NISA(ニーサ)は、「少額投資非課税制度」のことで、個人の資産形成を支援するために作られた税制優遇制度です。

通常、株式や投資信託などの金融商品から得られる利益(売却益や配当金など)には、約20%の税金がかかりますが、

NISA口座で投資した場合は、その税金がかかりません。

 

■NISAの特徴

▼非課税期間の無期限化と恒久化

旧NISAでは非課税期間が限られていましたが、新しいNISAでは無期限になり、制度そのものも恒久化されました。

これにより、期限を気にせず長期的な資産形成が可能になりました。

▼年間投資枠の拡大
NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2枠があり、それぞれ投資限度額が決まっています。
つみたて投資枠: 年間120万円
成長投資枠: 年間240万円
両方を合わせると、年間最大360万円まで投資できます。

▼非課税保有限度額の拡大
非課税で保有できる投資総額は、生涯で1,800万円までです。(うち成長投資枠は1,200万円まで)
売却すると、買付金額分の非課税枠が翌年以降に再利用できます。

■つみたて投資枠
▼購入方法

積立投資のみ
 

▼対象商品

金融庁が定めた、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

▼特徴

毎月一定額を自動で積み立てることで、投資初心者でも始めやすく、リスクを抑えた長期的な資産形成に向いています。

■成長投資枠
▼購入方法

一括(スポット)購入、または積立投資

▼対象商品

上場株式、投資信託、ETF(上場投資信託)など。

ただし、整理・監理銘柄や、一部の投資信託(信託期間20年未満、毎月分配型など)は除外されます。
 

▼特徴

幅広い商品に投資でき、ご自身の判断で柔軟な運用が可能です。

■NISAのメリット
▼運用益が非課税になる

利益に対して約20%かかる税金がゼロになります。

▼非課税期間が無期限:

期限を気にせず、長期的にじっくりと資産を育てることができます。

▼投資枠の再利用

売却した分の枠が復活するため、柔軟な運用が可能です。

再利用可能になるのは翌年1月1日

▼非課税で受け取れる

確定申告も不要です。

■デメリット
▼元本保証ではない

投資なので、元本割れ(投資した金額よりも資産が減ること)のリスクがあります。

▼損益通算や繰越控除ができない

NISA口座で損失が出ても、他の特定口座などとの損益通算や、翌年以降への損失の繰り越しはできません。
※詳しくは最後に記載しています。


▼口座は1人1つ

複数の金融機関でNISA口座を持つことはできません。(ただし、年単位で金融機関の変更は可能です)

▼未成年者は利用できない

NISAは18歳以上が対象です。(旧制度のジュニアNISAは2023年末で廃止)

 

■損益通算や繰越控除ができないとは?

※「損益通算」とは、同じ年の取引で生じた複数の利益と損失を相殺することです。
▼通常(課税口座)の場合
・株式Aで100万円の利益
・株式Bで50万円の損失
課税対象となる利益は100万円 - 50万円 = 50万円
この50万円に対して税金(約20%)がかかる

▼NISA口座の場合
・NISA口座で50万円の損失
・課税口座(特定口座など)で100万円の利益
NISA口座の損失はなかったものとみなされるため、課税口座の利益と相殺できません。
そのため、課税口座の100万円の利益すべてに対して税金がかかってしまいます。
 

もし、特定口座であれば、特定口座の50万円の利益に対する税金(10万円)だけで済んだはずが、NISA口座で損失を出したとしても、特定口座の利益に税金(20万円)がかかることになります。