。

ところが、最初の難関。Airportという英単語が通じない。何回か繰り返すと、オヤジが手真似で宙を指さし「プシューか?」と尋ねる。私も同じゼスチャーで「プシューだ」と答える。急いでいるのだ。もうプシューでよかった。

リキシャーには一応走行メーターがついているが、まず使われない。乗車のたびに交渉する必要がある。

プシューまでいくらかと訊くと、350ルピー(480円)だとのこと。これはガイドが言っていた300ルピーから400ルピーという相場とドンピシャリ。やはり、プシューは空港だった。

交渉が成立すると、オヤジが自分で行くのかと思いきや、そばにいた若いあんちゃんにおまえ行けと指示。あんちゃんはなかなかのイケメンで賢そうな顔をしており、しっかりしている印象を受けた。

私が乗り込むと、すぐにリキシャー発車。若い運転手は車の隙間をみつけては割り込み、すいすいと運転。

やっぱりインドみたいなところでは普通の車よりリキシャーの方が頼りになるよなあと思ったのも束の間、リキシャーはガソリンスタンドに入った。

運転手は手ぶりと単語で私にガス入れるから100ルピー(150円)ちょうだいと要求。運転席のガスメーターを見ると残量ゼロだった。アホ、ガス入れてから客を待てよと思ったが、英語の通じない彼と争っても仕方ない。先を急ぐのだ。私は100ルピーを払った。

ガスを腹一杯入れたリキシャーは再び発進。めちゃくちゃ飛ばす。これが揺れるなんてもんじゃない。三輪車って走行安定性が皆無なのだ。カーブでは遠心力で車外へ飛ばされそうになる。

写真を見るとわかるけど、リキシャーにはドアが無い。横が空いている。もちろんシートベルトなんかあるはずもない。私は何回も道路へ落ちそうになった。

道路への転落は即死を意味した。後続車に轢かれるか、牛に踏まれるか。どっちも嫌なので、必死で手すりへしがみついた。こんなところで死にたくない。

その日は月曜日。遠く離れた日本では会社の部下が仕事を頑張っている時間だった。彼らはまさか自分たちの上司が、インドの片隅でオート三輪にしがみついているなんて想像もできないだろう。それも命がけで。

リキシャーがしばらく走るうちに私は恐ろしいことに気がついた。この運転手、空港の場所を知らないのだ。何回もリキシャーを停めては通行人や店の人に道を聞いている。

さらにひどいことに彼はどうやら字が読めないらしかった。ヒンドゥー語と英語で「空港」と書いてある看板を平気で無視して走っている。文句を言おうとしても爆音で声が通らないし、彼は英語がわからない。

それでも1時間ぐらい走るうちにようやく空港らしきものが見えてきた。

前にも書いたけど、リキシャーって、せいぜい2~3キロの距離を下駄代わりに乗る乗り物だ。私みたいに30キロも乗る奴はめったにいないだろう。日本のタクシーで言えば、東京から横浜往復ぐらいのインパクトはあるのかも。

やれやれと思っていると、リキシャーは空港の入口に入った。地味なターミナルだなと思ったら、そこは貨物用の入口だった。運転手はそこにいた係員と何か長いこと話している。悪い予感。

係員は運転手の代わりに英語で私に説明してくれた。ここは貨物用の入口で旅客ターミナルは滑走路の反対側にあると言うのだ。そこへ行くには、あと100ルピー(150円)かかるとのこと。

運転手、おまえが間違えたんだろ、馬鹿。なんで俺が金を払うんだとムカッときて、係員にWhy?と尋ねる。係員は真面目な顔で答えた。
「彼はがんばっている」

もういいよ、払うから早く連れて行けと言うと、運転手は笑顔でリキシャーのエンジンをかけた。

こうして私は100ルピーずつ小刻みにボラれながらターミナルビルへ向かったのだった。

時間は18時10分を過ぎている。飛行機離陸まであと50分。空港までは来ているのだから、もう大丈夫だろうと思った次の瞬間、私はNo!と絶叫した。

リキシャーはそれまで滑走路を右手に見ながら走っていたのだが、この馬鹿運転手、あろうことか、交差点を左折したのである。なぜ空港から遠ざかる?そのまま滑走路沿いに走ったら、絶対ターミナルに着くのに。目の前が真っ暗になった。

少し走っても目的地が見えないので(当たり前だ)運転手は再び通行人へ道を聞く。通行人の答えはヒンドゥー語だったが、私でも理解できた。
「空港はあっちだ」
と言っている。通行人は私たちがもといた方向を指さしていた。

そこでやっと運転手は自らの誤りを悟り、リキシャーをUターンさせた。

ターミナルが見えてきた時、私は虚脱状態であった。ただ、おかしなことにその運転手にシンパシーというか、一種の友情のようなものを感じ始めていた。

こいつは極めつけのアホだが、アホなりにがんばっているんだよなあと。計200ルピーをボッたのも悪だくみではなく、天然の振る舞いに過ぎない。

ターミナルに着いたのは18時20分。何はともわれ間に合った。これで日本に帰れる。

私は当初の約束350ルピーに貨物口での追加100ルピーを加えた450ルピーでよいところ、500ルピー札(750円)を運転手に渡して言った。
「お釣りはいらないよ」

すると運転手はウインクして500ルピーを胸ポケットにしまい、さっそうとリクシャーで走り去って行った。

キミ、そういう英語はわかるのな。(完)

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ここまでくると、もはやタレント

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ここまでくると、もはやタレント


インド紀行(5)無敵のツアーガイド


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これまでのいきさつは インド紀行(4)試練のツアーバス  参照

ジャイプール(インド)での現地バスツアーの続き。

私以外の参加者は全員がインド人だったわけで、ガイドによる観光地の説明は基本ヒンドゥー語で行われた。当然、私にはチンプンカンプン。

ガイド(写真)のにいちゃんは親切で、いちいち私の席に来てはもう一度英語で説明を繰り返してくれた。なかなか知的でふるまいもスマートだ。

ツアーは18時終了予定だったが、私はその日19時の国内線飛行機でデリー(首都)に帰らなければならなかった。そのことをガイドに言うと、17時ごろに空港へ行きやすい場所でバスから降ろしてあげるとのこと。ありがたい話だ。

ところが、ここからがインド。

時間が17時に迫っても、ガイドは私をバスから降ろしてくれる気配がない。バス停車時にガイドに声をかけると、こう言った。
「飛行機は19時だろ?18時に町の真ん中で降ろしてあげれば十分だと思って」

いやいやいや。勝手に予定を変えるな。そんなリスクは冒せないと私は文句を言った。土地勘のない私だって、その時いた場所が空港から数十キロ離れているこ とはわかっていた。

渋滞だらけのインドでは、少しでも早く目的地へ向かいたい。その日のうちにデリーへ帰らないと、翌日は日本に帰る日なのだ。

それなら空港行きバス乗り場に連れて行ってやるよということで、私はバスを降りることになった。

2人きりになった瞬間、ガイドは豹変。私に猫なで声で言った。
「キミはぼくのサービスに満足してくれたかい?」
「もちろん。とても楽しかったよ」
すかさずガイドは私に右手を差し出す。
「じゃあ、チップおくれ。チップ、チップ、チップ、チップ、チップ!」

最低5回は言った。私は財布から100ルピー札(150円)を1枚抜き、彼に渡す。彼はその額に満足したようで、大きくうなずくと札をポケットにしまった。相場より高額だったらしい。

こういうことは文化の違いなので、別にかまわない。面白かったけど。問題はここから。

ガイドは広い道路に私を連れて行くと、にこやかにこう言った。
「ここで待っていれば、赤い空港バスが来る。エアコンつきだ。料金はたったの50ルピー(75円)。オートリキシャ(オート三輪のタクシー)で空港に行ったら300ルピーから400ルピー(450~600円)も取られちまうんだぜ」
「バスはいつ来るの?」

そこに時刻表はなかった。いや、バス停すらなかったのだ。
「たくさん走っているから心配ない。バスはすぐに来る」

来るわけないじゃん。来ないじゃん。バス停でもないところへ、いい感じでリムジンバスが来ると思うほど私はお人よしではない。しかもインドで。

ガイドのにいちゃんはにこやかにこう言うと、去って行った。
「もしバスが来なかったら、俺たちの観光バスで、またキミを拾って町へ送ってあげるよ」

アホかと。これ以上、インド式に付き合っていられなかった。あと2時間でデリー行の飛行機は飛び立ってしまうのだ。私はデリーに、いや日本に帰りたかった。

別に50ルピー(75円)が500ルピー(750円)になろうが痛くもかゆくもない。何とかして空港にたどりつかなくては。

方法はひとつしかなかった。(最終回に続く)



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実はヤバイ写真

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実はヤバイ写真

一見、カッコいいのだが、よく考えると絶体絶命の状況である。基地内で全員が銃を構えているということは何者かに侵入され、追いつめられているのだ。

残された選択はモロボシ・ダンが皆の前でセブンに変身するか、それをせずに戦って全員玉砕のどちらかだ。

さあ、どうする?


インドに外国を感じない

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インドに外国を感じない

これが不思議。行ってみて、別に懐かしい感じはしないし、特に好きでもない。

でも、なぜか外国を感じないのだ。ある意味、面白くない。

よくインドを大好きになるか大嫌いになるかどっちかと言うけど、どちらも理解不能。

普通だとしか思えない私は変なのだろうか?


インド紀行(4)試練のツアーバス

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インドのジャイプールでは、現地のバスツアーに参加した。州政府の運営。9時から18時の一日観光で300ルピー(450)円だ。

バスを見て唖然とした(写真上)。エアコンどころか窓がない。遊園地で20分ぐらい乗るならいいだろう。ほこりっぽいインドで、これに8時間乗ることを想像して欲しい。

サスペンション(揺れ防止装置。普通の車にある)なんか無いに等しい。小石と穴ボコだらけの道路では揺れるなんてもんじゃなかった。乗車中、3分の1ぐらいの時間、私は宙に浮いていた。

私は最後部の席に座るようガイドに指示された。ツアーの参加者は私以外全員がインド人(写真下)。皆、不平も漏らさず黙々と運命に身をゆだねていた。

物言わぬインド人とボロボロのバスで運ばれる。私は思った。

こ、これは奴隷船だと。

(続く)

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インドのリキシャー(オート三輪)

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インドのリキシャー(オート三輪)

空港まで乗ったはいいが、実は彼が空港の場所を知らないことが判明。

いろんなアクシデントがあり(ブログ、検非違使の「もの申すブログ」に書きます)、空港にはギリギリの到着となったのだった。


インドでの昼飯

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インドでの昼飯

現地ツアーで連れて行かれたレストランにて。ターリー(定食)250ルピー(380円)。日本で言えば1200円ぐらいかも。味はまあまあ。この国では高い金を出すほど美味しいものが食べられるみたい。

※白いのは砂糖抜きのヨーグルト。酸っぱくて食べれず。


サイリウム in ビジネスバック

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サイリウム in ビジネスバック

今日は、ももクロライブ(録画)の鑑賞イベント。本人たちが来る武道館には行けなかったけど、六本木の映画館に参戦。

私の部下たちは、ボスのカバンに赤いサイリウムが入っていることを知らない。


インド紀行(3)中級ホテルの真実

インドはジャイプールの宿。日本から予約していった駅前ホテル。エアコンとバストイレ付きで一泊700ルピー(1000円)と格安だ。

ジャイプールに着き、そんなホテル、インド人しか泊まらない所だ、やめとけとの客引きの声を振り切り、宿に向かう。部屋に入ると...。

素晴らしい。ちゃんとエアコンがあった。壊れていたけど。

写真見てよ。そもそも電源ささっていないと言うか、プラグが無いし。

確かにバストイレもあった。電灯(電球そのもの)無くて真っ暗で、シャワーはお湯が出なかったけど。確かにホットシャワーとは書いていなかったな。

さすがにインド人(インディアンの語源)嘘つかないって感じですな。

まあ、この程度でブチ切れるようだったら、インドなんか行かない方がいいですよね。はは。

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