先日、保険会社が経営破綻になる可能性について述べた際に、再保険についてお話ししました。

再保険と文字だけ見ると再々保険と続き、あたかも「ババ抜き」みたいに1社が経営破綻しないか不安になりませんか?

今回は「再保険」について解説します。

 

結論から言うと、これは誰かが最終的に大損をする「ババ抜き(貧乏くじ)」ではなく、

リスクを限界まで細かく切り刻んで、世界中の全員で少しずつ分け合う「お神輿(みこし)担ぎ」のような仕組みです。
なぜ最終的に誰も破滅的な貧乏くじを引かずに済むのでしょうか?


リスクの「薄切り」と「分散」
もし1社の保険会社が、巨大な台風や大地震の被害(数十兆円規模)を丸ごと抱えていたら、

その会社は一発で倒産してしまいます。
そこで再保険や再々保険を使って、リスクを世界中の保険会社や再保険会社に細かく切り刻んで売りに出します。
・A社(日本の保険会社): 1,000億円の巨大リスクを抱えるのは無理
・B社(海外の再保険会社): A社から「10億円分」だけリスクを引き受ける
・C社(別の再保険会社): B社からさらに「1億円分」だけリスクを引き受ける
最終的に、世界中の何百という会社が「自分の体力の範囲内なら、最悪ジャンジャン払ってもビクともしない額」だけを小分けに持つことになります。
誰も「タダ」では引き受けない(手数料のビジネス)
再保険や再々保険をかけるとき、保険会社は引き受けてくれる会社に対して「再保険料」を支払います。
つまり、リスクを引き受ける側の会社は、何も起きなければその保険料が丸々利益になります。
「万が一の時はお金を払うリスクを負う代わりに、普段から世界中からチャリンチャリンと確実にお金(保険料)をもらう」
という正当なビジネスとして成り立っているため、被害を押し付けられているわけではありません。
「エリア」と「確率」の掛け算
世界中の再保険会社は、リスクのポートフォリオ(組み合わせ)を組んでいます。
例えば、日本の地震リスク、カリブ海のハリケーンリスク、ヨーロッパ leadership の大洪水リスクを、

それぞれ少しずつ買い集めます。
「日本で大地震が起きる年に、カリブ海で巨大ハリケーンが同時に発生し、ヨーロッパでも大洪水が起きる確率」は極めて低いです。
どこか1つの地域で大災害が起きても、他の地域でもらっている保険料のプールで十分にカバーできるよう計算されています。

最終的に誰かが貧乏くじを引くのではなく、世界中の投資家や保険会社が、それぞれの許容量の範囲内でリスクをシェアしているというのが、この仕組みの正体です。