今回は「外国為替相場の変動要因」についてご紹介します。
外国為替相場は、様々な要因によって常に変動しています。
これらの要因は、短期的なものから長期的なものまで多岐にわたるため、
「株券」や「債券」と異なり「適正価格」を算出するのが難しいとされています。
■主な変動要因
▼ 金利差 (Interest Rate Differentials)
2国間の金利差が拡大すると、一般的に金利の高い国の通貨が買われ、金利の低い国の通貨が売られる傾向があります。
これは、投資家がより高い金利で運用できる通貨に資金を移動させるためです。
▼国際マネーフローの動向 (International Capital Flows)
貿易や投資によって国境を越えて資金が移動する動きも為替相場に影響を与えます。
▼ 購買力平価 (Purchasing Power Parity)
長期的には、為替レートは2国間の購買力が等しくなるように調整されるという考え方です。
▼ 経済指標の発表 (Economic Data Releases)
GDP成長率、消費者物価指数(CPI)、雇用統計、製造業PMIなどの経済指標は、その国の経済状況を示す重要なデータであり、
市場の予想と異なる結果が出ると、為替相場が大きく変動することがあります。
市場はこれらの指標から将来の金利や経済成長の見通しを判断するため、発表されるたびに活発な取引が行われます。
▼政治的安定性と地政学的リスク (Political Stability and Geopolitical Risks)
国内の政情不安、紛争、戦争、大規模なテロなどは、投資家のリスク回避意識を高め、特定の通貨から資金が流出する要因となります。
▼政府・中央銀行による介入 (Government/Central Bank Intervention)
各国の政府や中央銀行は、自国通貨が過度に変動するのを抑制するために、外国為替市場に介入することがあります。
▼市場心理と投機 (Market Sentiment and Speculation)
経済のファンダメンタルズだけでなく、市場参加者の心理や思惑(投機的な動き)も為替相場に大きな影響を与えます。
特定のニュースや情報、あるいはテクニカル分析に基づくトレンドなどによって、一時的に特定の通貨が売買されることで、相場が大きく動くことがあります。