ちょっと懐かし昭和の思い出話
(サブタイトル)
続き
虫歯で丸く穴の開いた所に「正露
丸」を押し込むとハンカチを強くか
むように教えられた。しばらくの間
独特の味と格闘していると痛みが和
らいでくるのだ。今で痛くなったら
すぐ歯医者さんに行くのでこのよう
な光景は見かけることはなくなった。
田舎ならではの治療法であったのか
も知れない。
冬になると「シモヤケ」と「ひび
割れ」のオンパレードである。「シ
モヤケ」は、とにかく痒かった。耳
たぶ、手、足、あらゆるところにで
きるわけだから性質が悪い。
「ばあちゃん!痒い!」と言うと祖
母はひたすらゆっくりと、揉みほぐ
してくれた。痛いんだけど気持ちが
いいような妙な快感があったものだ。
それでも治らないところは究極の荒
治療である。まち針の先を火であぶ
り、左手で患部を思いっきりつまみ
あげる。後は覚悟を決めて「ブスッ
!」と刺すだけだ。刺した後は思い
っきり絞ると「どす黒い血」が現れ
るのだ。こいつが出ると痒みが治ま
るのである。
続く