奈良市が「奈良市規格葬儀制度」の導入を検討し始めた
ようです。奈良市から「奈良市規格葬儀制度に関する
ご説明とアンケートのご協力依頼」が届きました。
資料を見ると、奈良市では葬儀の簡素化や低価格化への
ニーズが高まる一方、葬儀費用の不透明感や消費者トラブル
などの課題もあることから、透明性が高く、利用者の負担を
抑えた「規格葬儀制度」の導入を検討しているとのこと。
「明朗な料金体系」
「市民の経済的負担の軽減」
「サービスの質の担保と信頼確保」
この3つを柱に制度を検討するそうです。
画像の祭壇は寝屋川市民葬の白木祭壇です。懐かしい!
ん?・・・これって「奈良市民葬ESS」の影響かな?(笑)
まあ、それは冗談として……
規格葬儀そのものは、昔から全国各地の自治体で行われて
きた制度です。
私自身もこれまで、寝屋川市民葬や枚方市規格葬儀などを
経験してきました。
その経験から言わせてもらうと、規格葬儀制度を作るのは、
そんなに簡単なことではありません。
「市民が利用しやすい価格の葬儀を作ればいい」というだけ
では済まないんです。
「規格」というからには統一しなければならない
まず問題になるのが、何をどこまで統一するのか?
規格葬儀ですから、基本料金だけ各社同じにして終わり…
というわけにはいかないでしょう。
例えば、白木祭壇はどの規格にするのか?
柩はどの商品を使うのか?骨箱は?遺影写真は?
ドライアイスは何日分?寝台車の搬送距離は?
スタッフは何人?供花は含めるのか?
霊柩車は?軽霊柩寝台車でもいいの?
などなど……。
細かく決め始めると、いくらでも出てきます。
葬儀社によって普段使っている商品も仕入れ先も違います。
それを「奈良市規格葬儀」として、どこまで統一するのか。
さらに難しいのが**オプション料金**です。
基本料金だけ安く設定して、「これは別料金です」
「こちらもオプションです」
「せっかくですから、こちらに変更されませんか?」
となってしまったら、何のための規格葬儀なのかわからない。
過度なオプション販売によって、結局当初の想定より高額
になってしまえば、市民のための制度という本来の目的
から外れてしまいます。
ですから基本プランだけではなく、ある程度はオプション
についても内容や価格を統一する必要があると思います。
どこで利用できるの?
もう一つ気になるのが「葬儀を行う場所」です。
奈良市斎苑 旅立ちの杜の多目的室だけで利用できる制度
にするのか?
それとも、自宅葬でも使える?地域の集会所でも使える?
寺院葬でも使える?
民間の葬儀会館でも使える?ここも非常に重要です。
特に民間の葬儀会館の場合、会館使用料や設備、サービス
内容が各社で違います。
その中で同一価格の規格葬儀を行うとなると、なかなか
難しい問題が出てくると思います。
葬儀社は自由に選べるのか?
そして、もう一つ。利用者が葬儀社を選べるのか?
これも大きな問題です。
ある自治体の規格葬儀では、登録葬儀社による輪番制に
なっています。その場合、「この葬儀社にお願いしたい」
と思っていても、その葬儀社に当たるとは限りません。
価格や内容を統一することは大切ですが、葬儀社にはそれ
ぞれ考え方や得意分野があります。
何より、ご家族との相性もあります。
私は葬儀社を自由に選べる仕組みについても、
十分検討した方がいいと思っています。
制度そのものには期待しています
いろいろ問題点を書きましたが、奈良市が規格葬儀制度に
ついて検討すること自体は良いことだと思っています。
葬儀費用がわかりにくい。
何が必要で、何が不要なのかわからない。
葬儀社によって価格表示の方法も違う。
こうした市民の不安を少しでも減らす制度になるので
あれば、十分意味があります。
ただし、「安い葬儀を作る」だけではダメ。
葬儀社が継続して提供できる適正な価格であること。
利用者に追加料金がわかりやすいこと。
一定のサービス品質が保たれていること。
そして葬儀社間で公平な制度であること。
このあたりをしっかり制度設計する必要があるでしょう。
奈良市からの資料では、一般葬・家族葬・直葬・一日葬
の4パターンを基本構成として検討しているようです。
また、実際の葬儀社に対して、提供可能な価格帯やプラン
に含める項目、オプションにする項目、制度への参画意欲
、懸念事項などについてアンケート調査を行うとのこと。
これは非常に大切だと思います。
私はこれまで、寝屋川市民葬や枚方市規格葬儀など、実際
の規格葬儀を経験しています。
制度を外から見ているだけではわからないこともあります
。
「ここはこうした方がいい」「この仕組みだと現場では
問題が起きる」ということも、経験しているからこそ
言えることがあります。
ですから今回のアンケートには、ESSも積極的に協力させ
ていただこうと思っています。
奈良市民にとって本当に利用しやすく、葬儀社にとっても
無理なく継続できる制度になるのか?
これからの奈良市の規格葬儀制度の検討に注目していき
たいと思います。
それにしても「奈良市民葬」という名前を何年も使って
きたESSとしては、奈良市が「規格葬儀」を始めると聞くと、
やっぱりちょっと気になりますね。(笑)
