登場人物 梅(吉行和子) 幼稚園教諭(柳原可奈子) 園児
( )は人物イメージです
第一話 丘の上の大きな家
初夏の日差しが眩しい ある日のこと 町外れの小高
い丘を 20人程の幼稚園児が行列を作って歩いてい
ます 先頭を歩いているのは 引率の教諭でしょうか
汗だくの顔をハンカチで拭いています 園児の方が
ずっと元気そうです 道の行き止まりにある大きな家
の前で行列がとまりました 園児たちを横一列に並べ
て 教諭が声をかけました
教諭「お年寄りを大切にしましょうね ケンジ君 何か
呼びかけてみましょう」
ケンジ「おばあさ~ん いつまでも長生きしてください」
何も返事はありません そよ風の音と虫の声だけが
ザワザワとするだけです
園児たちが訪れた家は 庭にも屋根の上にも 電化
製品やツボや自転車や ガラクタが所狭しと置かれた
とってもヘンテコな家でした
家の中を見てみると 骨董品屋を何軒か集めたような
どの部屋にも時計とか置物とか置かれていて 大きな
家にもかかわらず 使える部屋は寝室と食堂だけの
ようです
教諭「それでは いつもの歌を歌いましょうね イチ
ニイ サン ハイ!」
大きな声で歌いはじめる園児たち 童謡のような元気
が出る曲を
その歌声が聞こえたのでしょう 窓を見ていた 梅さん
が何か叫んだ
梅「早く どっかへ行っておくれ~」
その声のせいなのか 風の仕業なのか 屋根の上の
ガラクタが 大きな音とともに落ちた
園児たち「ギャ~~~」 いちもくさんに逃げ出した
教諭「あなたたち待ちなさい」 それを追いかける教諭