世間はお盆休みに入りましたね。帰省や旅行などでお出かけ
される方も多いと思いますが、葬祭業に携わっていると
「お盆=休み」という感覚はあまりありません。
特にこの時期、大忙しなのがお坊さんです。
次のお宅へ向かわれていたり……。
お盆参りで一日に何軒もの檀家さんを回られるので、
本当に大変だと思います。
そして葬儀社にとって、お盆時期のお葬式で気になるのが
「お坊さんの予定」です。
普段なら火葬場の空き状況を確認しながら葬儀の日程を
考えていきますが、お盆は少し事情が違います。
菩提寺があるご家族の場合、まず確認していただくのが
菩提寺様のご予定です。
年に一度のお盆参りですから、すでに何日も前から予定が
組まれています。
簡単に予定を変更して「明日、お葬式をお願いします」
というわけにはいきません。
そのため弊社でも、この時期に葬儀のご依頼をいただいた
場合、「菩提寺様があるのでしたら、まずは菩提寺様にお盆
参りのご予定を確認してください」とお伝えしています。
実際に昨夏は、菩提寺様のご都合もあり*お葬式まで4日待ち
となりました。
お盆の時期は、火葬場が空いているかどうかより先に、
「菩提寺様の予定がつくかな?」
と気になるのが葬儀担当者だったりします。
#初盆とは?
そして、お盆といえば「初盆(はつぼん)」があります。
初盆とは、一般的に亡くなられた方の四十九日を過ぎて
から初めて迎えるお盆のことをいいます。
地域によっては百か日を過ぎてからともいわれ、宗派や
地域によって考え方や飾り方にも違いがあります。
私が葬祭業に入った20年以上前は、この時期になると
初盆飾りの仕事がたくさんありました。
葬祭業に入りたての頃、お盆前になると初盆飾りで休みなし
に仕事をしていた記憶があります。
あっちのお宅へ行って盆棚を飾り、終わったら次のお宅へ。
今はなくなりました。
特に新興住宅地など、昔ながらのお盆の風習があまり残って
いない地域では、「初盆って何を飾ったらいいの?」
と分からない方も多いと思います。
そんな場合、私は無理に立派な飾りをそろえなくてもいい
と思っています。# 簡単な初盆飾りならこれで十分
まず、盆棚の代わりになる机を用意します。
適当な机がなければ、きれいな布などを掛ければ
ダンボール箱でも十分です。
そこへ「まこも」を敷きます。
最近ではホームセンターなどで初盆セットとして販売され
ているので、必要なものを一つずつ探さなくても簡単に
そろえられます。セットに入っている「おがら」は、
はしごを作ったり、きゅうりとなすで作る精霊馬の足に
使ったりします。
はしごは奇数段が良いともいわれています。
そして仏様用の霊具膳。
こちらもホームセンターや仏壇店などで購入できます。
お葬式で使用した廻転灯が残っていれば、それを飾っても
いいでしょう。提灯も用意して、あとは故人様がお好き
だったものや果物、お菓子などのお供え物を飾れば十分です。
お仏壇があるご家庭なら、その近くに飾ると自然です。
これだけでも立派な盆棚になります。
## 初盆は一度だけ
宗派や地域によって「こうしなければならない」という昔
ながらの決まりが残っているところもあります。
ただ、私は形だけにこだわらなくてもいいと思っています。
初盆は、その方にとって一度しかありません。
時間に余裕があれば、ご家族で故人様の好きだったもの
を飾ったり、思い出の品を置いたりして、それぞれの形で
迎えてあげればいいのではないでしょうか。
私が葬祭業に入った頃と比べると、初盆飾りをするご家庭
は本当に少なくなりました。
特にコロナ禍を境に、親族が集まること自体が減り、初盆
や盆飾りといった昔ながらの風習も大きく変わったように
感じます。このまま「初盆飾り」という風習そのものが
消えていくのかもしれません。
時代とともに供養の形が変わっていくのは仕方のないこと
だと思います。でも……「お盆休み」という風習だけは、
これからもなくならないでしょうね(笑)
葬祭業には、あまり関係ありませんけどね。
今年もお盆期間中、ESSはいつも通りです。
