共済と損害保険(損保)は、どちらも「万が一の事態に備えてお金を出し合う」という点では同じですが、
「誰が、何のために、どういうルールで運営しているか」という根本的な仕組みが全く異なります。
一番分かりやすい違いは、損保は「不特定多数を相手にするビジネス(会社)」であり、共済は「仲間内で助け合う非営利のサークル」のようなイメージである点です。
■運営の目的と「利益」の扱い
ここが最大の根本的な違いです。
▼損保(損害保険会社)
「株式会社」として営利目的で運営されています。
集めた保険料から保険金を支払い、残った分は会社の利益(株主への配当や内部留保)になります。
▼共済(全労済や都道府県民共済など)
「生活協同組合(生協)」などの非営利団体が運営しています。
利益を出すことが目的ではなく、組合員の助け合いが目的です。
そのため、決算で割り当てられた余剰金(余ったお金)は、「割戻金(わり戻しきん)」として組合員にキャッシュバックされる仕組みになっています。
■誰が加入できるか(対象者の違い)
▼損保
原則として、誰でも加入できます。広く一般の人や企業をターゲットにしています。
▼共済
原則として、その共済を運営する組合の「組合員」とその家族しか加入できません。
ただし、出資金(数百円〜数千円程度)を払って組合員になれば、誰でも実質的に加入できるものがほとんどです。
■管轄する法律と国のチェック体制
損保と共済では、バックにいる国の「お役所」が違います。
▼損害保険
・管轄する法律
保険業法
・監督官庁
金融庁
・セーフティネット
「損害保険契約者保護機構」があり、万が一、会社が破綻しても保険金の一定額が保護される
▼共済
・管轄する法律
各種協同組合法(消費生活協同組合法など)
・監督官庁
厚生労働省や農林水産省など(運営団体による)
・セーフティネット
原則として「損害保険契約者保護機構」の対象外。
ただし、独自の健全性基準や救済仕組みを持つことが多い。
■商品設計とリスク細分化の仕組み
お金の集め方とプランの作り方にも特徴があります。
▼損保
リスクに応じて保険料が細かく変わります。
例えば自動車保険なら、年齢、事故歴(等級)、走る距離、車種によって一人ひとり保険料が計算されます。
▼共済
パッケージ化された「一律プラン」が主流です。
年齢や性別に関わらず「一律月々2,000円」といったシンプルな仕組みが多く、手続きが手軽な反面、
個別の細かいカスタマイズ(特約を細かく盛り込むなど)は損保ほど自由にはできません。
■その他
▼使う言葉の「言い換え」
仕組みが違うため、使われる専門用語も以下のように徹底して区別されています。
損保:保険料 ── 共済:掛金(かけきん)
損保:保険金 ── 共済:共済金(きょうさいきん)
損保:契約者 ── 共済:組合員(くみあいいん)
▼どっちを選ぶのがいい?
起きるリスクに対して、何も準備しないことは不安につながります。
ですが、起きるリスクの低いもの高額な保険をかける必要はないと思います。
お住いの地域をハザードマップなどで調べて、リスクと補償のバランスを考えるとよいと思います。