住宅ローンを組む際に、火災保険への加入が求められることが多いです。
今回はなぜ火災保険に加入する必要があるのか、そしてどのような点に注意して保険を選ぶべきか、詳しく解説していきます。
①なぜ火災保険に加入する必要があるのか
住宅ローンを組む際、住宅(土地・建物)に「抵当権」が設定されます。
これは借入者が返済できなくなった場合に、債権者(金融機関など)が、担保となっている不動産を売却することで、借入金を取り戻せるようにするためです。
仮に災害で住宅が全壊した場合、住宅に抵当権が付いていても売却することは出来ません。
この場合、住宅ローン契約者は負債をそのまま背負う事になります。
また、金融機関も借入金の返済が滞るというリスクが発生します。
火災保険に加入することで、住宅が損壊した場合に保険金を受け取ることができ、その保険金で住宅を再建したり、ローンの残債を返済したりすることができます。
つまり、火災保険は、契約者と金融機関の両方を守る役割があります。
②住宅ローンと火災保険を選ぶ際の注意点
【保険期間】
住宅ローンの期間と火災保険の期間が一致しているか確認しましょう。(最長5年)
【保険金額】
再調達価額を基準に、適切な保険金額を設定しましょう。
再調達価額とは、現在の建物と全く同じものを、現在の物価で新たに建築するのにかかる費用のことです。
再調達価額を基準にしないと、資材費や人件費の高騰に対応できず、再建築できない可能性があるためです。
【補償内容】
火災だけでなく、風災、水災、地震など、様々な自然災害を補償する保険もあります。
ご自身の状況に合わせて、必要な補償内容を選びましょう。
【免責金額】
保険金が支払われる際に、一定の金額(免責金額)が自己負担となる場合があります。
【保険会社】
複数の保険会社の商品を比較し、自分に合った保険を選びましょう。

FPとしての主観
住宅ローンを組んだ際、火災保険は必ず契約・更新することはとても大事ですが、住宅ローンを完済した後も、火災保険に加入しておくことは大切です。なぜなら、住宅が全焼した場合、再建費用は多額になるため、経済的な負担が大きくなるからです。
また、別記事でも書いていますが、火災保険は自然災害はもちろん、「失火責任法」に対する備えでもあります。
※「失火責任法」は重大な過失がない限り、火事を起こした本人は損害賠償責任を免れる法律です。